発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

1960年代昭和少女マンガにどっぷり浸かれるサイト発見

2020年01月25日 | 昭和のおもひで

◆「丘けい子の世界」は、レトロマンガのお宝ザクザク

 アラカン以上の女子の皆様、丘けい子の「挑戦」って覚えてます? 1969年週刊マーガレット、といえば、アニメ化された「アタックNo.1」とか、実写ドラマで石立鉄男と岡崎友紀が共演していた「おくさまは18歳」などの少女マンガが絶賛連載中で、表紙は森田健作千葉県知事の若かりし姿とか、キーハンターのキャストとか(紀伊半島と聞くだけで野際陽子の歌が脳内自動再生される私は古い)、フォーリーブス(ジャニーズ事務所初期のユニット。4人の名前が全部言えればあなたも立派なシックスティーズガール♥)とか。

 その時代の週刊マーガレットに連載されてたマンガが「挑戦」なのだ。

  なにしろ、このお話では、寄宿舎暮らしの女の子がほぼ騙されてCIAに入り苛酷な訓練に耐え、東西冷戦時代の世界を股に大活躍するのだよ。もちろんフィクションにしてパラレルワールドだから荒唐無稽で、自動車がジェット機に変身する50年後の今でさえ実現していない乗り物も登場する。銃弾も飛ぶし細菌兵器も出てくる。主人公の死んだはずのパパもCIAのエージェントで、変装して彼女を援護する。しかも21世紀に入って900ページ近くにわたる続きが書かれております。他のマンガもたくさん公開されてて「丘けい子の世界」で検索すると、無料でいろいろ読めます。

 丘けい子のマンガは、そういや社会派なのが多かったし、強くて元気な女の子が主人公のマンガがとりわけ多かったような。これ読んで強くなろうと思った少女は少なからずいるのではないかと。新聞記事とマンガがリンクして、社会問題に目を向けるきっかけになったりしたんじゃないか。こんなマンガを読んだ少女たちの多くは今シックスティーズ。大事なことは、かなりの部分少女マンガから教わってるのでは。 


 

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音楽(鑑賞)の神様、今日もありがとう♪

2020年01月11日 | 物見遊山

◆ニューイヤーコンサート

 1月としては暖かい夕方、福岡天神FFGホールのニューイヤーコンサートに行く。銀行のご招待である。オーケストラは、九州交響楽団。700席弱のホールは、マイクロフォンが見当たらない。ということは、100%アコースティック?  電気増幅一切なし? 全席自由なもので、四列目のまん中GS席に行く。このあたりの席に来ると弦のビブラートやピチカートが皮膚に反響してくる。

 「こうもり序曲」(「トムとジェリー」のアニメで、トムが指揮する猫オーケストラの曲)にはじまり「ラデツキー行進曲」で終わる。女性の演奏者は色鮮やかなロングドレスなんか着てたりする。華やか。

 よく聞く曲でも、聞き落としていた部分があって、あそこに入り組んだピチカートが入ってるんだなとかが近くで見てはじめてわかったりする。

 今回の指揮者藤岡幸夫氏のお話が楽しかった。曲が作られた背景なども解説。学校の運動会でよく使われる「天国と地獄序曲」(かけっこのBGMにしてカステラ一番文明堂)は、およそ教育現場に相応しくないとんでもない喜歌劇ストーリーなんですと。この曲はヴァイオリンソロが長いのだけど、コンマスさすが。チェロ首席奏者、若くてすごくうまい。

 ソプラノ歌手の歌も楽しい。「春の声」なんて、すごく難しいと思う。

  で、入場のときにもらったプログラムに当たりカードが入っていて、秋山和慶氏指揮のマーラー9番のCDをいただく。ああ幸せ。音楽鑑賞の神様、どうもありがとうございます。

