青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

シーフードバトラー

2009年07月18日 22時08分08秒 | 日常

(画像:横須賀長井の「あらさき亭」)

ちょいと身内で色々と節目になる事もあり…
このたび晴れて嫁さんが円満退社と相成りまして。
これまでの労をねぎらうと言う事で「何が食いたいの」と聞けば、ここがいいと。

♪サヨナラって夏の海に夕陽が言う~
自宅から藤沢へ出て、R134で三浦半島まで。
バックミラーに映る江の島を撮ろうと思ったが、渋滞の車しか写らなかったぜw

ここは横須賀は長井の奥にある、漆山と言う小さな漁港の片隅にあるお店。
潮臭い漁具の並んだ雑多な漁港には似合わない、南欧風のこじゃれた外観。
何度か通ってますが、結構知ってる人は知ってる人気の店みたいです。
ま、三浦半島と言っても相模湾側はなかなか不便ですが…

おしながき。
但し、「お魚のコース」としか書いてないからおしながきとは言えないのかもしれんw
基本的に値段が決まっているだけでお任せになるんでねえ。
何が出るかはその時のお楽しみ。

 

まずは生シラスとかま揚げシラスで。
ビールが飲めないのが残念なんですが…(笑)。
湘南の地場産品として有名ですね。
生シラスはちょっとほろ苦くまったりとしててとても美味しいもの。

お次はサザエのつぼ焼き。
人によってはサザエの先っぽの黒いところが苦手らしいが、そこが磯くさくてうめーんじゃねーかと。
地元の素潜りの年配の漁師さんがこう言うのを上げて来るらしい。
三浦半島でもこんな大サザエが取れるんだねえ。

シラスをつまみ、サザエをほじくっているとお次はカニです。
荒崎ガニともイバラガニとも言われる、あまりお見かけしないカニ。
大島とか小田原の沖の水深700m程度の深い場所に棲んでいるらしい。
カゴを沈めて取るらしいが、取れたり取れなかったりは運次第だそうだ。
イバラガニの名にふさわしくトゲが物凄いが、身が詰まって味が濃厚でうまいのよ。

カニをほじっていると続いてお造り攻めになる。
トップバッターは剣先イカ。
剣先なんて言うとサキイカとかスルメの酒のつまみってイメージなんすけど。
身は白くナタデココのような強い歯ごたえと甘みがあってうまい。

続いてキメジマグロとマダイの刺身が出て来た。
このあたりになると食うペースと出されるペースが合わなくなり、卓上は皿だらけ。
どこに手を付けていいか分からなくなって来るw
また、提供の際に店の奥さんの詳しい解説とウンチクがありますので、
ここでしっかりクロストークをするとさらに進みは遅くなりますw
キメジはキハダマグロの幼魚と言う事で、脂がそれほどなくさっぱりとしております。

この時点で早くもめかぶのお吸い物と大盛りご飯の投入を受ける(酒飲まなかったので出されたのでしょう)。
結構腹いっぱいになっているのだが、お次は焼き物のタチウオ。
これがまた絶妙の塩加減と脂の乗りで今日メイチの一品。
これはご飯に合いますな~。
骨が鋭くて気をつけなきゃいけないですがね。

卓上に広がる魚介類との格闘。
食べ切ってないカニをほじり、イカを醤油に付け、ご飯の上にシラスを撒いてみたり。
色々と食べ進めている最中にさらにもう一品。
これが巨大な25cmはあろうかと言う大カサゴの煮付けで、さすがに面喰らった。
頭ん中の電卓では2,000円以上は下らないのでは?と下世話な妄想が(笑)。
この大盤振る舞いっぷりがこの店の良さと言えるのだが。
白身の魚でお上品な味。煮魚好きとしては堪えられませんな。
すっげー腹いっぱいだけどw

嫁さんはさすがに限界が近付いている様子。
まあこの量では無理もないのだがw
そんな嫁を尻目に煮魚をテキパキと取り分け丁寧に食べていると、
「きれいに食べますねえ」と店の奥さんに褒められた。
昔から大した取り柄もない私ですが、「魚を食べるのは上手ねえ」と言われてましたからねw

もうさんざん食って口から魚が出るくらいになった後で、食後の寒天黒蜜。
涼やかな口当たりにミントの香り、甘い黒蜜でお茶をいただき締め。
料理8品デザート1品、これに大盛りご飯とめかぶの吸い物、大盛りのひじきの煮つけが付いて4,200円。
量はたっぷりでお腹も当然一杯になるのだが、料理自体は非常にシンプル。
刺身にしたり焼いたり煮たりで変にいじくってないのが良さですな。
家庭的と言えばそれまでだけど…
「地元で獲れた旬の魚の季節感」がこの店の大事なコンセプトなんでしょう。

もう何回か来ているので店の奥さんも我々の顔を覚えているようだ。
夜8時で看板になる店で、最後まで話し込んでしまった。
今週は風が強くて漁に出られる日が少なく、今朝やっと漁に出られたとの事。
魚が揃わなければメニューにも苦労してしまうので、運が良かったですねと笑っていた。

最近は、三浦半島界隈でも漁業に携わる人が減ったのと、魚資源自体が減少しているのが気がかりだそうだ。
「夫婦二人ですし、続けられてもあと10年くらいですかね~」なんて話もしていたが、
最後まで腹いっぱい、力の限り魚を食わせて下さいな。

ガッツリ魚が食いたい気分、そんな気分を満たすにはここに限る。
三浦半島は横須賀長井の「あらさき亭」。

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