(画像:五能線@ウェスパ椿山~艫作間)
旅に出た時の恒例行事、早朝散歩でのひとコマです(笑)。
五能線を撮るんだったら、こう日本海を入れてバーっとやりたいもんですが…
どうもウェスパ椿山駅周辺には、そう言うポイントはなし。
仕方がないので、「みちのく温泉旅館」の裏のストレートで。
ちなみに、この撮影地の左側に露天風呂がありました。
そう言えば、以前津軽の旅を誘われてお断りしてしまったんすよねえ。
確か泊まりがここだったような。
構図は後ろの風車と展望塔をアクセントにしてみました。
どちらもウェスパ椿山の施設で、スロープカーで登れるんですが…
フロントに聞いたら、「冬季は閉鎖中です」だって。
客が来ないからって閉鎖すんなよ!俺達のために開けろよ!って感じ(笑)。
んで、あっという間に最終日。
ショートな二泊三日の旅だからしょうがないんすけどね。
夜明けのコテージは、なんだか胸騒ぎのするような乱れ雲とともに始まります。
夜半の雨は止んだが、海からの風がとにかく強い…
椿山を見下ろす台地の上から海を。
吠える海風、逆巻く波頭。風の轟音が耳をつんざく。
ファインダーを覗いていると、風で立っていられなくなるくらいだ。
尋常ならざる強風の中でも、羽を広げる海鳥たち。
どうどう、ごうごう、どうどう、ごうごう…
悲鳴にも似た風と共に、沖から押し寄せる厚い雲。
ああ、これぞまさに、真冬の日本海。
演歌でやんす。
朝の時点ではどうなる事やら、と思った天気。
だが、朝食をレストランに食いに行っている間にいつの間にか穏やかに。
チェックアウトの頃には、すっかり普通のいい天気になってしまった。
晴れ女の念力、すさまじき(笑)。
フロントに鍵を返して、一晩の宿を辞す。
結局ここの人たち、昨日から自分たちのためだけに働いてくれたようなもんだw
レストランの若いボーイさんとか、自分達の夕食&朝食のためだけに出勤したんだろうなあ。
そう思うと、シーズンオフでも、誰かもうちっと泊まってやってくれと思わざるを得ない(笑)。
いいとこですよ。ウェスパ椿山。
10:35発の「リゾートしらかみ1号」にてウェスパ椿山を離れる。
「リゾしら」と言えば、JR東日本の代表的なジョイフルリゾートトレインですね。
前面の鋭いライトによる独特のシャープさが印象的です。
この列車は、五能線は「路線そのものの観光化」と言う新しい切り口をもたらしました。
車両は、キハ40を改造した「青池」「ブナ」「くまげら」の3編成。
今日は一番新しい「くまげら」が来ました。
2010年に新編成が投入され、おそらく一番古い「青池」編成は置き換えの予定だそうだ。
深浦駅にて。
1998年の全国高等学校野球選手権大会青森大会、東奥義塾122-0深浦。
衝撃のスコアを覚えている人も多いかもしれない、あの深浦高校の町です(笑)。
ここ深浦から北金ヶ沢付近までの間が、車窓のハイライト。
特に深浦の行合崎海岸から千畳敷辺りにかけてですね。
ただでさえ日本海に沿って走る五能線は、本当に波打ち際まで寄って走る。
海に近い路線は数あれど、ここまで接近して走る路線は他にないでしょうねえ。
鉄道版なぎさドライブウェイって感じだな(笑)。
進行方向左側は、砂かぶり席ならぬ波かぶり席。
「♪窓一杯に 日本海ィ~」
水森かおりの歌ってる事は本当です(笑)。
リゾしらのコックピット。
風光明媚な車窓と引き換えに、今でも風や波によってたびたび五能線は寸断される。
昭和48年には、高波によって崩された路盤に蒸気機関車が突っ込み、
機関車もろとも海中に転落すると言う悲惨な事故も発生している。
飛沫による車両の腐食も相当なものだろう。
過酷な風土の中で、か細いレールだけが伸びる。
ぽつんぽつんと漁村集落に駅がある。
海に向かって佇むだけの木造駅舎は、漁師の番屋のようだ。
それにしてもの、コバルトの海。
