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発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

バス・ストップ2024

2024年12月19日 | 日記
 冬である。
 去年と同じように、セーターの上にコットンギャバジンの短いコートを羽織り、淡い色のストールを巻き、帽子をかぶる。冬は、好きなだけ歩けるので大好きだ。

◆バスを待つ間にハミングするわ
 この時期の脳内BGMは、サイモン&ガーファンクルの
「冬の散歩道」(CMが出るけど、さっさとスキップしてね)。足早に歩くときは、シベリウスの「カレリア組曲」の「行進曲風に」。冬はやっぱり寒い国の曲だね。風が冷たいと感じたら、宮本浩次の「冬の花」
「冬の花」は失恋ソングで、宮本浩次が左ハンドルのフェアレデイZを危険運転しているミュージックビデオをネットで見ることができる。大変辛そうな歌だが、それでも生きる決意が歌全体に感じられて好ましい。
 そんなあるとき、突然、脳内に「銭形平次」のテーマ曲が再生された。
 眼前には筑後川、橋を渡れば佐賀県である。バス停は大川橋。
   大川橋→大川橋蔵→銭形平次
 連想は思考より早い。

◆バスを待つ間にうどんを食べる
 冬至すぎ。夕刻。苅田(北九州空港近く)の小波瀬というバス停、天神行きの高速バスには40分ある。JR駅まで15分かけて歩くという方法もあるが、車通りも少ない暗い道だし、この時間は無人駅で、駅の周辺には開いている商店などない。
 バスを待つ間にうどんを食べることにした。バス停のそばにはうどん店しかないので。
 入店時のBGMはピアソラのリベルタンゴ。軽快なバンドネオン。オープンキッチンをぐるりと囲むカウンター。普通のうどん・天ぷら屋。テーブル席もあるけど。そして客は私一人。
 店を出る時にはカウンターは半分くらい埋まっていた。偶然、客がいなくなった時に店に入ったようだ。おいしかったよ。店を出る時に流れていたBGMはNHK「映像の世紀」のテーマソング、加古隆の
「パリは燃えているか」だった。
 バス停近くの安くて早く食べ物や飲み物が出てくる店は間違いなくシェルター。
 小倉南区の例の徳力のマクドナルドは、小倉天神間の高速バスに乗るときに通りかかる。頭上にはモノレールが通り、北に行くと、JRAの小倉競馬場を経由して小倉市街に出る。駐車場が広いので、親が迎えに来る時の待ち合わせ場所なんかにもなっていたんじゃないのか。
 変な人は滅多に出ないのだろうが、住宅地近くのロードサイドのマクドナルドで、夜の豊前田(下関の夜の飲食街)ひとり歩き並みの警戒心を求められても困る。
  

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2024秋のいろいろ

2024年11月04日 | 日記
 博多駅前では11月が始まったばかりというのにクリスマスイルミネーションがはじまり、日暮れともなればホットワインや食べ物や物販の屋台が出、ステージではソプラノ歌手が歌っていて、すっかりクリスマス気分である。
 クリスマスまでふたつき近くあるというのに。
 つい十日前まで半袖で歩いていたのではなかったのか。夏日ではなかったのか。彼岸が過ぎてから日没ばかりが早くなり、でも太陽が出ている間はとても暑かったんじゃなかったのか。
 多分秋はすぐ終わって冬になるんだろう。そうやって人生もさっさと終わってしまうに違いない。毎日を大切に。

 さて今年の秋には何があったかなの順不同。
 
◆美術の時間
「超絶リアリズム絵画 ホキ美術館所蔵名品展」福岡アジア美術館。
 一度鑑賞したいと思っていたが、今行けば千葉に行かなくて済むので出かける。チケットは早くから買っていた。チラシの絵画には「これは絵です」と書いてある。
 実物にびっくりである。近くで見ても、アミ点も銀塩粒子もない。
 たまに筆跡が見つかるが、写真よりも精巧である。そこにその人がいるような、すぐに動きだしそうな、話し始めそうな表情。服の材質や皺や乾き具合、指先の温度、息遣い、そこまで描けるものなんだと。大迫力よ。

