発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

本を売る

2013年03月17日 | 日記
 長崎街道歴史発見ウォークというイベントで、北九州市の木屋瀬宿記念館で、本を販売した。別の予定が急遽キャンセルになったので、編集長ひとりで販売の予定が、私も行けることになったのである。
 このイベントは、小倉から黒崎までのコース、
 小倉から黒崎を経て木屋瀬のコース、
 黒崎から木屋瀬のコースの3つのコースのどれかをスタンプラリーをしながら歩きゴールするというものである。参加者は、12kmから最大27km歩くことになる。その木屋瀬ゴールのお客様に本を売るのだ。
 イベントでの本の立ち売りは、版元の大事な仕事である。
 彼岸の入りした、ということは、曇天とはいえ紫外線は9月並みである。車のトランクに帽子があって本当に良かった。午後から雨ということで、雲行きを心配しながら、セッティングする。
 到着した人のために、食べ物も売られている。200円のうどんがすごいスピードで売れていく。コーヒーは100円、ケーキとセットで200円。そのほか、おみやげものも売っている。
 賑やかしに呼び声を掛けるのは楽しい。
 歴史よりも体を鍛えるほうに比重を置く方は、あまり興味がなさそうだけど、古い街道は、歴史があるから面白いのである。読めばあちこちに時代を越えるどこでもドアが隠されていることがわかるんだけどね。
 本を売りに行って、お客様と話すたびに思うことは、街道シリーズの本は、あまり知られていないということである。買っていただくことも大事だが、こんな本がある、ということを知っていただくのも大事なのだ。
 天気予報が当たって、途中から小雨になった。小倉から来た人たちは、ちょっと雨に濡れないといけなかったけど、大盛況のイベントだった。
 
 
 
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レッドクロスとにわかワグネリアンの日

2013年03月13日 | 物見遊山
 午前中は、福岡赤十字病院に身内を連れて行く。新しくなった病院が見たかったもので。
 駐車場はまだ工事中だったけど、誘導の人も多くすんなり入れた。
 予約受付機で予約票を受け取ると、行く科の外来の受付カウンターに直行して、カルテ入りの手提げバッグを受け取り、検査待合室へ行く。いくつかの科の検査の共通の待合室のようである。検査終了後、受付でバッグを渡してしばらくすると、名前を呼ばれて診察室へ。診察終了と同時に点数計算された会計伝票が即時発行され、それを会計カウンターに持って行くと、番号とバーコードのついた紙を渡され、画面にその番号が出れば(今回は15分待ち)、精算機でお金を払う。すると明細付き領収証と、次回の予約カードが出てくる。
 新しい建物になる前からも、毎回工夫されて、待ち時間がどんどん短くなってきていた。でも、今回のように、8時半に車を駐車場に入れて、10時前には全部終了していたようなことはなかった。大規模な総合病院としてはかなり早いと思う。
 昔は、まず予約受付をしてから再来受付でカルテを受け取るまでに時間がかかり、それから診療科の外来受付に行って検査診療となるが、検査室が空いていても検査までかなり待ち、診療のあと会計伝票をしばらく待ったと思うし、会計に伝票を出してから精算までに、どうかすると40分以上待ち時間があるために、時間つぶしに向かいのブックオフに行ったり、隣のマクドナルドに行ったりしていたものだが、会計に伝票を出すまでのトータル時間が長いので、すでに朝マックがとうに終わった時間になっていた。午前中がまるまるつぶれることもままあったことを考えると、今は早い。
 ちいさな図書室があり、外来者も館内なら持ち出せる。医療関連の本はもちろん、文庫本もあるし、漫画も多い。インターネットもできる。
 売店はローソンで、カフェは上島珈琲。
 従業員食堂と一般レストランが隔ててあるが厨房は共通のようである。11時から。昔の食堂を知っている身としては、オシャレさに感動である。