引いて行く波が、砂浜に波紋を付けて行く。
天気はすっかり回復し、冬の海に似つかわしくないほどの青い渚だ。
鰺ヶ沢から五能線は海を離れ、今度は津軽平野へ出て行く。
水森かおりに代わって、BGMは吉幾三がいいっすかね(笑)。
何となくリンゴの香りと三味線の音が聞こえてきそうだねえ。
と思ったら、本当に津軽三味線の演奏が始まった(笑)。
鰺ヶ沢から五所川原までの20分間、1号車の展望席で地元のおばちゃん二人組が熱演。
ま、上手いかどうかはこの際置いておくとして…w
車窓はほどなく津軽平野の田園風景に変わり、岩木山が見えて来る。
五所川原駅で下り列車と交換。
こっから、津軽鉄道でストーブ列車…と言う選択肢もあったんだけど、
この「リゾしら1号」とは接続が悪いので割愛。
それと、乗り鉄三昧なのもバランスが悪いと思ってw
板柳付近からは、右手にいよいよ岩木山が広大な雪原の向こうにそびえ立つ。
左手のリンゴ畑の向こうは八甲田だ。
少し霞んではいるが、それでも本当にいい天気に恵まれた。
川部駅で、弘前に向かって方向転換。
「リゾしら」は、直接青森には向かわず川部~弘前間を一往復する。
そのため、時刻表上だと青森行きの1号が何故か奥羽本線の下り(秋田方)に一瞬現れ、
弘前ですぐに消えてしまうと言う珍表記になったりするんですね。
弘前駅に到着し、ここで「リゾしら」の旅は終了。
青森二番目の都市弘前の玄関口である弘前駅、立派です。
なんか物凄い大都会に戻ってきた気分。
市内の100円循環バスに乗って、弘前公園に行ってみる。
津軽氏の築城した弘前城は、春は桜の名所として100万人以上の観光客が訪れる。
今は雪に覆われて静かな佇まいだ。
園内の桜の数たるや凄いもので、満開を想像すればそれは見事なものだろう事は容易に想像が付く。
枝ぶりの良いしだれ桜、あと2ヶ月半後を楽しみに…って感じかな。
実際ここは桜で人の来る場所なんで、城としての弘前城は…
う~ん、微妙としかw
もっと立派な天守閣でもあんのかと思ってたぞ。
ま、それでも城址から見る弘前の町と岩木山はすがすがしい景色だ。
下のかまくらは、夜には灯りが入ってライトアップされるそうで。
ちょっとそこまで見ている時間がないのは残念。
弘前駅近くのイトーヨーカドーで遅いお昼を済ませ、これから一気に帰りの旅路。
弘前駅の構内では、少ない雪に除雪車が暇そうに寝ていました。
雪国の守り神であった赤ザリガニももうすぐ絶滅の危機らしいので、記録がてらパチリ。
485-3000の弘前16:05発つがる28号八戸行き。
夕暮れの迫った津軽平野を後に、一気に八戸まで参ります。
八戸からは、18:00発はやて28号で一気に東京まで。
行きにあれだけ時間をかけたと言うのに、帰りは弘前から東京まで5時間!
八戸から二戸・盛岡・仙台・大宮・上野・東京しか止まらないんだよね。
あっという間に仙台。福島郡山をトントンと通過し、何となく居眠りしてたら大宮だよ。
いつもの雑踏に戻って来てしまった。
新幹線と言うのは、心の準備体操の時間が少ないw
帰りもあけぼのだったら、じわじわと心が日常に戻る余韻があったんだろうけど。
まあでも、式の準備やら引っ越しやらで自分たちの時間がなかったからねえ。
簡易二泊三日でも色々と楽しめたし、寝台特急にも乗れたし。
プチ新婚旅行とも言えるみちのく二人旅に、嫁さんも満足している様子。
それが企画者としては何よりなんですけどね。
くまげら編成のキーホルダーやら、あけぼのポーチやら、ガラスの皿やら、
結構気に入ってるようだしね。
やっぱどっかに旅に出るってのはいいものですよ。
気張らずに、出来るだけ続けて行きたいものだ、と思いを新たにしているところ。
おわり。
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