青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

四季彩の横瀬川

2017年11月19日 07時46分57秒 | 秩父鉄道

(横瀬川深秋@和銅黒谷~大野原間)

さて、パレオをあまり深追いしない程度の浦山口までの追っ掛けで留めたのは、朝に返空で武州原谷に向かったチョコバナナのその後が気になっていたから。普通にスジ通り走れば午後の原谷からの一番列車で積車を牽引してくるはずです。向かったのは個人的に秩父鉄道で一番好きかもしれない和銅大橋からの横瀬川橋梁のサイドショット。荒川と横瀬川の出合付近、節理の渓谷を刻む横瀬川の上に架かる秩父鉄道のトラス橋。


川筋かつ風の通り道で気温が周囲よりも低いのか、横瀬川の右岸側の紅葉はやや落葉気味の気配もありますが、まずは深秋の渓谷を返空7005レが渡って行きます。この時期はまだ熊谷側だけの片パン運用。秩父マニア的には、パレオが冬休みに入ってデキのパンタが霜取り対策で両側上がると「冷やし中華始めました」じゃないけど「両パンタ始めました」で「ああ、秩父にも冬がやって来たねえ」という感じになるよね(笑)。


荒川右岸の崖の木々は、紅葉と言うよりは黄葉の彩りとなっていて、上流のダム湖の放水のせいなのか青銅のような色味を帯びた流れ。いずれにしろ見事な錦秋の谷渡り。和銅大橋はそこそこ車通りも多いのですが、このアングルは歩道のない側から撮影するので、撮影の際は熱中し過ぎて車道側にはみ出る事のなきよう必ず周りに気を付けましょうね。


7105レが武州原谷に到着すると交換するように発車する7404レ。朝に金尾山の俯瞰から眺めたチョコバナナことデキ502が積車を牽いてやって来ましたよ~。横瀬川アングルはカマとヲキ3~4車しか乗らないけど、それでもホッパの上にこんもり積み上げられた石灰石があるとなしでは貨物列車としての雰囲気が全然違います。しかも上りは進行方向前パンになるので、冬以外は秩父デキ狙うなら三ヶ尻方面行きを狙った方がいいと思う。


少し前までは製品としてのセメント輸送もあったりして、貨車にもバリエーションがあった秩父貨物。現在は基本的に本線を走るのは鉱石貨物のヲキ車のみで、僅かに武川~熊タで三ヶ尻工場の燃料用の石炭ホキ(ホキ10000)を見る程度。残念な事に私が通い始めた頃がちょうどセメント輸送が終わった直後だったんで、武州原谷の側線に解体待ちのタキ1900がズラーっと並んでいたのを覚えている。そん中でも程度のいいのは三岐送りになったみたいだけどね。

それでも私有貨車×私鉄電機という組み合わせで、黙々と四季折々の風景の中を駆けてくれる秩父鉄道の貨物列車は私にとって大切な被写体。荷主が必要なくなれば、特に議論にもならずにパタッと走らなくなるのが貨物列車ですからね。同じ40トン級の私鉄電機で頑張ってた岳南の貨物とか、もっと撮っておけば良かったとか思うもんねえ…秩父のデキたちの活躍も、ひとコマひとコマ積み上げて行くしかなさそうです。

ちなみに5月にほぼ同じアングルで撮ったのがこちら。日本の四季って素晴らしい。
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パレオどう追うどこで撮る

2017年11月18日 16時56分49秒 | 秩父鉄道

(大沼園カーブ@上長瀞~親鼻間)

寄居発車時点でそもそも遅れを出していたこの日のパレオ、そして好天の秋の休日となれば長瀞周辺のR140は結構な混雑。と言う訳で矢那瀬からは野上駅の裏を県道へ出て長瀞の混雑をショートカット。秩父までの一発ですが、さりとてどこで撮ろうかと思いつかず楽して撮れる道の駅みなの手前の架道橋へ。ここは親鼻の鉄橋を渡って右カーブしながらの登り坂なので、そこそこ煙を吐いてくれるポイント。秩父の隠れた名物であるブドウは「ちちぶ山ルビー」なんて品種が有名ですが、ブドウ園の脇を白煙を上げながらパレオが登って来ました。


秩父の停車時間を使って今度は浦山口へ。下のキャンプ場に行くかお稲荷さん俯瞰に行くか悩んでお稲荷さんに登ったんですが、子供の構図をセットしているうちにSLがやって来てしまいオトーサンはアウト。本当はお稲荷さんからさらに上がって行くお稲荷さん大俯瞰の方がスッキリ撮れるのだけど、よくよく考えたら子供連れでは登れんわなあ。そう考えたら下のキャンプ場のほうが良かった(笑)。

色付いた荒川久那の集落を、三峰口に向かってラストスパートしていくパレオ。しかしお稲荷さん俯瞰もだいぶ周囲の木が伸びてきて撮りづらくなって来た。この「アングルが樹木の生長によって潰れて行く」と言うのは撮り鉄の全国共通の悩みな感じもしますが、そもそもここからのアングルは下りだと浦山川の鉄橋をちょっくら後追い気味に撮る構図で本来なら上りパレオ向きなんですよねえ。などなど恨み節をグチグチ言いながら山を降りるのでありました。
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秋麗の矢那瀬ストレート

2017年11月17日 17時00分00秒 | 秩父鉄道

(もう少しキレイに洗ってあげて欲しい@矢那瀬ストレート)

