発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

埠頭を渡る風 2012 そして営業セミナー

2012年07月25日 | 物見遊山
 港の倉庫探検ツアーに行く。
 九州運輸局・博多港振興協会・福岡県倉庫協会提供、である。
 参加は抽選で、バスを出しての倉庫と港湾設備の見学が主である。
 見学大好きの私といたしましては、日焼け覚悟で出かけるのだ。
 バスに乗って箱崎埠頭に向かう。最初に見学したのは、大手倉庫会社の自動倉庫。
 伝票のバーコードを読み取って、送信すると、大きな倉庫から当該の荷物の乗っかった1枚のパレットが自動的に出て来るのだ。その間数十秒。脳内にサンダーバードのテーマ曲が充満する私は古い。
 そのあとコーヒー倉庫に行く。年間を通じて一定の温度湿度に空調された倉庫の中に、世界のコーヒー生豆入りのドンゴロスが山と積まれている。とりあえず、見学中は地震が起きてほしくないと思った。コーヒーに埋もれてしまう。
 それから、安全帽に軍手をして穀物サイロ(海の近くに、巨大な円筒形の建造物が数個並んでいる、あれである)を、そのあとは、コンテナターミナルを見学した。
 
 すごく楽しかった。その上、エコバッグ、色鉛筆と消しゴム、クリアファイル、下敷き、ラインマーカー、帆布のミニトートバッグ、携帯ストラップなどをいただき、おまけに豪華お菓子福袋までいただく。


 それから夕方から営業ウーマンセミナー体験講座に行く。
 営業力アップのヒントがあれば、と。

 今日のは、後日行われる3日間7万5000円のセミナーのための2時間ダイジェストの説明会みたいなものだと、行ってから知った。まあ、体験講座の参加者の4分の1に当たる人数しか枠はないんだけど。
 貴重な土曜を3日もつぶし、ちょっとした海外旅行に行けるくらいの自腹を切って、営業スキルを磨くためのセミナーに出る社員があるなら、会社はさっさと受講費を負担してあげるべきだろうな。
 というか、他の会社に行かれても文句は言えまい。

 どうなんだろうか。営業として成功するための大前提がひとつあるが、それについての説明はなかった。それは当然というこのなのだろうか。
 自分が心から好きなものを売らない限り成功はないのである。営業として幸せに仕事するためには、自分の勤めてる会社が、どうしても自分が心から好きになれない物を扱っている場合、辞めたほうがいいんだよね。

 ずいぶん前、バーゲン会場のタイムサービスのアナウンスが聞こえ、ワゴンに人々が集まったとき、それにかぶさって私のすぐ近くで「あ~あ、安物に群がっちゃって」とつぶやいた男は、当のデパートのネームプレートをつけていた。
 そのお陰で、私は、バーゲンに対する冷静な態度を身につけた。またその店がその後左前となり、屋号は残っているものの、独立系でなくなったのも、私にとっては、全く驚くにあたらなかったのであるが、彼(デパートの人間なのかメーカーから派遣されていたのか不明であるが)が、扱う品物と顧客たる消費者を好きでない、不幸な仕事に就いていたことは確かである。

 まあ、どこかで聞いたようなことや、読んだことがあるようなことを言ってもらうのなら7万5000円は払わない。会社に属してて、会社の業務であるのに自らの研修のために休みをつぶし安くはない参加費の自腹を切ろうとしている人であれば、それなりに聞いているし読んでいるはずだし勉強しているはずだし、多少変わり者のはずだ。そんな人に、本来の語源と違っているような言葉遊びの喩え話を延々として、ハートが動くだろうか。そういうのは会社からお金が出る団体研修あたりで、熱意薄めの聴衆に話すことである。たくさんの示唆を得たが、日程も予算も合うのに参加しない人は、そのあたりが引っかかるんじゃないかと思った。
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海猿 THE BRAVE HEARTS

2012年07月03日 | 映画
 海猿 THE BRAVE HEARTS試写会、都久志会館。
 
 「海のもしもは118番」の、海上保安庁全面協力。なにしろ、このシリーズが始まってから、志願者が増えたそうですから。そういえば、何年か前、博多港に、海上保安庁の巡視船の一般公開に行くと、伊藤英明の着たウエットスーツなんかが展示されてました。そのときのBGMに、ずっとかかっていたのが、この映画の音楽。作曲は「ハゲタカ」(名曲多し)とか「K-20 怪人二十面相」(ワルキューレとスーパーマンを混ぜたようなかんじの、元気の出るオープニングタイトル曲)、「三丁目の夕日」シリーズと同じく佐藤直記。