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FACTFULNESS

2020年01月09日 | 本について

◆世界を正しく見ることができるのか

 去年読んだ最後の本が『FACTFULNESS10の思い込みを乗り越え、データを基に、世界を正しく見る習慣」。書店にあった本のPOPには「あなたの常識は20年前で止まっている」と書いてあって、ギクっとする。なんとビル・ゲイツさん、オバマさんの推薦文もついている。ビル・ゲイツさんに至っては、この本が読みたいという学生全員にプレゼントしたらしい。なんだかすごいじゃないか。400ページもあるけど、君は読むか、僕は読むぞ、と読んでみた。頭の半分はスッキリした。中村哲さんは公衆衛生的に正しかった。でも頭の半分はスッキリするものではなかった。悪いのは本ではない。

◆なぜデータの隠蔽や、忖度の付加が悪いかということ。

 この本は、ある特定のことに関する考えを啓蒙しようするのではなく、考え方についての問題提起である。情報やデータを読み間違えないための知識である。スッキリしないのは、この本とは関係なく、何か良くないことが起きていると私が思ったせいだ。こういう本は、データや情報が意図的に操作されていないものである、という前提のもとでないと成り立たない。

「これはおそらく忖度された情報であるので、額面通りに解釈せず、割り引いて考えるべきだな」と思うことが増えた。行間から漂うご都合主義を読みとるのはひねくれ者の得意分野だが、ただ、どの程度忖度されているのか。それを各々が勝手に考えなければならないので、得られる判断は個人の見解要素からさらに、てんでバラバラになる。また、少ないデータは貧弱な見解をもたらす。混乱を招く。

 だからデータ隠蔽や情報操作についてはもっと怒るべきなのである。

 さらに悪いことには、その混乱した方向というのは、かならずしも忖度やデータ隠蔽をおこなったひとたちが誘導しようとする、つまり彼らが思っている「正しい」方向とは限らず、もっと思いがけない悪い結果をもたらすかもしれないと私は思うのだ。

 この本を読んで、私は、世界を正しく見ることの困難さを思い知らされたのであった。それでも、あのひとたちの気づかない分野で事実を読みとることはできるはずだ。われわれは試されている。

 で、私はつぶやく。「やっぱ、野生のカンだぜ、イェイっ!!」

 

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「航空宇宙自衛隊」って、アニメ感半端ないけど、たぶんマジ。

2020年01月07日 | 日記

◆航空宇宙自衛隊、アニメ感半端ないけどたぶんマジ。なぜなら…… 

 航空自衛隊を航空宇宙自衛隊に改称検討ですって?

 ああ、ついに始まるかというのが私の感想だ。

 JAXAが開発しつつある発電衛星は、2005年に福岡で開催された宇宙フェアのブースで知った。会場ではロシアの宇宙船で宇宙に行こうとしていたホリエモンさんにばかりテレビクルーが集中していたが、展示の目玉は断然こっちだもんね、と、いろいろ質問をした。衛星を使って効率よく太陽光発電を行うしくみで、2030年頃までには実用化したい、問題はコストで、化石燃料や原子力と競合できるようになったら実現する、とのことだった。その後2011年以来原子力発電をあまり頼りにするわけには行かなくなったし、ということはコストの問題も相対的にハードルが低くなっているはずだから、研究は進んで、いよいよ実現が視野に入ってきたのだと察する。

 実現すれば、原子力発電所はいらなくなる。石炭も石油も燃料としての役目を終え、用途はひたすら工業原料となる。平和も安定も資源次第なわけで、いろいろな問題が一挙解決する夢の衛星なのだが、ライフラインを大気圏外から持って来ようとすると、それを防衛しなくてはならない、という考えも出て来るだろう。あるいは、電磁波(JAXAの人は、人を含む生き物に当たっても大丈夫な濃さと言っていたが)が焦点を結ぶようなことが可能であると解釈されたとすれば、それを他国が攻撃する動きが出てくるかもしれない。それを見越しての名称変更なのだなと私は思った。つまりこのアニメ感半端ないネーミング変更は、たぶんマジなのだ。

 やってくる未来がよい未来でありますように。

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