発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

あけましておめでとうございます

2017年01月02日 | 映画

今年もよろしくお願いします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホットロード 80年代暴走族の世界にご招待?

2016年08月02日 | 映画

◆「ホットロード」DVD鑑賞。

 一昨年の夏休み映画、だったと思う。確か別冊マーガレットという少女向けコミック月刊誌に連載されてたお話の実写映画化。能年玲奈の可愛らしさだけでも鑑賞する価値がある。原作コミックは読んでない。

 ダメ母なのでヤンキーになり彼氏が事故って立ち直った少女の話。←30文字で説明するとこうなります。

 主人公少女14歳、の母親は、清々しいまでのダメ母である。木村佳乃が演じているのだから、楚々として美しいのだが、高校時代から今まで続いているのになぜか結婚しなかった恋人(既婚、離婚調停中)と会うときには、まだ中学生の娘のことなどスッコーンと頭から抜けてしまうのである。結婚して娘をもうけた男性(娘の父)は亡くなっていて、父親の写真の一枚もない家で母子は暮らしている。娘はそのせいで、自分は望まれて生まれた子どもではないと心を痛めている。娘が万引き(犯罪行為が母の誕生日のプレゼントなのだよ。痛々しいね)してつかまっても、やってこないし(そこまでは彼氏とのデートではなく仕事ということも世の中にはあるだろうが)、そのことを娘から聞いても「なんじゃあそりゃああああっ」というような、ありきたりの母親のやりそうなリアクションもない。つまり娘には関心が薄い人だと、観客は思うわけだし、娘も、やっぱり愛されていない、孤独だと感じている。一緒に万引きした友人は母親がすぐ来て泣いて謝っていた。ああ、この子とは別の世界にいるんだと思って、転校してきた不良っぽい子と親しくなる。母親は夜勤のある仕事でもなさそうなのに、帰らない夜もあるようで、だったら、夜、不良っぽい子と出歩くようになるのは至極当たり前に思える。そして暴走族の彼氏ができるのである。集英社のコミックだから、不良だが、いい奴として描かれる。

 で、ダメ母は、娘のことを絶望的に孤独にしといて、まっとうにテストを受けろだの、自分のガウンを勝手に着るな汚くなったじゃないか、だの、行儀の良い娘であることを勝手に要求しているもんだから、娘はキレてどんどん不良化していくのである。まっ、しょうもない母親だけど、いろいろと大変なんだよな、ご苦労さん、という距離の取り方ができる子どもなら、夜出歩くこともなかっただろうが、そういう子どもしかいないのなら、警察少年課も生徒指導の先生もラクチンである。

 集英社だから、友情努力勝利のラブロマンス。彼氏は暴走族の頭となって、族の抗争とかに巻き込まれて、そのうち事故して意識不明になって、それでも一応ハッピーエンドというか社会的に立ち直るお話なのです。頭の乗るバイクを譲ってもらういきさつなど、よくわからないヤンキーワールドなのでした。抗争相手の刺繍ユニフォームも、まるで鳥肌実(ご存知ない方は検索してね)のスーツだし。胴にサラシを巻くとか、どこの高倉健のコスプレかい、と思ったりするのですが。PHSや携帯は普及していない。ポケベルも少年少女は持たない時代。80年代のお話だと思う。

 女優には旬があると思う。一番美しい数年である。それが長かったり短かったりするのは人によるし、その利子で生きていくのか、旬を終えて消えていくのか、演技力で勝負ができるようになり息の長い女優となるのか。自業自得だったりそうではなかったりするもののスキャンダルで表舞台から消えざるを得なかった期間に旬の大部分を奪われた人というのはいると思う。沢尻エリカだったり葉月里緒菜だったり、何人か思いつくが、能年玲奈はどうなのだろうか。少女の匂いのする繊細な美しさが、この映画の彼女からはあふれているのだが、活躍の場が少ないまま旬を終えてしまうのだろうか。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「さらば」は、単なる最終回か、殉職か?

