青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

THE LAST SCENE and AFTER ~さよなら物語~

2008年07月19日 22時58分33秒 | 日常
(画像:今朝の富士ぶさ@鍛冶屋カーブ)

朝日を浴びて、箱根外輪山の裾を行く。

ゆうべは実に暑くて寝苦しい夜だったので、夜中に何度か目が覚めてしまった。
ちょっとコンビニ行くついでに車に乗ってエアコン効かせたら、そのままなぜか深夜ドライブに突入してしまう。好きな音楽を流しながら朝まで走り続けたら湯河原辺りまで行ってしまい、「静岡県熱海市」の看板を確認して引き返す事にした(笑)。

今回の深ドラBGMは、河合奈保子のアルバム・「さよなら物語」(1984年)。
なんだ、まだ河合奈保子を聴いていたのか、と思われるかもしれませんが(笑)。
いやあ、去年の秋から集め始めてコツコツとこれで7枚目のアルバムだが、文句なく今までの最高傑作のアルバムといえる珠玉の出来栄えだと思いますよ。いやマジで。「ナインハーフ」とか「サマー・デリカシー」も良かったけどさ。

このアルバム、まずサウンドが素晴らしい。
欧州をテーマに、パリやモスクワ、ローマなどの各都市が主題に取られたコンセプト色の強いアルバムなんだけど、クラシカルかつ重厚な筒美京平のサウンドがシンセサイザーの編曲によって非常に透明感ある仕上がりになっており、流麗で美しくも物悲しい。
メロだけ聞いても打ち込み特有のアレンジが随所にちりばめられていて非常に良く出来たサウンドなんだけど、それに乗った河合奈保子のボーカルがまた絶品なんだよなあ。タイトルの如くの「別れの悲しみ」を、女性視点の情念をモノローグのようにある時は耽美的に流し去り、ある時は激しく叩き付ける。強弱抑揚が変幻自在で、自分の声で自分の声を引き立てるような表現力はお見事と言うしかない。考えてみれば当時21歳でこんなアルバム出してるんだから、早熟だよなあ。
アルバム9曲全曲にそれぞれ聞き所があって飽きさせないんだけど、まあその中でも特筆モノと言うなら5曲目の「FIN(白夜の季節)」とか6曲目の「WIEN(悲しみのコンチェルト)」とかいいっすねえ。だいたい1曲目の「LA JETEE(霧雨の埠頭)」でヤラれましたから。私。

元々単純に「歌が上手だなあ」と言う事でマイ再評価したアーティストなんだけど、ここまでのモノを作っていたとはねえ。河合奈保子って普通の人には「♪けんかをやめて~ふたりをとめて~」くらいしか印象に残ってないと思うんだけど、このアルバム聞いたらひっくり返ると思う。まあ、ほとんどの人は聞かないんだろうけどさw

芸術ってのは没後に評価が高まる事は珍しくない。
そう言う意味で、「河合奈保子の再評価」ってのも、あってもいいかもしれないw
う~ん、このアルバムは積極的に騙されたと思って一回は聞いてみて欲しいなあ。
損はさせないと思うのですが。
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3 コメント

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Unknown (日菜の父ちゃん)
2008-07-19 23:26:57
柏原某が空港の荷物検査で電動伝統民芸品所持発覚の際に
「だってナオナオ(略)は2本も(略)よ」って
言っちまったという都市伝説はさておいてw
歌唱力と生命力、比例すると思います。
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それって… (tatsuhiko)
2008-07-21 08:53:11
水沢アキじゃなかったでしたっけ?>こけし2本
つか、その手の都市伝説は名前を変えるだけでいくらでも続けられますなあw
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84年 (藤代之湖)
2015-04-18 15:02:56
84年のアルバム「さよなら物語」はお気に入り。①LA JETEE 霧雨の埠頭は同日発売の「北駅のソリチュード」の代わりにシングル化していれば…と感じていました。
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