先日の松江の講演後の懇親会で、百年企業の経営者の方々と
お話する機会がありました。
創業100年といえば、明治時代から社歴を重ねていること
になります。
統計データによれば、百年企業は現在約2万社。
日本全国430万社ある中で、0.4%の割合。
1000社創業したら、100年続くのは4社のみ。
こんな凄い世界になるんですね。
ある百年企業は、宍道湖から獲れる魚介類の缶詰め製造業。
正社員は社長とその奥様だけ。あとは30名のパート女性のみ。
そんな組織体制で会社側と労働者側の事情をうまくマッチング
し、徹底したローコストオペレーションを図っておられます。
★会社側の事情
宍道湖からの漁獲量は、季節や天候により左右されやすく、
安定した計画仕入が難しい。
★労働者側の事情
地元の公務員をご主人に持ち、家族手当の受給の関係で年間
103万円以下の所得税の配偶者控除の枠内で働きたいという
ニーズあり。
この双方の事情がある中で、移動平均法的な年間賃金計算をし、
3ヶ月スパンで年間103万円を超えないよう労働時間の調整
を行う。
こうしたオペレーションで、宍道湖の漁獲量の不確定要素に対応。
缶詰工場では交代制のシフトのため、あるパートが帰社のタイムカード
を打刻したら、その1分後に別のパートが出社のタイムカードを打刻
する体制になっており、分単位でタイムマネジメントができているそう
です。
これにより、
★固定費(人件費)の変動費化
を実現されているわけですね。
その社長曰く、
「私は面白そうな仕事しかしません。
だから、人を増やそうという拡大志向は全くありません。
人が増えてくると、固定費がかさむ。
そうなると、目先の資金繰りのために、面白くない仕事まで
引き受けて売上を立てる努力をしないといけない。
そんなのしんどいですよ。
だから、社長ってほんとにいつも楽しそうですねって、周囲の人
によく言われます。」
また、この会社は製造業に徹し、いくら利益率が高くても直販ルート
には手を出さないそうです。
販売はすべて外部にアウトソーシング。
直販にまで手を伸ばすと、顧客からのクレームに対応できず、かえって
自社ブランドに傷がつくというのが、その理由だそうです。
確かによく考えてみると…
★拡大志向を捨て、強みに特化し、固定費を極力抱えず、経営者自身が
面白いと感じる仕事だけをやっていく
ということを実践すれば、長続きします。
100年続くのも、うなづけます。
人間、無理は続きません。
「力を入れて、力まない」
こんなスタイルで経営できれば、「社長業 = 世界一割に合わない商売」
にはならないですね。
百年企業からは、やはり学ぶべきことが多いですね。
この缶詰め製造業の経営モデルは、まさに時流にマッチしており、これからの
時代の中小企業のあるべき形であると思います。
地方に遠征したときに楽しみなのは、こうした地元の名士と呼ばれる経営者
との出会い。
この松江でのお話は明日に続きます。
お話する機会がありました。
創業100年といえば、明治時代から社歴を重ねていること
になります。
統計データによれば、百年企業は現在約2万社。
日本全国430万社ある中で、0.4%の割合。
1000社創業したら、100年続くのは4社のみ。
こんな凄い世界になるんですね。
ある百年企業は、宍道湖から獲れる魚介類の缶詰め製造業。
正社員は社長とその奥様だけ。あとは30名のパート女性のみ。
そんな組織体制で会社側と労働者側の事情をうまくマッチング
し、徹底したローコストオペレーションを図っておられます。
★会社側の事情
宍道湖からの漁獲量は、季節や天候により左右されやすく、
安定した計画仕入が難しい。
★労働者側の事情
地元の公務員をご主人に持ち、家族手当の受給の関係で年間
103万円以下の所得税の配偶者控除の枠内で働きたいという
ニーズあり。
この双方の事情がある中で、移動平均法的な年間賃金計算をし、
3ヶ月スパンで年間103万円を超えないよう労働時間の調整
を行う。
こうしたオペレーションで、宍道湖の漁獲量の不確定要素に対応。
缶詰工場では交代制のシフトのため、あるパートが帰社のタイムカード
を打刻したら、その1分後に別のパートが出社のタイムカードを打刻
する体制になっており、分単位でタイムマネジメントができているそう
です。
これにより、
★固定費(人件費)の変動費化
を実現されているわけですね。
その社長曰く、
「私は面白そうな仕事しかしません。
だから、人を増やそうという拡大志向は全くありません。
人が増えてくると、固定費がかさむ。
そうなると、目先の資金繰りのために、面白くない仕事まで
引き受けて売上を立てる努力をしないといけない。
そんなのしんどいですよ。
だから、社長ってほんとにいつも楽しそうですねって、周囲の人
によく言われます。」
また、この会社は製造業に徹し、いくら利益率が高くても直販ルート
には手を出さないそうです。
販売はすべて外部にアウトソーシング。
直販にまで手を伸ばすと、顧客からのクレームに対応できず、かえって
自社ブランドに傷がつくというのが、その理由だそうです。
確かによく考えてみると…
★拡大志向を捨て、強みに特化し、固定費を極力抱えず、経営者自身が
面白いと感じる仕事だけをやっていく
ということを実践すれば、長続きします。
100年続くのも、うなづけます。
人間、無理は続きません。
「力を入れて、力まない」
こんなスタイルで経営できれば、「社長業 = 世界一割に合わない商売」
にはならないですね。
百年企業からは、やはり学ぶべきことが多いですね。
この缶詰め製造業の経営モデルは、まさに時流にマッチしており、これからの
時代の中小企業のあるべき形であると思います。
地方に遠征したときに楽しみなのは、こうした地元の名士と呼ばれる経営者
との出会い。
この松江でのお話は明日に続きます。