2016年01月26日 | 映画
 「さらば、あぶない刑事」試写会。Tジョイ博多。
 テレビの大ヒットシリーズの映画化、とはいうものの、やっぱり「あぶない刑事」シリーズはあまりテレビで見てない。おそらくは、柴田恭兵と舘ひろしの最大ヒット作、なんだろうけど、その時期は、会社勤めが忙しかったのと、夜、自動車学校に通ってた時期とかぶるのとで。
 それでも、今は亡き中条静夫氏も含めたオープニングタイトルにはうっすら記憶がある。
 で、あぶない刑事、タカとユージのコンビも、相変わらずお元気ですが、年月を経てすっかりおじさん化し、いよいよ定年退職まであと5日となりました。無事に地方公務員の退職金と年金を手にすることができるんでしょうか。その5日間のうちに殉職してしまい、県警(の金庫)と年金機構を喜ばせてしまうことになるんでしょうか。まあ、無事に済んだら映画にはなりませんが。
 菜々緒嬢の美しさを鑑賞するだけでも見る価値があります。浅野温子嬢のコスプレは痛いですが、でも劣化が少ない人だと思います。
 ここが日本?昔のカンフー映画かなんかでみたことあるような?てなブラックマーケットが開催され、銃と危険ドラッグが取り引きされる横浜で、ロシア、中国、そして中南米のマフィアとヤクザが暗躍します。スキンヘッドでタトゥーの兄さんと、吉川晃司がとりわけ凶悪です。そんな危ないところに2人は出かけて行くのです。あぶない刑事だけに。日本としてはあり得ないほど実弾が飛びます。薬莢散らばります。カーアクションもあって、近頃の防弾ガラスは優秀なのね、などと思いましたが、実際のところはどうなのでしょうか。懐かしのレパードも出て来ます。
「残りの弾の数と敵の数がまっったく合いません」(銃を持った敵の数>>>>>越えられない壁>>>>手元の残弾)な絶体絶命になります。
 リアルタイムでテレビシリーズに入れこんでなくても、楽しく鑑賞できました。ただ、テレビシリーズを見てた方が面白いんだろうなと思いました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

進撃のミニオンズ

2015年07月28日 | 映画
◆7月の映画

 今月の映画は「進撃の巨人」試写会、都久志会館。
 原作のコミックは読んだことがない。実写版映画。強い人食い巨人と人類との戦いの話だけど、CGの人食い巨人、筋肉模型タイプよりも、リアルな人間タイプの方がこわい。水原希子と桜庭ななみがかっこいい。特に桜庭は特筆に値する。ゆうちょ家族の妹役とはえらいギャップがある。
 それから「ミニオンズ」これも試写会、天神東宝。
 いきなりバックにHAPPY TOGETHERが流れる。懐かしいじゃないか。
 バナナに目口がついたようなカワイイ生物「ミニオンズ」は、はるか昔からいて、最強最悪なボスに仕えて幸せにするのが生き甲斐なのだが、ボスがすぐにいなくなってしまうのが悩みである。ドラキュラについたときには日に当ててしまうし。ボスがいなくなると、彼らは無気力になる。そんな彼らが1968年のニューヨーク、そしてロンドンで活躍するお話。モンキーズのテーマなど懐メロもいっぱい。
 「進撃の巨人」のチラシには「戦わなければ勝てない」とある。
  巨人の入ってこない高い外壁に囲まれて100年暮らしてきた人類。巨人のやってくることを憶えている人は全部死んでしまっているだろう。外壁の外の世界を見たいと思っている少年もいたりするわけだが、ある日外壁を超えて人食い巨人が入ってきた。起こる殺戮と大パニック。
 外壁がもっと丈夫だったら、戦わずに、なんとか平和に暮らせたのに、外壁の大事さを忘れちゃってたのねえ。戦わざるを得なくなれば戦うしかないだろうが「戦わなくて済めば負けない」というのはもっと大事で、このことこそ人類の最大の叡智を注ぎ込む価値のあるものではないか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「王妃の館」おいでませ、巴里へ。

