青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

月崎夢想

2015年12月16日 23時00分10秒 | 小湊鐡道

(里山の夕暮れ@月崎駅)

晩秋からの小湊鉄道と言えば、このイルミネーション。足早に里山の向こうに太陽が姿を消すと、静かに電飾が灯されて、普段であれば夜ともなればひっそりとした月崎の駅がにわかに華やかになります。このライトアップ、やっているのは知っていましたがこの時期に撮りに来たのは初めてですね。

 

もうこの時間になって来ると、駅から列車に乗る人はまれな時間ですし、日が落ちた山里の月崎は冷え込んで来ます。駅前の県道を通るドライブ帰りの観光客がぽつりぽつりとやって来ては、写真を撮って去って行く。辺りが暗くなり駅名票に点る明かりを囲むように輝くイルミネーション、雰囲気があるねえ。



立ち位置を養老渓谷方の四種踏切に移し、17時台の五井行きを待ちます。寒い。暗闇に包まれた森の向こうからヘッドライトの灯が差して、とっぷりと暮れた月崎駅に列車が滑り込む。ちょっと悪戯してレンズに息を吹きかけて曇らせて撮ってみましたが、おとぎ話の中の夜汽車のような、メルヘンチックな雰囲気が出せたでしょうか。


レンズを乾いた布で拭き直して、養老渓谷行きはオーソドックスに撮ってみましたが…なんかヘッドライトが露出オーバーだし、ちょっとイマイチね。ってかずーっと暗がりで立って待ってるのは寒くてかなわん(笑)。思わず駅前のヤマザキショップでホットの甘酒を買ってしまいました。


先ほどの渓谷行きの返しである46列車。さっきの下りで月崎にイルミネーションを見に来たと思しきカップルが列車を待っていました。見た目普通の大学生カップルっぽかったけど、こんな時間にデートで小湊鉄道を選ぶとはどちらかが相当お好きなのでしょう(笑)。


お好きなカップルを乗せた46列車は、律儀に長々と車掌さんが笛を吹くとおもむろにドアを閉め、光のタワーの中を帯となって月崎から消えて行きました。東の空には赤々と低い位置から満月が登り、幻想的な月崎の夜。そろそろこちらも三脚を畳むとしましょうか。


車を市原鶴舞インターへ走らせる途中、もう一度最後に上総久保の駅を眺めに行く。昼間に工事が進んだのか、ユンボの数が増えていました。この調子だと、ひょっとしたら来年は工事が終わってガラッと印象が変わっているかもしれないねえ。最後のカットは大銀杏に降る星空を見ながら、変わって行く久保の景色を写し込んでの帰り道となりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする