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税理士の岩佐孝彦が社長に“元気”と“勇気”をお届けするブログです。

百年企業に学ぶ IN 松江 ~ 面白い仕事しかしない?

2012年07月23日 | 日記
先日の松江の講演後の懇親会で、百年企業の経営者の方々と
お話する機会がありました。


創業100年といえば、明治時代から社歴を重ねていること
になります。

統計データによれば、百年企業は現在約2万社。

日本全国430万社ある中で、0.4%の割合。

1000社創業したら、100年続くのは4社のみ。

こんな凄い世界になるんですね。



ある百年企業は、宍道湖から獲れる魚介類の缶詰め製造業。

正社員は社長とその奥様だけ。あとは30名のパート女性のみ。


そんな組織体制で会社側と労働者側の事情をうまくマッチング
し、徹底したローコストオペレーションを図っておられます。



★会社側の事情

宍道湖からの漁獲量は、季節や天候により左右されやすく、
安定した計画仕入が難しい。


★労働者側の事情

地元の公務員をご主人に持ち、家族手当の受給の関係で年間
103万円以下の所得税の配偶者控除の枠内で働きたいという
ニーズあり。


この双方の事情がある中で、移動平均法的な年間賃金計算をし、
3ヶ月スパンで年間103万円を超えないよう労働時間の調整
を行う。


こうしたオペレーションで、宍道湖の漁獲量の不確定要素に対応。



缶詰工場では交代制のシフトのため、あるパートが帰社のタイムカード
を打刻したら、その1分後に別のパートが出社のタイムカードを打刻
する体制になっており、分単位でタイムマネジメントができているそう
です。


これにより、

★固定費(人件費)の変動費化

を実現されているわけですね。



その社長曰く、

「私は面白そうな仕事しかしません。
 
 だから、人を増やそうという拡大志向は全くありません。

 人が増えてくると、固定費がかさむ。

 そうなると、目先の資金繰りのために、面白くない仕事まで
 引き受けて売上を立てる努力をしないといけない。

 そんなのしんどいですよ。

 だから、社長ってほんとにいつも楽しそうですねって、周囲の人
 によく言われます。」


また、この会社は製造業に徹し、いくら利益率が高くても直販ルート
には手を出さないそうです。

販売はすべて外部にアウトソーシング。

直販にまで手を伸ばすと、顧客からのクレームに対応できず、かえって
自社ブランドに傷がつくというのが、その理由だそうです。



確かによく考えてみると…

★拡大志向を捨て、強みに特化し、固定費を極力抱えず、経営者自身が
 面白いと感じる仕事だけをやっていく

ということを実践すれば、長続きします。

100年続くのも、うなづけます。



人間、無理は続きません。

「力を入れて、力まない」

こんなスタイルで経営できれば、「社長業 = 世界一割に合わない商売」
にはならないですね。

百年企業からは、やはり学ぶべきことが多いですね。

この缶詰め製造業の経営モデルは、まさに時流にマッチしており、これからの
時代の中小企業のあるべき形であると思います。



地方に遠征したときに楽しみなのは、こうした地元の名士と呼ばれる経営者
との出会い。

この松江でのお話は明日に続きます。



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