2015年04月26日 | 映画
 連休映画に相応しく、豪華な映画。
 主演・水谷豊は、天才小説家「上白川右京」を演じる。
 エキセントリックな天才という点では「相棒」の杉下右京どころではない。まず外見から。
 杉下警部は、いつも三つボタンジャケットか三つ揃いのスーツをピシっと着ていて、私服警察官としてはかなりおしゃれだけど、多分警察にも、こういうおしゃれさんは一定の割合で実在するだろう。サスペンダー使ったり、チェスターコート買う人が増えたかもね。すくなくとも、真似ができる。
 いっぽう上白川右京は、レオナール・フジタばりのパッツン前髪に丸いメガネと、どこで売ってるんだそれ?特注に決まってるでしょ、という感じのカラフルでファンキーだが高級そうな、ロックミュージシャンなら着るかな、ともかくアーチスト以外は着ない服、小説家なら志茂田景樹くらいしかリアルでは着る人はいないのではありますまいか、50メートル先からでもわかりそうな格好。それを何着も着替えるのだから、真似は難しい。まあ真似したいと思う人はいないだろうけどね。
 たとえばターコイズブルーのジャケット、黄色いベスト、花柄のシャツとか。パンツは半ズボンでカラータイツ。
 杉下警部との共通点は、紅茶好きというところ。

 豪華ツアーの客が、ホテルにチェックインしたあと、観光に出掛ける、と同時に、ホテルスタッフが大急ぎでその部屋の片付けにかかる。
 ダブルブッキングが起きてるのね、と、すぐにわかるが、これは、倒産寸前の旅行会社が二重にツアーを売り、稼働率を上げたいホテルが、それに結託したせいである。
 当然、ドタバタが起きる。それぞれわけありのツアー参加者の群集劇となる。
 王妃の館の旅は、豪華。贅沢なホテルはどの部屋も素敵。
 ルーヴルもヴェルサイユ宮殿も、滞在期間たっぷり。 
 朝食はセーヌ河下りの船上で。夕食はルイ14世の晩餐の再現をお召し上がりください。
 執筆スランプでパリに来た、上白川右京も、パリにインスパイアされて「来た来た来たーっ」と筆が進むのだが、その小説を、この映画では劇中劇してくれる。17世紀のパリが舞台の劇中劇は、登場人物は全員日本人が演じるテルマエ・ロマエ方式。しまいにはミュージカル仕立ての大合唱となり、これも豪華。
 連休、どこへも行かないのなら、とりあえず映画館へ。楽しくて豪華で、得した気分になれると思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「龍三と七人の子分たち」 ヤのつく自由業の方々の老境

2015年04月23日 | 映画
 任侠映画全盛期から40年以上経ってるのではないか。その頃肩で風を切っていた面々も、すでに老境、そろそろお迎えが見えてくる年頃である。暴対法で稼業はジリ貧、老後設計など(たぶん)してない任侠の世界であるので、子どもが養ってくれているレアな場合を除いて、ほぼ貧困状態である。子に縁切りされ生活保護を受けていたり、孫娘に養ってもらいながら寸借詐欺を働いていたり、仕込み杖でシケモク拾いをしていたり、入院中だったり。
 そんな元暴力団構成員の老人たちが、オレオレ詐欺や、怪しい訪問販売など、老人を食い物にした商売を行う暴走族あがりの団体と抗争することになった。一応組を結成し、飲食店に、みかじめ料を集金に歩くのだが「ハイハイ、これで帰ってね」的に、ほとんど施し感覚でお金を渡されてしまう。さて、明日なき彼らの戦いはどうなるのか?
 お笑い映画です。藤竜也はオナラばかりしてるし、監督はビートたけしで、老人たちの昔なじみの老刑事役で出てくる。近藤正臣、中尾彬、小野寺昭と、濃ゆいキャストだ。
 文化庁の資金も使われているので、ひどいことにはならないだろうと思って行った。うん、あまりひどいことにはならなかったね。
 高倉健や菅原文太が存命だったら、出演しただろうか、いや、出演して欲しかったなと思いながら帰宅。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「博士と彼女のセオリー」

