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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

教員免許:『3年試用』の労働法的課題

2006-12-04 | マネジメント
「教育再生/教育改革」が現在の政治における主要テーマだそうですが、この一連の動きの中で議論されているのが『教員免許更新制度』を初めとした教員の登用に関する問題。このテーマに関連し、教育再生会議が一つのプランを提示するということで、本日1つの報道がありました。

中教審答申より厳格化、教員免許5年更新・試用3年へ(06.12.04 Yahoo!ニュース- 読売新聞)


教員免許更新制度のあり方を検討している安倍首相直属の教育再生会議(野依良治座長)は4日、〈1〉免許の更新期間を5年間〈2〉正式任用前の「条件付き任用期間」(試用期間)を現在の1年間から3年間に延長――とする方向で最終調整に入った。

 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)が答申した「更新期間10年間で研修30時間」では、不適格教員を排除するには不十分だと判断した。今月8、9日に開く分科会の合宿審議で詳細を詰める。来年1月の第1次報告に盛り込み、通常国会に関連法案を提出する方針だ。

 中教審答申よりも更新期間を短縮し、「試用期間」を延長するのは、教員免許制度の運用をより厳格化し、首相が唱える「教育現場からダメ教師を排除し、教育の質を高める」ことにつなげる狙いがある。

教員免許の更新制導入可否自体は議論のあるところだと思いますのが、この報道で指摘されている「試用期間(条件付き任用期間)の延長」については「?」を感じざるを得ませんでした。というのも、この点については、「労働法側面でのコンプライアンスの観点」をすっ飛ばしてしまっていると感じざるを得ないからです。

一般の民間企業における試用期間とは「解約権付きの労働契約の成立」との解釈が一般的に認知されています。すなわち、試用期間とは「労働契約そのものは成立しているが、通常より広範な解約権が使用者(雇用する側)に認められている期間」を意味していると考えられ、一般には従業員(雇用される側)に不利な状況であると解釈されます。

したがって、一般に弱い立場といえる労働者を保護する観点から、過度に長い試用期間を設定することは「使用者側の権利濫用であり無効」とする判例法理がほぼ確立しています。このことは、独立行政法人労働政策研修・研究機構ホームページにおける個別労働関係紛争判例集にも次のように言及されています。
(3)長期の試用期間
 試用期間の「期間」が問題となる場合もある。
 この問題に関し、ブラザー工業事件(名古屋地判昭59.3.23 労判439‐64) がある。この事件において裁判所は、試用期間中の労働者が不安定な地位に置かれるものであるから、合理的範囲を越えた長期の試用期間の定めは公序良俗に反し、その限りにおいて無効であるとし、見習社員期間(6 ヵ月から1 年3 ヵ月) 終了後の試用社員としての試用期間(6 ヵ月から1 年)は、合理的範囲を越えていると判断した。
 また、安田火災海上保険事件(福岡地小倉支判平4.1.14 労判604‐17)では、研修期間を2 年とし6 次の研修期間を設け、各期間の終了毎に適格者のみを次の段階の研修生として再採用する制度が採られていたことが問題とされた。 裁判所は、本件雇用契約は、このような研修期間に関し、各研修期間終了時において使用者が解約権を行使することができる2 年間を通した1 個の連続した雇用契約であると述べ、雇用契約が各研修期間満了により終了するためには、再採用の拒否が許される場合でなくてはならず、客観的に合理性があり、社会通念上相当として是認される場合でなければならないとし、本件の場合、一連の勤務態度不良は就業規則違反に該当するとして、使用者の解約権行使には客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認めることができると判断した。
労働政策研修・研究機構-個別労働関係紛争判例集-1雇用の開始-(8)試用期間 より一部引用)


今回の報道は「教育再生会議における最終調整の方向性」ということで、まだ確定した話と言うわけでは有りません。しかし、今回の報道からは議論が何処かで「片手落ち」となっている印象をどうしても受けています。たとえ労働基準法が直接適用されないといえども「雇用する側のコンプライアンス上の責任」という点を真剣に考えているのか、どうしても私にはこの点に疑問符が残ってしまいます。

マネジメントとは「大事に・大切に」することであり、規則やルールで締め付けることは決してありません。「教育再生」を掲げているのであれば、どのような形で教育というサービスの担い手である教員を「大事に・大切」にしていくのかを示すことが先であるのではないかと私は考えます。

今日の夕食:家にある材料で・・・・

2006-12-04 | 料理力
今日は帰りが遅くなったため、スーパーへの買い物に間に合わず。昼が比較的「重いメニュー(カレーうどん&ミニまぐろ丼)」だったので、ついでにヘルシーメニューにしてみました。

今日の献立はこちら。
●野菜たっぷりオムレツ[卵、にんじん、玉ねぎ]
●温野菜サラダ[キャベツ、にんじん]
●根菜のきんぴら風貝柱入り[いつもの常備菜]
●お漬物[市販品]
●ごはん[冷凍ごはん]

卵・にんじん・玉ねぎ・キャベツとあったので「野菜たっぷり卵スープ」という選択肢もあったのですが、こうした時の「もう一品」が思いつかなかったので、今日のような献立にしてみました。

今日の「手抜き系メニュー」は野菜たっぷりオムレツ。にんじんと玉ねぎをあらかじめ軽くいためておいてから、オムレツに包んでやれば失敗はありません。もし、オムレツがめんどくさければ「にんじんと玉ねぎをいためてから、薄焼き卵で包んでしまう」という作り方でもOKです。卵は砂糖入りのやや甘めの味付けにした方がケチャップの風味によく合うと思います。

明日・明後日は新連携フォーラム業務の関係で2日連続で外食予定です。「今日の夕食」ファンの皆様は、木曜日の更新をお楽しみに。(って、そんなにいないですよね(^^;;)