青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

榎町、大きなヒバの木の下で。

2021年03月19日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(大榎・・・でなくヒバの駅@榎町駅)

立山線の里線を、寺田に向かって降りて行く。榎町駅。撮影するのは初めて。駅舎を見下ろすように立つ大きなヒバ?の木が目印。印象としては、お隣の下段駅と似ていて、線路と並行した僅かなスペースに駅前広場と自転車置き場がある。近所に小学校があるようで、子供たちが3、4人駆けっこで現れては、待合室に消えて行った。

子供たちのはしゃぐ待合室。さすがに声をかけてカメラを・・・となる勇気は持てず、待合室からホームに上がる階段を眺める。僅かな距離がしっかりと木枠と窓ガラスに囲まれているあたりが、雪深い地域の駅なんだなあと言う感じ。以前は朝だけ駅員も配置されていた駅なのだそうで、それこそ近所の小学校に通う生徒の安全対策要員みたいな意味合いもあったのかもしれません。

行きに岩峅寺から寺田まで乗車した「立山あーとれいん」が戻って来た。今回の富山行、割とこの14767-68の編成に当たる事が多かったような気がする。かぼちゃ塗装だと、ジャンパ線の引き通し管が緑・緑・緑・黄色の順に塗られているのが何ともお洒落ですね。見慣れてくれば、これはこれで地鉄らしいカラーリングと言えなくもない。昔はこの黄色と緑の色の間に、サンドされたイチゴジャムのような薄い紅のラインがスーッと入っていたそうだ。いつの間にかなくなってしまったんだそうだけど。

ホームから聞こえる子供達の声。大ヒバの駅に到着した列車が、そんな笑い声を吸い込んで発車して行きます。踏切の鐘の音、踏切の脇の和菓子屋の甘い香り、早春の千切れ雲からこぼれる明るい陽射し。何のことはない事が愛おしいような、榎町の週末です。


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