◆音楽の時間
 コンサートは北九州のソレイユホール。あそこにはパイプオルガンがあるんだ。「新ケミカル商事創立20周年記念コンサート」。黒崎のひびしんホールで買ったときにはチケットは、まだたくさんあったのに、売り切れたらしく満席。
 石丸由佳のパイプオルガン一曲目は宇宙戦艦ヤマトから「白色彗星」宮川泰作曲。いきなり足鍵盤の重低音が響きわたる。終末感てんこ盛りのどんより暗い荘厳なメロディである。聞きたい人はこちら。CMはスキップして
 次はバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」。誰もがきっと聞いたことがある至福のオルガン。それが済んだら「トッカータとフーガニ短調」(嘉門達夫の「鼻から牛乳」ともいう)これもまたバッハの代表曲の一つ。
 それから九州交響楽団と歌手4人が入場して「オペラ座の怪人」。クリスティーヌと、それからファントム3人という豪華なコンサート。
 あとはスメタナの「モルダウ」。それからドヴォルザークの「新世界」、ただし第3楽章は省略。全曲聴きたい人は九響のコンサートに来てねと指揮者が言っていた。
 質の良いアコースティック音からしか得られない栄養がある。幸せ気分で帰宅。

◆そのほか
 あと、JR九州ホールで、ビジネス系見本市みたいなの(適当)。少し知りたいことがあったので。あとは本を買って読めばいいとわかる。

◆乗り物
 広島のアストラムラインに乗る。JRを新白島で乗り換え。街は本通り、郊外は広域公園前へ行く。専用高架をゴムタイヤ履いた列車が走る。乗ってみたいと思っていたが、これまで機会がなかった。やはり広島の、5月に廃止になったスカイレールは、まるで遊園地みたいな鉄道だったけど、ついに乗らないままだったなあ。

 ほかにまだあればまた。

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竜胆

2024年10月06日 | 日記
 海辺の病院近くにやってくる次のバスまで2時間も待つ気にならない。病院の周辺には家電店と魚屋があるのみ。
 駅まで26分。真夏ではないので歩くことにした。
 夏が暑かったせいか彼岸花が2週間遅れで道端に咲いていた。
 ふと、中学の同級生がこの近くで花屋をしているのを思い出した。
 花屋で検索すると、うろ覚えの店名に近い名前の店が出てきて、地図と営業時間がすぐわかる。いい時代だ。今私がいるところから歩いて3分、しかも営業中だ。
 同級生が留守でも、何か花を買おう。
 脇道にそれて少し歩くと花屋はすぐ見つかった。木のドアの格子のガラス越しに竜胆が見えた。
 店に入った。
 店主は、カウンターに置いた円筒形のガラス花器に、あれはオンシジウムといったか、黄色い蘭の小花を活けているところだった。
 店主はすぐに私の名前を思い出した。
「散らかってるけど……」
 作業中とすればそんなものだろうな。お花がいっぱい。花屋さんだからね。センスの良い花器やリースが飾ってあった。
 見舞いの帰りに寄った旨話す。今日びは生花と食べ物は病院には持って行けないのだ。あとは共通の知り合いの消息などを少し。
 27年前の同窓会以来だった。そのとき彼が、ホテルに入っている大手チェーンの花屋から独立した話をしていたのを覚えていたのだ。
 27年も、立地がいいわけではない場所で商売を続けるには、よほどの営業努力と、研鑚が必要だったに違いない。

 同窓会のとき、他の同級生男子、確か公務員が結婚したいと思っている女性に年末に蟹を贈った話を聞き、ええっ、そう若くもない、ちゃんと収入のある交際相手から年末に贈られたのが蟹ですと? 他のものは贈らなかったの? がっかりしてなかったらよいのだけど。てか私蟹好きだけど、がっかりのガックリだわ。細い細い金鎖でもガラスのついた銀の指輪でもいいわ、なにかロマンチックなものが欲しいところだわ。フォローしとかないと、彼女、正月に親の持ってきた見合い話なんかにうっかり乗ってしまうわよ。今からでも遅くはない。何か宝石っぽいアクセサリー買って、それとS君(花屋さん)に、素敵な花束を作ってもらって、お年玉だ、とサプライズに持って行き、指輪のサイズを聞いてくるのよっ!と発破かけまくったのを覚えているが、それからどうなったのか。S君の作った花束なら効いたんじゃないかと思うが、その話は今回は、しなかった。

 ともかく竜胆を買った。何種類かあるようだったが、「これが一番好き。今日仕入れた」というのを「じゃ、それで」と頼んだ。
「菊と竜胆は、鋏じゃなくて手で折ったほうが水が良く上がるよ」。
 ひとつ賢くなった。対面販売ならではである。また来ます、と言って店を出た。

