笛吹き朗人のブログ

器楽は苦手でしたがサラリーマンを終えた65歳から篠笛を習っています。篠笛を中心に日々のリタイア生活を紹介します。

「脱原子力社会へ」を読むー4

2013-03-26 00:41:05 | 日記
グローバルジャパンの提言

第一生命の森田会長を責任者にして経団連が作った「2050年のシュミレーションと総合戦略」が自公政権のシナリオであるとおもう。

その中でエネルギー問題につい
ては、次の4点が提起されている。
(1)「総合的」(反原発と原発推進の2原論でなく)、「漸進的」(急速なポートフォリオの変化は副作用がある)「効率的」(コスト最小化)の3原則を踏まえた対応

(2)望ましい電源ポートフォリオの実現に当たっては、様々なリスクに対応した分散化とコスト効率性を両立させよ。

(3)原発問題に対しては、炉齢を重視した冷静な稼働判断を行い、省エネ、コジェネ、節電で資源輸入国の制約を緩和せよ。(福島事故は、津波対策の欠如、老朽化の放置という2つの問題が重なったためで、いずれかの問題をクリアーしていた原発は事故にならなかった)

(4)スマートメーター導入と供給区域の広域化で電力の安定受給を実現せよ。

私の見る限り、ここでも、本質的問題である、「使用済み核燃料問題」は議論の対象とされていない。

(参考書籍)
「原子力のコスト」(大島堅一;岩波新書)
――原発の直接経費以外に地域対策費などが沢山かかっており、また、事故対策費などが見られていないことから、本当のコストは極めて高いことを主張。

「グリーン資本主義」(佐和隆光;岩波新書)――温暖化問題対策が新たな経済再生につながる、と言うものである。原子力については、問題点有とはしているが、突込みはない。

「原子力村を越えて」(飯田哲也・佐藤栄佐久・河野太郎;NHKブックス)――政治的立場を異にしながら「反原発」で一致している3人が、それぞれの立場で書いたものの寄せ集め。飯田の議論は、科学者らしくない。佐藤の話しが参考になる)

「低炭素経済への道」(諸富徹・浅岡美恵;岩波新書)
――3.11の前に、CO2問題を中心に書かれた本であるが、239ページの中で、原子力発電について書かれているのは、3か所、9行である。
「原子力発電は安全性の問題や膨大な放射性廃
棄物の最終処理費用等の問題があるため、火力発電所を原子力発電所で代替することは望ましくない」とあるが、具体的記述でなく、説得力に乏しい。

「エネルギー転換の経済効果」(小野善康;岩波ブックレット)
――「原発から再生可能エネルギーへの転換は日本経済に過度の負担をしいる」という考えに対する反論。
不況期には、新たな産業への転換は逆に雇用や経済発展をもたらすから、今がチャンスだというもの。
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