 昼からは、総合図書館へ。
 ミニシアターで「タンホイザー」上映会 1989年、バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団。ワグナーのオペラビデオの鑑賞。
 序曲や大行進曲やアリアで有名なタンホイザーのお話は大体以下の通りだけど、受け売りしても責任は負いません。
 タンホイザーは、ヴェヌスブルグという妖しくもエロい洞窟でセクシーな女神様ヴェヌスに可愛がられていたが、故郷が恋しくなったというか飽きたので人間界に帰ることにした。ヴェヌスブルグは、桁外れに評判の悪い場所らしく、タンホイザーはみんなの前でついそこにいたことをバラしてしまったので追放され、ローマに行くお遍路さんになって、罪を許されたら故郷に帰れることになった。
 ところが、帰ってきたお遍路さんたちの中にはタンホイザーはいない。彼に恋する清純な乙女エリーザベトは、自分が死ぬことでタンホイザーの罪を許してもらおうと決め、山へ向かう。エリーザベトのことが好きなタンホイザーの親友ヴォルフラムは、エリーザベトの決意が固いことを知り、彼女の心細い道を星が照らしてくれるように歌う(「愛と誠」の岩清水弘を思い起こし、泣かせる)。そこにボロボロになって帰ってきたタンホイザーは、がんばったのに許してもらえなかった、ヴェヌスブルグに帰りたいよぉなどとほざくものだから、ヴェヌスがそこに出て来て「帰ってこ~い~よぉ」と、むろんドイツ語で歌うが、エリーザベトの名を聞きタンホイザーは我に返り、ヴェヌスは「負けた」と言って消え去る。タンホイザーは亡くなったエリーザベトに魂を救済されて息絶えるというお話。
 若い男が異界に行き、あるいは連れ去られ、そこの女王というか女神様に愛される。自力で帰るか、彼に恋する乙女の尽力で帰るか、それとも死んでしまうか、という、浦島太郎というか、雪の女王というか、これに近い話はたくさんあるよね。
 ヴェヌスブルグとヴェヌスを、どう捉えるかは、その時代と社会の道徳規範によるのだろうが、ようするになにかイケナイものからの誘惑ということだと思えば、どんな時代や社会にもあるものだ。
 ろくでなし男に尽くしちゃう乙女が出て来るところも、古今東西人の世の常である。
 オペラは、テレビではダイジェストしかやらないし、DVDレンタルもない。あったところで長時間家で集中して鑑賞するのも大変だと思う。毎月ブログラムが変わるので、面白そうなものをやっていたらまた来ようと思った。
 ミニシアターの50近い座席はほとんど埋まっていた。お年寄りが多い。短いとはいえ3時間越えである。途中、寝る人がいる。すごくいい曲なんだけど、全然知らなかったらキツいだろうなと思う。
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航空自衛隊西部航空音楽隊第四十九回定期演奏会

2013年03月08日 | 物見遊山
 福岡で開催される自衛隊音楽隊の吹奏楽コンサートのなかでも、最もクラシックの色合いが強いコンサートである。
 「君が代」で始まるのは、いつも通り。自衛隊では四分音符毎分60個で演奏されるので、NHK放送終了の君が代を聞き慣れた耳には、やや早いテンポに聞こえる。
 今年招ばれたN響のソリストは、トランペット。至福の時間だった。
 後半では、コープランドの「市民のためのファンファーレ」と、バーンスタインの曲。
 それから、ジャズピアニストを招んでの、「ラプソディー・イン・ブルー」ときたもんだ。これも通しで生演奏で聴くのははじめてだ。
 ピアノ独奏多く、ピアノが真ん中に置かれていないけど、ビアノ協奏曲っぽい。
 あのあたりの系統を聴くと、トムとジェリーのBGMを思い出すのである。
 いいアコースティック演奏は、脳細胞を補修してくれる(ような気がする)。あー幸せだー、と、帰途についたが、ふと思う。
 自衛隊コンサートにつきものの、広報活動、ロビーでのパネル展示とか、宣伝用パンフレットの配布などが、今回のコンサートでは、一切なかったのだ。
 本来、自衛隊のコンサートは、単なる発表会ではなく、広報活動が目的で、つまりは、コマーシャルを見ることで無料演奏が聴けるものだと認識していたのだが。
 広報活動が省略されていたこと、アメリカの曲が多かったこと、アンコールで、今回は「空の精鋭」が演奏されたこと。が、東シナ海、あるいは、半島の緊張と関係があるのかどうか。
 深読みかいな。戦争が起こりませんようにと、毎日祈る自分がいるのだ。
 杞憂であれば最良の結果である。
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