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ダイハツ。

2023年12月20日 | 日記
 福岡モビリティーショーは、毎回会社枠で聞きに行ってた自動車産業フォーラムも今回はないことだし、今年は行かないことにしてた。
    それにしてもダイハツのニュースを聞き、真っ先に思ったのは「モビリティーショーどうするのよ?」ということだったが、出展取りやめになっている。やっぱり。
2012年のフォーラム、ダイハツ元社長白水宏典技監(当時)の講演がとても面白かったのだが。当時のダイハツは岡田准一が「TNP(低燃費)」「SNB(そんな馬鹿な)」と宣伝していた。白水氏がトヨタからダイハツに移る前から不正があったということか。
 今回のダイハツ不正は、日本の基幹産業の信頼性に係る問題だ。ダイハツオーナーでなくても、どんより暗い気分になる。
 一番最近に乗ったダイハツは、えらく控え目なパワーのタントのレンタカー。人を見て貸してくれたのだろうか。スピードを出しすぎないためか、スピードが出せないと思われたかのどっちだ?
 
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そして夏が来る

2023年06月30日 | 日記
◆買ってよかったもの
・ネジがひとつもないフレームのメガネ。天神の新店の開店セールをやってるところに通りかかって買った。オモチャのようで頼りないのだが、遠近両用レンズではないのに25cmから無限大まで大体ピントが合う。軽い。ずれない。だからストレスがない。メガネをかけているのをほとんど忘れていられる。
・ローカットのバスケットシューズ型レインシューズ。雨の中、まったく問題なく長距離歩ける。晴れたら走れる。
・クールネックリング。融点28℃(24℃のものもあり)の物質がΩ型のプラスチックチューブに入っていて、冷蔵庫などで冷やして使う。首まわりを長いことほどほどの温度にしてくれる。28℃がどう効くのかと思ったが、これがなかなか。見た目エレガントとはいいがたいが、暑いのが苦しくない。外をいくらでも歩ける。冷たすぎると肩が凝ったりしそう。ふたつ買ってひとつは保冷バッグのなか。

◆ほしいもの
・塗り直ししなくも日焼けしない日焼け止めはないか。今年も時計の跡がハッキリクッキリである。

 そして夏が来る。福博のまちに今年も飾り山が設営され、明日から山笠期間、夏祭りとなる。
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そして1月が行く

2023年01月30日 | 日記
◆幸あれ
 友人からの年賀状に「結婚しました」とあった。差出人は還暦すぎの男性で、当人のことであり、頻繁に連絡を取っていたわけではないので細かい事情はわからないが、私が知っているかぎり初婚である。めでたいことだ。

◆今年もありがとう
 音楽鑑賞の神様は、今年も私をニューイヤーコンサートに連れて行ってくれた。九州交響楽団、FFGホール。なにしろ前から数列の席だったので、5弦のコントラバスだとか、ドレスを色違いのお揃いにしているヴァイオリンの女性ふたりとか、いろいろ遠くからではわからないものも見えた。
 おなじみ、こうもり序曲(「トムとジェリー」のアニメで、トムの指揮する猫オーケストラが演奏するのがこれ)から始まり、ローエングリンの第3幕への序曲(題名と曲が一致しない人も、聞けばすぐわかるよく聞く曲)、これも一度ライブで聴きたかったんだ。3分ちょっとだけど、ともかくオーケストラ大忙しの賑やかな曲で、いきなりストリングス全開、lシンバルそこだっ、いいぞホルン、行けっトロンボーン、オーボエそうなのよ、曇りのないフルートとクラリネット……と、音楽は聞くだけの人だけど身を乗り出して全身耳にして聞く。
 ホフマン物語の有名な舟歌と、機械人形のアリア。ラ・ボエームのアリア。
 最後の曲は、カステラ一番地獄のオルフェ。こないだ二期会のドタバタオペラの放送を見たばかりなのでこれもうれしい。音楽鑑賞の神様、今年もありがとう。

◆さあ、今年は何ができるのか
 ブログが途切れるのは、仕事が忙しいからで、しかし、この程度で忙しいというのはまったくもって恥ずかしい。やることは山ほどある。だから怒っている暇などないのだが、全くもって怒りが止まらない。何が起きているのだこれは一体。私はどうすればいいのか。
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ことばの骨

2022年12月14日 | 日記

◆ことばの骨

 

ことばの骨が抜かれていく

それを嘘だと言うひとの声も

だんだん聞こえなくなってくる

真実も痛みも覆い隠され

 

ことばの骨が抜かれていく

ひとがひとであることのわけは

ことばであったはずだが

 

声が汚染されていく

病巣はゆっくりとひろがっていく

美辞麗句の売り文句と

ポジティヴ語彙の順列組み合わせから成る歌を

この期に及んであのひとたちは歌う

嘘だとわかりきってるそんな歌だけが

空中を飛び交うなか 

聞きたいのはあなたの声だ 真実の

 

