ファイト一発!税理士イワサの社長応援ブログ

税理士の岩佐孝彦が社長に“元気”と“勇気”をお届けするブログです。

消費税率引上げを考える ~ 来年のことを言えば鬼が笑う《その4》

2011年12月27日 | 日記
「来年のことを言えば鬼が笑う」の今日は第4弾のお話です。

ここ最近、連日報道されているのが消費税の増税問題。

皆さんも気になるところかと思います。


2015年に税率10%。

ただ一気に引き上げると個人消費への打撃があまりに大きい
ため、二段階での引上げが検討されています。

今のところ、2014年春に8%という案があるようですね。



わが国の財政状況を考えれば、消費税のアップは必至。

しかし、消費税には逆進性の問題があるといわれます。

つまり、低所得層ほど負担が重くなるということ。

また、私たち中小企業にとっても、経営に大きな影響を及ぼす
ことは避けられそうにありません。


以下の2点の問題に直面するでしょう。


★税金コスト負担の問題

消費税は赤字でもかかる税金です。

決算対策の実務の現場では、想定外の黒字が出た時に生命保険で
政策的に利益を下げ、結果として「法人税」「事業税」を節税
するということがよくあります。

税理士から見ても、経営者保険は一本の取引で安全かつ確実に
節税できるメニューです。


しかし、生命保険の節税効果がいくら高いと言っても、消費税
だけは無理。

生命保険料は人件費と同様、消費税法上の経費ではありません。

よって、生命保険での節税効果は消費税においてはゼロなのです。


ですから、消費税率が引き上げられると、税金コストの負担面で
大きな打撃となるのは間違いない。

今以上に中小企業の消費税の滞納件数が増える可能性が高いと思わ
れます。


★価格戦略上の問題

消費税率を引き上げるということは、物価上昇を人工的に引き起こす
ようなものです。

「社長業 = 価格決定業」という言葉もあります。

値決めは経営のキモ。


そうなると…

価格競争に巻き込まれ、体力の消耗戦に突入し、いわゆるレッドオー
シャンの戦いに突入していくか?

価格競争とは一線を画し、ブルーオーシャンの世界で戦えるか?

こうした二極化がますます進展するでしょう。



この消費税増税問題は、2012年の政局を左右しかねないともいわれて
います。

国民の理解を得るのは難しい問題になるため、衆院解散、総選挙の可能性
も取りざたされているようです。

かつて、消費税の導入がなされたとき、当時の竹下登元首相はその職を
辞しました。

内閣が倒れてもいいくらいの覚悟をもって、消費税導入に邁進したとも
言われています。


いずれにせよ、政治家にとっても、一般個人にとっても、そして私たち
経営者にとっても、消費税率アップは大きな問題ですね。

中小企業は品質にさらなる磨きをかけ、価格競争に巻き込まれない経営体質
を目指し、日々研鑽するしかありません。

お互い頑張っていきましょう!

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