発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

「王妃の館」おいでませ、巴里へ。

2015年04月26日 | 映画
 連休映画に相応しく、豪華な映画。
 主演・水谷豊は、天才小説家「上白川右京」を演じる。
 エキセントリックな天才という点では「相棒」の杉下右京どころではない。まず外見から。
 杉下警部は、いつも三つボタンジャケットか三つ揃いのスーツをピシっと着ていて、私服警察官としてはかなりおしゃれだけど、多分警察にも、こういうおしゃれさんは一定の割合で実在するだろう。サスペンダー使ったり、チェスターコート買う人が増えたかもね。すくなくとも、真似ができる。
 いっぽう上白川右京は、レオナール・フジタばりのパッツン前髪に丸いメガネと、どこで売ってるんだそれ?特注に決まってるでしょ、という感じのカラフルでファンキーだが高級そうな、ロックミュージシャンなら着るかな、ともかくアーチスト以外は着ない服、小説家なら志茂田景樹くらいしかリアルでは着る人はいないのではありますまいか、50メートル先からでもわかりそうな格好。それを何着も着替えるのだから、真似は難しい。まあ真似したいと思う人はいないだろうけどね。
 たとえばターコイズブルーのジャケット、黄色いベスト、花柄のシャツとか。パンツは半ズボンでカラータイツ。
 杉下警部との共通点は、紅茶好きというところ。

 豪華ツアーの客が、ホテルにチェックインしたあと、観光に出掛ける、と同時に、ホテルスタッフが大急ぎでその部屋の片付けにかかる。
 ダブルブッキングが起きてるのね、と、すぐにわかるが、これは、倒産寸前の旅行会社が二重にツアーを売り、稼働率を上げたいホテルが、それに結託したせいである。
 当然、ドタバタが起きる。それぞれわけありのツアー参加者の群集劇となる。
 王妃の館の旅は、豪華。贅沢なホテルはどの部屋も素敵。
 ルーヴルもヴェルサイユ宮殿も、滞在期間たっぷり。 
 朝食はセーヌ河下りの船上で。夕食はルイ14世の晩餐の再現をお召し上がりください。
 執筆スランプでパリに来た、上白川右京も、パリにインスパイアされて「来た来た来たーっ」と筆が進むのだが、その小説を、この映画では劇中劇してくれる。17世紀のパリが舞台の劇中劇は、登場人物は全員日本人が演じるテルマエ・ロマエ方式。しまいにはミュージカル仕立ての大合唱となり、これも豪華。
 連休、どこへも行かないのなら、とりあえず映画館へ。楽しくて豪華で、得した気分になれると思う。

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