 シリーズ4作め、仙崎大輔(伊藤英明演じる主役)という人が、海上保安庁に入って、まず潜水士になり、いろいろ活躍して、精鋭集団=特殊救難隊に入った、というところからが、本編である。海上保安庁の潜水士は精鋭だが、羽田にある特殊救難基地に所属する人々はさらにその上の精鋭なのだ。ちなみに、羽田特殊救難基地は1975年発足で、まだ、ひとりも殉職者は出していないそうだ。
 さて、映画。
 ジャンボ機の左エンジンが飛行中に炎上。着陸しようにも片側の車輪しか出ない。日没の時間が刻々と迫る。海上着水しか選択肢はないが、1時間以内に誘導灯ブイを海上に敷設しないといけない。無事海上着水したとしても20分以内に救助を完了しないと、水深60メートルの東京湾にジャンボ機は水没してしまう。誰ひとり死なせないで救助できるのか。時間との戦い。息を呑むプロジェクトX。海上保安庁、消防、警察をはじめとした、あらゆる関係者が総力を結集して、全員の人命を救おうと奮戦するという物語である。もちろん、仙崎大輔大活躍で。
 こういう、ファイト一発系映画は、やはり劇場で鑑賞したいものです。
 先日の「愛と誠」で、蔵王権太を演じ「狼少年ケン」を歌い踊っていた伊原剛志が、仙崎の上官役で出てるし。

 安全なところにいては人の生命は救えないという職種について思いをめぐらせながら帰宅。

 伊藤英明主演映画といえば、「この胸いっぱいの愛を」(←タイトルが恥ずかしくて映画館に行けなかった人、行っても恥ずかしくてチケットが買えなかった人は多いのではないかと。でも、一家で鑑賞できてシアワセ気分になれる良映画なのでDVDレンタルをオススメします)、「スキヤキウエスタン・ジャンゴ」(←この世界は、意見が分かれると思う。キャストが豪華。なぜか全編英語の日本映画(………)ですが、人が死にまくるので、その辺が苦手な方はとりあえず避けましょう)だとか。後者は、めっぽう強いガンマンですが、前者のは、フツーの男の人の役です。
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管弦楽の生ボレロ♪

2012年07月02日 | 物見遊山
 音楽宅急便。クロネコヤマトの宅急便提供の全国巡回コンサート。
 いわゆるひとつのメセナでございます。
 福岡会場は、九州交響楽団。ボレロをやるので、いそいそとアクロス福岡シンフォニーホールに出かける。
 お子様入場可のコンサート。一般客には大目に見るように、お子様連れには場合によってはつまみ出すこともあるぞという内容をやんわりオブラートにくるんだ表現で何度もアナウンスしていた。
 お約束ができるようになってから、本人の体調が良い日に、全席自由のコンサートなら、いつでも連れ出せるように出口近くに席をとり、最初の頃は、第一部が済んだら後半はパスして退場し、お店で特別なおやつをごちそうしてやりながら、良いお行儀を大げさにほめる。
 なんと面倒臭いと思われるかも知れないが、多かれ少なかれ(少なければそれは幸運)こういうことを繰り返して、良い聴衆を育てていくのである。
 ステージにはあらかじめ、ボレロのために、チェレスタと銅鑼が入っていた。北京オリンピックの君が代は、銅鑼を使ってたけど、N響(放送終了の曲)や自衛隊は使わないよ。どうしても中華味にしたかったんだね、八角と生姜とゴマ油の入った君が代だったよ、北京オリンピック。
 最初の曲は、フィガロの結婚序曲。♪ぐるぐるりん、ぐるぐるぐるぐるぐるぐるりん、ぐるぐるぐるぐるぐる……の曲。キリ・テ・カナワが伯爵夫人を演じたオペラ映画を見たことがある。
 司会は朝岡聡氏、ニュースステーションで、スポーツニュースを読んでた人、だけど、アクロス福岡では私は2回目。福岡古楽音楽祭の司会もしていた。やや小さめの音響で話している。その間に、お子様方も少しずつ静かになる。
 魔法使いの弟子では、物語を読んでくれた。一流のプロの朗読は違うね。
 そして、いよいよボレロ、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン西洋版。 
 スネアドラムから、ピアニシシモでフルートのAメロディー。耳を澄ませて。あまりによく耳にする曲だけど、生の管弦楽で聞いたことはなかったんじゃないかと。
 どうかお子様はお静かにと願ってるのは、連れてきた当の親だろうな。
 ひたすらクレッシェンドで曲は進行していく。
 トロンボーンがBメロディーを演じるあたりから、もう後戻りはできないって感じになる。それからは、弦もピチカートじゃなく弓になる。
 違うメロディーが入ると、やおら、銅鑼担当が立ち上がり、大太鼓、シンバル、銅鑼で、ドーン、ジャーン、ドリャァアンッ♪で、大盛り上がりのフィニッシュ。大拍手にまぎれて、ブラヴォーと叫んでみるなら今だ。
 で、アンコールは、「ふるさと」、宮川彬良編曲ってことは、なんだか楽しそうでしょ。客席も起立してみんなで歌う。そのあと、ラデツキー行進曲をみんなで手拍子して、コンサートはおしまい。
 楽しかったよ。
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