☆♪☆ 鉄のみゅーじしゃん ☆♪☆

作編曲家・ギタリスト塩塚博のブログ。
近年は駅メロディの作曲で知られています。

駅メロ塩塚作品、大公開!!その2

2008年11月29日 12時27分30秒 | 駅メロ情報
皆さんお待たせしました。
「あぁ涙と怒涛の駅メロディー、栄光と挫折の大歴史スペクタクル」
パートⅡをお届けします。
これこれ、そんなたいそうなもんやないっ、ちゅうに。

その前に、毎日多数のアクセスありがとうございます。
昨日は374ですか、嬉しいですねー。
コメント、トラックバックもありがとうです。
ひとつひとつレスできませんが、ご容赦下さい。
これからも自由に書いて下さいね。
26日に出ましたCD「鉄のバラード」の感想なども
コメントの所に書いてくれると嬉しいです。

さて、JR-SHシリーズです。この1~9には、ご存知の通り、
音色違いでそれぞれ3通りのバリエーションがあります。
シンセハープ系、キラキラ系など3つの音色で、
それぞれキーも変えています。
なので、駅で実際使っているものは正確には例えば
「JR発車メロディーSH-1-1」という枝番号がつきます。

そして、このSHシリーズで、僕の駅メロ作りの基礎と言いますか
塩塚カラーみたいなものが既に確立されています。
現在の、京急駅メロや「鉄のバラード」に至るまで、
その基本はいささかも変わっておりません。

まず、音色は、耳触りがよく飽きのこない、
シンセハープ系の音が基本になり、
それに奥深くてキラキラした余韻・残響を足したもの。
音の構成は基本的に主旋律も伴奏も同じ音色であり、
主旋律(1音、時々2音)に対して伴奏も基本は1音+ベース音。
つまり、音数の少ない、シンプルな音楽であり
私はこれを「ゴージャス(で、モダン)なオルゴール」、
と呼んでいます。

伴奏は、音楽理論で言う「対位法」的な編曲で、
主旋律と絡みあい、「やすきよ」の漫才のような絶妙の
コンビネーションを目指しています。
単純な分散和音などはあまり使わず、
伴奏トラックだけ聴いても、「いいメロディー」であり
充分歌っていること。
これが、塩塚カラーの真髄です。

僕の駅メロはシンプルなので、
即興でパパッと作っているのではないかと思われがちですが、
シンプルだからこそ、じっくり練りこんで、
熟成させたものです。
この辺はCM音楽の制作・作曲やラジオ番組のジングルの作曲
をやってきたことが生きた、と思います。

では何故シンプルに作るのか、と言いますと。
テレビの取材でも話しましたが、駅の中は騒音でいっぱいです。
あまりこまかーい音を入れたり、いろんな音色を使っても
しっかり伝わらないだろうと考えて、あえてそう作っているのです。

あと、他の作曲家さんの作品と差別化をはかり、
僕の作品らしい個性を出したいということもあります。
櫻井隆仁さんや福嶋尚哉さんの作品は
音色のバラエティーが豊富です。
それは彼らのステキな個性なので、いいと思います。
もしかしたら、彼らも僕の事を意識して
「塩塚というヤツとは違う個性を出そう」と考えた可能性もあるし。
いろんな個性の駅メロがあって楽しいじゃないですか。

さてさて、そろそろ「空白の13年間」、を語りましょうか。

僕の作品が多数使われて、発車メロディーのサイトもでき、
テレビ番組などでも時々取り上げられるようになったのに、
どーいうわけか、僕の所に発注依頼が、来ない。
テレビで、発車メロディーを取り扱った番組をやっても、
作者として登場するのは決まって櫻井さんで、
僕には取材の依頼も来ない。

なぜだろう!??
僕だって、ガンガン新作を作曲したいのに。
と、僕もかなり悶々としていたのであります。

でもこれには理由があります。

SHシリーズを制作したジーケイ。
この会社は、もともと「東洋BGM」~「東洋メディアリンクス」~
制作部門が独立して「ジーケイ」~「ジーケイ」をたたみ、
「東洋メディアリンクス」に統合。という歴史があります。

僕の駅メロを制作して2年くらい経った頃でしたか、
ジーケイは発展的に解消、東洋メディアに併合。
その中で、社内組織も変わり、人事異動もあり、
退社する人もいました。
僕に発注してくれた中原さんも、社内で異動し
制作畑から離れていきました。
そんな事情もあってこの会社は駅メロ制作をしなくなります。
悔しいけど、文句も言えませんよね。だって、
当時はまだ、駅メロが世間で市民権を得ておらず
いわば「おいしい」仕事ではなかった、のですから。

ところで、(株)スイッチ社長の小川さんは
当時から僕のことが気になっていたと言います。
しかし、当時は僕の曲には曲名すらなく、
作者である僕の名前もわからず、当然連絡先も不明。
二者はなかなか接点を持てぬまま、時は流れ、
僕と小川さんが初めて会ったのは、2005年。

このブログでも紹介した発車メロディーCDを制作するにあたり、
関東の駅で使われている「すべての」曲を収録したいと考えた
小川さんは各制作会社から原盤を集め、僕の作品も収録。
東洋メディアの会議室で初めてお会いしました。
僕は、せっかくこれだけ自分の作品が親しまれているのに
新作を発表していなくて悔しい。
ぜひ新作を世に向けて発表したいと小川さんに切々と訴えました。