チョコバナナを金尾山俯瞰で撮影した後、約1時間後のSLパレオはどうする?と子供に聞いたところ「近くで撮りたいなあ」と言う事で山を降ります。あまり移動している時間がないので金尾山の下の矢那瀬ストレートへ。好天の人気撮影地ですから先客はどれくらいか…と思いましたがお二人のみ。子供とご挨拶をして隣に入れてもらいます。まずはピント調整がてらの都営三田線こと秩父5000系、元国鉄101系の1000系がいなくなってからは東急車が幅を利かせている秩鉄界隈ですが、同じステンレスでも東急車輌じゃなくて川重とかアルナ工機製造と言うのが微妙に関西風味の三田線車両。秩父の一般車の中では結構好きです。


先客の方と軽く談笑しながら待つ事30分。矢那瀬のストレートのバックの山も紅葉するのだろうけど、この週末ではまだまだ色付き途上。ちょーっと遅れているのか、所定の時間を5分ほど遅れて遠くからSLの汽笛が聞こえて来ました。まさに秋麗しく輝くような光が射す中、乾いた空気でどこまで煙が出るかという心配もございましたが、まあまあタテ構図で構えた意味がない訳でもないくらいの煙は出していただけました(笑)。


子供もしっかりヨコ構図でSLを押さえます。この日は「立正大学熊谷キャンパス50周年記念号」としてヘッドマーク付きの運行。プリミティブな姿を望むSLマニア的には、カン付きと言うのはあんまり喜ばしい事でもないらしいのですが…。立正大学のマスコットキャラクター「モラりす」と「パレオくん」のコラボヘッドマークですぞよ。「モラリスト」と「りす」のキメラって事ですね。

矢那瀬のストレートは光線の回りの関係でタテ位置よりヨコ位置が正解だった感じ。重油と煤の香りをたなびかせ、力強く秋の秩父路を走るその姿美しき。とりあえずそそくさと三脚を畳んでSLを追い掛ける事に致しましょう。
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甘くてレアなチョコバナナ

2017年11月16日 17時30分00秒 | 秩父鉄道

(レアキャラ登場@7403レ)

秩父と言えば、デキの牽引する石灰石の貨物列車。秩父にはどっちかっつーとSLよりデキ貨物の撮影を楽しみに行っている感はある。順光側の秩父方面からやってくる朝の1便(7104レ)を期待してたんだけど、やっぱり日曜日は影森便はウヤになることがほとんどみたいですね。気を取り直して返空の下り7403レを待つべく子供と展望台の上で待っていたのですが、「あっ!黄色い機関車!」と子供が叫んで末野のカーブを回って来たのがデキ502。このカマだけは秩父リバイバルカラーの黄色にマルーンの帯を締めたちょっとかわいらしいカラーリングになっていて、ファンからは「チョコバナナ」の愛称で親しまれているレアキャラ的な存在になっています。


デキは波久礼の駅を過ぎ、ゆっくりとカーブを回って山の北側へ。こっからだと矢那瀬のストレートを上から俯瞰する事も出来るんだねえ。秩父の山から切り出された貯木場の脇を行くチョコバナナ。奇跡的にこの時はR140を通る車がいなかった。


金尾山と河岸段丘の紅葉を眼下に。山の下から風に乗ってデキとヲキの奏でるジョイント音が聞こえて来ます。何度も秩父に来ているけど、チョコバナナを撮影するのは実は初めてだったりする。ブルーのカラーリングが正調の秩父のデキですけど、たまにはこんなネタモノも悪くないですね(笑)。


川面の踏切を過ぎ、樋口方面へ。関東平野と秩父盆地を隔てる外秩父の山々を割って流れる荒川の流れ。古くから秩父往還の難所と言われたこの辺り、特に波久礼駅の北側にある桟道の周辺は、切り立った崖が荒川に迫って道もなかったため、鉄道が開通するより前は馬を船に乗せて越えていたそうだ。


石灰で白く汚れたヲキの空車20車を牽引して、チョコバナナデキが武州原谷を目指します。こういう「レアキャラ」みたいなものに子供は目がないので、早速「もう一回撮ろうよお」とせがまれたのだが、原谷に向かって行ったと言う事は当然積車でまた三ヶ尻へ戻るはずなので、そのスジを追ってみようかな。7404レあたりか?
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カステラ&カフェオレ

2017年11月15日 17時04分42秒 | 秩父鉄道

(玉淀湖の紅葉を横目に@急行秩父路3号)

展望台から寄居方面はこの時間逆光になってしまうんですが、荒川に沿って続く河岸段丘の紅葉が美しいですね。この辺りの荒川は、下流の玉淀ダムに堰き止められて玉淀湖と呼ばれています。ダムと言うよりは堰のような感じの小さいダムですが、流れが緩やかでカヌーなんかのいい遊び場になっているそうです。この日のファーストショットは1003レ急行秩父路3号。秩父に向かう車列に負けじと熊谷~秩父を50分で結びます。


子供のアングルで秩父方面の後追いショットを。6000系は元西武新101系を種車に、廃車にした西武のレッドアローからシートを引っぺがしてくっつけたもの。一応秩父鉄道の急行は急行料金を取りますからね。普通電車とは差別化を図らなきゃって事でしょうか…リバイバルカラーのベージュとマルーンの塗装、子供の頃の秩父鉄道の色と言えばこれだったですね。300系とかいた時代の話だけど。地味ながらとても落ち着いていて、ノスタルジー満点の色ですね。そのカラーリングは焦げ目のキレイなカステラのようでもあり、福島の酪王カフェオレのようでもあり、いずれにしろ食品系なのであります。
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