チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

駿河湾のテンジクタチ

2011年12月27日 | 日記
 相良魚市場から、”背鰭の黄色いタチウオが目に付くが、普通のタチウオと違いがあるのか?”との問い合わせがあり、平成23年11月28日に相良沖の定置網で漁獲された背鰭の黄色いタチウオをサンプルとして提供していただきました。
 外見は、背鰭が黄色いことを除けばタチウオとの大きな違いは見られませんが、魚類検索図鑑で調べてみると、どうやらこの魚はタチウオとは別種の「テンジクタチ」のようです。
 テンジクタチは、背鰭が黄色いことと、口の中の色が明るい色(黄色)であることでタチウオと区別されます。図鑑では分布は四国、和歌山とありますが、インターネットでは三重県尾鷲の市場に水揚げされているとの情報がありました。今回の駿河湾で採捕されため、従来の分布よりも北での採捕記録になります。
 なお、タチウオとテンジクタチの分類については現在も研究が進められており、暫定的なもののようです。
 味の違いは、インターネットでは両者の違いはほとんどないとの情報が多く、今回のサンプルを塩焼きにしてみたが、タチウオとの違いはわかりませんでした。


最上段 タチウオ 下5尾テンジクタチ


タチウオ(上)とテンジクタチ(下) テンジクタチは背びれが黄色 

 

口の中の色の比較 左 タチウオは暗い色。右 テンジクタチは明るい色(黄色)

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