その後何度か話し合いをし、
東洋メディアにも了解してもらい、ついにスイッチで新作駅メロを
制作するようになりました。
最初の仕事はJR大宮と浦和のサッカーチーム応援歌の駅メロ化。
これが2007年のことでした。

これで、やっと!!塩塚博は駅メロ界に帰ってくる事ができたのです。

ということで、パート2は、ここまで。

パート3では、スイッチの仕切りで駅メロを制作してきた
最近の作品を公開します。
お楽しみに。



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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (吉見人)
2008-11-29 16:12:49
はじめまして。「鉄のバラード」、拝聴しました。私は通学の際、塩塚さまの駅メロが使われている駅を利用していますが、その音色がまさにそのままヒット曲のアレンジに使われており、驚くとともに、とても感動しました。
私個人の感想となってしまいますが、「銀河鉄道999」が一番気に入りました。曲調がとても明るいことと、CDの1曲目に入っているために、感動と衝撃が特に大きかった為かもしれません。

長くなってしまいましたが、これからも制作活動、頑張って下さい。期待しています。
Unknown (新録)
2008-11-29 18:50:51
はじめまして、
遅ればせですが、ブログ解説おめでとうございます&ありがとうございます!
発メロの個人サイトがこのような状態の中、本当に嬉しい限りです。
今まで、発メロのファンはいましたが、作曲者様側とは接点が全く無くて、なんとなく寂しい趣味でしたから・・・
新宿&渋谷にヤマハのメロが導入されてから20年が経って、駅のメロディーが市民権を得、最近特に注目されてきたと感じます。

つづく
Unknown (新録)
2008-11-29 18:51:09
つづき

さて、今日の記事でお書きになっている「JR-SH-○-○」という枝番号について、お聞きしたいことがあります。
習慣的に、ゴージャスな音色のバージョンを基準として、シンセハープ系のバージョンを「-1」、駅では使用されていませんが、CDに立川2番線として収録されているキラキラ系のバージョンを「-2」と僕なんかは呼んでいます。
ただ、CDの解説には、東京駅山手線のメロディー(シンセハープ系のバージョン)が、「JR-SH3」と書かれていて、桜木町等の、ゴージャスなバージョンが「JR-SH3-1」となっておりました。
これは音程の上下を基準とした場合にはそうなるのでしょうが、音色で分けて呼ぶ場合と違ってしまいます。作曲なさった塩塚様からすれば、音色と音程、どちらで区別した呼び方が正しい、というか気分がいいものですか?

これからも、私たちは知りえなかった事情などをどんどん載せていってください!そして、もっと駅メロが身近になることを願っております。
長文、乱文失礼しました。
Unknown (みちのくの現場監督)
2008-11-29 18:58:47
はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。

ハンドルネームのとおり、自身が地方在住なため、出張やプライベートで、東京駅で新幹線から山手線に乗り換える際、塩塚さんの曲(メロディ)を耳にすると
「あぁ…東京に来たんだな」
といつも実感していて、個人的には、気持ちの切り替えという意味での「シグナル」にもなっています。

また、10年前に偶然耳にして記憶に残っていた曲も、塩塚さんの手がけたものと知り、(その曲は、JR-SH2でした)驚いている次第です。当時から、特に最後の四音から、クラシック曲に似た雰囲気を感じていたのですが、やはりバロック調モチーフであったことを知り、長年の謎が解けました(笑)

(その2につづきます)

Unknown (みちのくの現場監督)
2008-11-29 18:59:22
(その1のつづき)
また、着うた配信の「秋桜」の、原曲のイメージを見事に汲み取ったアレンジや、「イマジン」の裏メロ(2nd?)に、SH3を盛り込んでいるユニークな手法には、さすがはプロ(職人技)だな~と思わず感動してしまいました。

鉄のバラード、大変素晴らしい仕上がりになっていて、特に「My Revolution」と「Everything」はその中でもお気に入りなっています。

今後の音楽活動、そしてブログの更新楽しみにしております。応援しております!

※記したいことが多く、長文になりまして申し訳ありません。
Unknown (GKメロファン)
2008-11-29 21:44:39
GKメロファンといいます。
私は夏休みと冬休みに家族で母親の実家に
帰省するのですが、その道中に乗り換えで
東京駅で降りるのですが、私が幼い頃、親に連れられて東京駅で降りたときに聴いた、JR-SH5に魅せられて、発車メロディ好きになにました。

また、寝台列車のデッキで熱海駅の発車メロディを聞いた時に、バージョン違いがあるということを知りました。個人的にJR-SH5-1は
熱海駅の雰囲気に合っていると思います。

気になることがあるのですが、
大宮・浦和駅のご当地メロディーより
1か月早く導入された佐倉駅の
発車メロディーについてですが、
同じくシンセハープ系の音色なのですが、
塩塚さんの製作なのでしょうか?

Unknown (発メロファン)
2008-11-30 00:35:20
昨日はお忙しい中わざわざコメントへの返信ありがとうございましたm(_ _)m

確かに塩塚様のおっしゃる通りだと思います。

発車メロディというものに対して愛着心のようなものがあったが為に、つい一方的に考えてしまいました。
反省をしております。

今までできなかった発メロファンと発メロ作曲者の間の意見交換(?)をする貴重な機会をいただきありがとうございました。


塩塚様の作品は特に気に入っているので新作も楽しみにしております。
今後も活動頑張って下さい!

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