2015年03月21日 | 映画
 この映画の物語は1963年に始まる。
 同じ空気を吸ってたんだね。 
 この時代のイギリスといえばビートルズだけど、それとは別の世界である。
 ケンブリッジへようこそ。美しく古式ゆかしきキャンパスでの最先端の学問。物理教授がスーツの上にガウン着てる。ガウンを着る大学は日本にもあるだろうが、式典だけのものじゃないの? 若い大学院生、スティーブン・ホーキングも、蝶ネクタイで登場する。
 同級生と自転車で競争し、漕艇部ではコックスを務めていた彼が、少しの違和感にはじまり、やがて歩くのに遅れるようになる。歩きにくさからある日ひどく転んでしまい、搬送された病院で検査され、医者にALSであることを宣告されてしまう。知性は損なわれないまま、これから身体が少しずついうことをきかなくなり、余命は2年であると。同じ大学で文学を学ぶジェーンと交際しはじめたというのに。
 メジャーリーグの名選手が罹ったことで世に広く知られた「ルー・ゲーリッグ病」(ゲーリッグを主人公にした「打撃王」というアメリカ映画を見たことがある。ゲーリッグはゲイリー・クーパーが演じ、本物のベーブ・ルースが、ベーブ・ルースとして出演してた。病気を発症して引退するときのスピーチが印象的だった)が、よりによって自身に降り掛かってこようとは。
 絶望(ホーキング博士は存命で、余命は書き換えられていることをすでに知っているから、安心して鑑賞できたわけですが)。
 でも、ジェーンは彼と結婚して支えていくことを選ぶ。困難な道である。時間の経過とともに、学問の成功と子供たちの誕生と成長と、そして症状の進行が並行していく。観客は、不可逆な進行をする疾患の残酷さを目の当たりにする。スティーブンは杖をつく。杖は2本になりそのうち車椅子となり、車椅子は電動車椅子となり、息ができなくなり生きるために気管を切開する、そして電子音声で話すようになる。
 子育てと介護と学問への協力で、ジェーンがへとへととなることは想像にかたくあるまい。そこで手助けしてくれる人が家庭に入ってくる。それが2人の関係に軋みを生む。悪い人、いやな人は出て来ないから世間的「不貞」というのとは様相を異にしている。さて、どうなるかは劇場で。
 自転車競争のスティーブンは、ジップアップのベストを着てる。あまり見かけないタイプだけど、あのころ出回ってたんだろうか。それから、チルデンベストだかセーターもでてくる。これは今年の流行でもあるよね。若いジェーンの服も素敵。バーティードレスとか、縞模様のワンピースにカーディガン、シンプルなプリントワンピース。深いグリーンのニットもいいね。あと、ジェーンのお母さんの着てた襟付きのカーディガン。あれはとてもイギリスっぽいと思う。ともかく衣装が見てて楽しい。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「フイチン再見」と、『博多港引揚』

2015年03月03日 | 映画

 小学館の『ビッグコミックオリジナル』という、月2回刊の、「浮浪雲」や「釣りバカ日誌」や「風の大地」なんかが長期連載されているコミック誌なのですが、その雑誌のなかに「フイチン再見」という村上もとかの作品があります。戦後日本の少女雑誌などで活躍した漫画家、上田トシコの物語です。東京生まれ。快活で才能と生命力にあふれた魅力的な女性として描かれていますが、彼女も時代に翻弄されていきます。ハルピンで終戦を迎え、博多港に引き揚げてきた、というのが、現在発売中の号で、次号からはいよいよ上陸編となるのでしょう。

 引き揚げ港としての博多港についてご存知の方はどのくらいいらっしゃるのでしょう。
 博多港中央埠頭、マリンメッセのところに立っている赤いモニュメントは、引き揚げの記念碑なのです。
 辛い旅をしてきた人たち、帰りの船に乗ったものの命尽きる人もいて、船にコレラ患者が出れば、故国を前にして博多湾で船ごと足止めを食う。泳いで上陸しようとした人たちは、栄養不足の状態だからか死んでしまう。そして上陸。でもこれが旅の終りではない。これから空襲で焼かれた故郷に帰らなければならない人たちもいたことでしょう。想像の及ぶ範囲のあらゆることが起こったのです。親に死なれた子ども、親とはぐれた子ども、子に死なれた親。
 博多港での139万人の引き揚げには、139万の困難の物語があったのです。「フイチン再見」で気になった方はぜひお読みくださいね。ネットでも買えますし、直接注文も受け付けます。
『九州アーカイブズA/博多港引揚』引揚げ港・博多を考える集い編 2200円+消費税