ところでわたくしのことばの骨はまだ大丈夫か

腐ってはいないか

何者かに抜かれてはいないか

負けずに叫ぶ力はあるか

何かと取りかえようなどという誘惑に

ぼんやりと乗ったりはしていないか

ことばの骨など

抜かれたほうが楽だなどと

よもや頭の片隅を

掠めるようなことはないか

 

ことばの骨が抜かれ粉々になって

できるのは

平滑な荒野

のっぺりした風景は

晴れているうちはまだいい

雨ともなれば

雨ともなれば泥濘となり腐臭を放ち

足をとられて身動きできなくなる

それにすっかり慣れたころには

わたくしも骨抜きとなり

からだ中汚染されて野たれ死ぬこととなるのだ

 

まだその日は来ていないから

声の生き残りを

探しつづけている

自分の肋を時おり指で確認しながら

 

いつもいまだって

あなたの声を探している

(MTJ)

 

2018年初出。4年たって世の中は、もっと悪くなっている。この時代にいる大人しかも後半として、何かしなくてはならないが、何をすればいいのか。

 

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健康で文化的な

2022年11月03日 | 日記
 今年の秋の何か文化的なことは、と。

◆ポンペイてんこ盛り
 10月には九州国立博物館に「ポンペイ展」を見に行きました。「LEON」の表紙でお馴染み、ちょいワルオヤジの家元、パンツェッタ・ジローラモさんの故郷ナポリの近くにあって大昔火山が噴火して埋もれてしまった町から掘り出された色々な物がやって来てました。
 イタリアに行くのに比べて太宰府に行くのは格段に簡単なので見に行きます。ともかくてんこもりで展示してありました。
 宝飾品は、今の「婦人画報」でブルガリあたりの商品として紹介されてても遜色ないようなボリュームあるネックレスとか、蛇のブレスレットとか。
 モザイクもきれいだし彫刻も見事なものです。2,000年前へのどこでもドアが太宰府に。
 博物館の周辺、太宰府天満宮への参道はものすごくが賑わっていました。ほぼ昔の通りに戻っています。七五三参りの人たちも。ただ外国人が少ない。市のポスターにはマスクをするようにと書いてありますが、行きかう人は、2割方は名物梅が枝餅や、スタバドリンクなどなにかしら食べ物を手に持って食べながら歩いていますし、食べ終わった人も含めると参道を歩く間に半分近くの人が何かを口にしてるんじゃないかなと思います。マスクはもはや意味はないなあ。
 ところで、ちょいワルオヤジって、一体どこにいるのでしょう? 雑誌でしかお目にかかったことはありません。ちょいワルオヤジの会なんて純文学的に善良な人々でできているとしか私には思えませんし。


◆室内楽とギター
 あと、音楽の時間です。
 久々の福岡シンフォニーホール。工事が終わって10月からオープンしてます。行ったのは新イタリア合奏団にギターソリストとして村地奏一が参加したコンサート。
 アコースティックサウンド、特に弦楽は、聴いてるといろいろ頭の過酷な環境で痛んでるところが修復されるような気がするんです。
 今回は10列、S席で、ヴィヴァルディの「四季」と、モリコーネの「ニューシネマパラダイス」と「ガブリエルのオーボエ」は、ギターでで聴くとどんな感じかな、と。ともかくイタリアの人々がアンコール大サービス。みんなの知ってる(そんなん知らんがな、って、題名とメロディーがつながってないだけの曲は結構多いよね)ボッケリーニのメヌエットと、ピチカート・ポルカをやってくれて。
 ともかく脳細胞整い、幸せ気分で帰宅。他に何かあれば追加します。
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おかしなことになっている

2022年10月16日 | 日記
 前日のつづき。
 今回の騒ぎは、病気にかからず、商売を傾けず、メンタルをやられない、という決意と共に過ごすことにしていた。ともかく健康に気をつけ、車の運転には細心の注意を払っていた。
 ところが、先月のある日私は転んでしまった。

◆骨を折って入院した
 転んだ時に一切擦りむかず、服も一切破れず、つまり他にどこにも力を分散するところがなく、左手首の骨だけに力がかかってしまったので、2箇所折れていたのだ。

◆病院に行く
 入院にさきがけ、PCR 検査。
「新型コロナ陽性だったらどうなるんですか」
「家に帰ってもらいます」
「そんなあ」
 命に関わる怪我じゃないけど、利き手じゃないからなんとか生活できるけど、手術待ってる間に変なくっつき方したらどうなるのよ。
 そこは陰性で入院本決定。
 そういえば新型コロナワクチンを何回打ったか聞かれた。答えると、医療スタッフ一同が「ニコッ」。
 検索すれば、あちこちの医療機関のホームページに出てくることだが、新型コロナワクチンを打って2週間は、すぐ命に関わらない手術は延期されるそうだ。「ニコッ」は、手術決定ということだったのだ、たぶん。

◆入院手術退院
 手術は全身麻酔+腕のブロック麻酔。私の手の中にはチタンのプレートとたくさんのネジが入っている。レントゲン写真を見るとまるでサイボーグみたい。神経も大きな血管も全く傷つかず(その辺医学の進歩)、指の感覚は麻酔が切れるとともに元に戻り、そのうちスマホ左手に持って左親指でスクロールも可能になった。
 入院は2泊3日、入院してから54時間で退院した。
 病院は、見舞客もなく静かなものだ。フロアごとにある広くて明るい共有スペースで、持参のドリップコーヒーを飲みながら、仕事したり、本や雑誌や新聞を読んだり、他の入院患者と話したりしていた。病院のごはんはとてもおいしかった。
 
 退院の時点でギプスも包帯もなく、鎮痛剤も貼り薬ももらわず、手術あとのテープの他は、手の甲に家にある普通のサロンパスを貼っているだけ。重い物を持つのはまだ無理だが、大体普段通りの生活。
 今度病院に行ったら多分抜糸だが、動脈に平行に5 センチ ぐらいの傷になってるので、これから長袖の季節で本当に良かったと思っている。

◆おかしなことになっている
 生命保険会社から送られてきた書類によれば、新型コロナ陽性で自宅療養するだけで入院保険が出ていたというのだ。今は違うが。
 一方で、ほかの病気ケガで、すぐに適切な治療がされないことがまかり通っている。


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11人いる!

2022年10月14日 | 日記
 写真は北九州市のスペースラボ。

「11人いる!」
   萩尾望都の初期のSF作品。
 最難関である宇宙大学の最終試験は、10人グループでひとつの宇宙船内で53日間過ごし、生き延びること。期限までに外部と連絡を取ったら、全員失格で試験終了となる。
 ところが主人公の乘った宇宙船には11人いた。異端のニセ受験生は誰か。皆が疑心暗鬼になるが、試験は続いていて、誰もが合格したい事情を持っているから外に助けを求められない。さあどうなる?
 友情努力勝利の物語であるし、多文化理解の話でもあり、ジェンダー問題もテーマである。
 舞台化されているし、アニメ映画にもなった。名作である。

 この物語の大事なエピソードとして感染症の発生がある。
 主人公が幼いときに乗っていた宇宙船で感染症が発生した。致死率93%。だが乗員の数に比べてマウスが足りず、それを使ってのワクチンが間に合わない。子どもを優先してワクチンが与えられたため、主人公はそこで親に死なれたが、その記憶を封じられて、ある星で育った。
 その古い宇宙船こそが、試験として11人が乗り込んだ船だった。そこで再び感染症が発生してしまうのだが。

(ワクチンをつくるための)
「マウスがいない! 11人いるのに!」

 ワクチンが広まれば元通りの生活ができる。
 ワクチンが普及すればこの騒ぎは終わる。

 2020年暮れからよく聞いたこの言葉で「11人いる!」を思い出したのは私だけだろうか。

 どれくらいの感染リスクが、特例承認リスクと釣り合うのか。コロナというと風邪の一種で、ウイルスは変異するから、その一つだけ封じ込める「ゼロコロナ」は絶対無理。それくらいは素人さんの私にだってわかる。
 致死率93%というのは人に考える余裕を与えないが、どうも厚生労働省と県の出す数値を見ていると、新型コロナは、それには遠く思える。滅多に風邪をひかない一晩寝れば大概の病気は治る21世紀になってから高熱を出した記憶がないそういえば会社の健康診断の血圧測定で3年連続まったく同じ数値を出していた、ホメオスタシスが服を着て歩いているような私に、発熱頭痛倦怠感確率が数十パーセントに上る特例承認ワクチンはリスクでしかないのではないだろうか。ま、洞ヶ峠の筒井順慶というのも立派な戦略だわ。数値データを見て考えろという本『ファクトフルネス』を大学卒業生に配ったのはビル・ゲイツだし。
 だがしかし、運命は私にノー天気な日常の継続を許したりはしなかったのである。(つづく)

 

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