 
◆物事の表層しか見ない単純さを持つネット住民の存在について
 この本を出版した当時、ネットで叩かれたわけです。
 本を出したら、どこでどのように話題になっているか気になるので検索したら、ありゃまあ。
 ただ、彼ら、どうやら実物の本を手にしていない。それが、本が出版された、という「新聞記事」を、「ネットで読んだだけ」で叩いているのですね。「日本の侵略の歴史もわかる」という、新聞の取材を受けた編集委員のことばの一部の紹介にだけ突っかかって「出版停止」とか「(こんな本が出てしまって)福岡県民として申し訳ない」とか……。200を越える書き込みの中で、実際に書店で本を見たと思われる人の書き込みは………たったひとつ「本屋でちょっと読んだけど別に侵略は強調されてないよ」。あと、記事を「邦人の苦労をしのばせるものだろ。ちゃんと読め」という書き込みがあって、残りはほぼ「本を見ずに書かれた批判」だったなあ。

 ハァ━(-д-;)━ァ と、このブログ初の顔文字をあえて使ってみる。

 入力なくして出力なし。
 批判してもいいから、読んでから批判して下さいな。できれば買って読んでね。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

21世紀版 映画アニー

2015年01月27日 | 映画
 21世紀版、アニー。T-JOY博多。
 言わずとしれたシンデレラストーリー。
 かなりネタバレしておりますが、歌や踊りや画面が楽しく、ネタバレ文など何の役にも立たないから問題ないと思います。

◆泣けるTOMORROW
 レストランに置き去りにされ、今は、ミス・ハニガン(キャメロン・ディアスだっ)を里親とする少女たちのひとりとして共同生活を送っているアニーは10歳。
 金曜日、教室で、20世紀のアニーの時代、ルーズヴェルトとニュー・ディール政策についての発表をしたあと、放課後、ニューヨークの町を駆け抜け目的地まで急ぐ。両親が自分を置き去りにした店に来るかも知れないと。でも、今日も来ず、閉店の時間になってしまった。
 ミス・ハニガンの家に福祉課の職員が視察に来た。そのときに落とした書類で知った自分のID番号を頼りに、役所に出向き、自分自身の情報開示申請を行うアニーだが、すでに自分が知っている、レストランに置き去りにされていたという事実しか情報はなかった。子どもだから誰かが隠していたわけではなく両親のことなど本当にわからないのだと思い知る。
 有名な歌TOMORROWをそこで歌うのだ、アニーは。いきなり泣ける。が、泣くのはそれまでで、あとは楽しく鑑賞。

◆21世紀的ゴージャスライフ
 いっぽう、成功したビジネスマン、携帯電話会社のCEOで、お金で買えるものは何でも持ってる男スタックス、彼は、次に求めるもの、名誉や政治的権力?のために、ニューヨーク市長選に出馬している。もちろんお金にものをいわせての選挙戦。選挙運動は完全情報戦で、何をやってもネットに動画投稿され、それが支持率を上下させる。いかにも21世紀的だわね。
 事故に遭いそうになったアニーを助けたスタックスの画像がネット投稿された。
 彼の選挙参謀は、アニーを選挙運動に利用しようとする。そういうわけでアニーはスタックスの邸宅で生活することになる。さあ、観客は、アニーと一緒に21世紀的ゴージャスライフへご招待というわけ。
 大富豪の邸宅はヘリポートつきのペントハウスで、数々のハイテクな仕掛けがある。30年くらい前だとそれこそ魔法である。
 車はおそらくはキャデラックあたりのSUV。米国大統領専用車と同じものではないかと。昔の大富豪との一番の違いは、リムジンかSUVかということではなく、使用人の数である。映画に登場するスタックスの個人スタッフ(会社で働く人々を除くということ)は、雇われ選挙参謀と、秘書と運転手(ヘリの操縦もできる)のみである。
 最後、スタックスは、選挙戦を取るかアニーをとるかの選択を迫られる。まあ、こういう映画なので結果は推して知るべしですが。
 ハニガンさんも幸せになれるのよ。
 それにしても、20世紀版アニー。劇場で観たはずなのに、ほとんど記憶にない。赤いワンピースのアニー。こんどレンタルしてみよ。



  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダミー

2014年12月08日 | 映画
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする