コンサルタントのネタモト帳+(プラス)

ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

タミフル問題:「高熱」の怖さ、もう一度認識を!

2007-02-28 | ケンカイ
インフルエンザにかかってタミフルを服用した子どもの異常行動による事故が相次いで報道されていますが、全てを「タミフル」のせいにする前に、ちょっとだけ気に留めていただきたいことがあります。

それは、タミフル服用の如何にかかわらず、高熱が出てしまえば「幻覚・幻聴」や「異常行動」とは隣り合わせになるということです。

<タミフル>転落死との因果は未解明 では、どう付き合えば


(前略)
厚生労働省によると、タミフル服用後の異常行動死が最初に確認されたのは04年。インフルエンザ治療中の17歳の男性が服用後に自宅を飛び出し、トラックにひかれた。同省によると服用後に死亡したのは昨年10月までに54人。うち3人が転落など異常行動死で、残りは肺炎や肝機能障害などだった。16歳以下に限ると死亡は16人、異常行動死は2人だった。
 中外製薬は05年末、医療機関を通して、患者やその家族らに注意を呼びかける文書を配布した。それによると、まれに意識がぼんやりしたり、とっぴな行動を取るなど精神神経系への症状が出る。
 しかし、インフルエンザ患者が異常な言動を見せる例はタミフル発売前から知られており、転落死などの異常行動がインフルエンザによるのか、タミフルによるのかは解明されていない。

 ◇夏には結論…厚労省研究班

 厚労省安全対策課は「専門家の見解からみて、タミフルと異常行動の因果関係は否定的だと判断している」と話す。ただ、愛知県蒲郡市と仙台市で相次いだ転落死については情報不足を理由に判断を保留中で、輸入販売元の中外製薬に服用状況などの報告を求めている。この2例を加味した場合に「判断がどう変わるかは分からない」という。
 同省研究班(班長・横田俊平横浜市大教授=小児科)は06年10月、「タミフルと異常言動との関連は確認できなかったが、さらに調査が必要だ」との報告書をまとめた。
 研究班は05~06年に、主に小学生以下のインフルエンザ患者2800人余りを対象に、タミフル服用とおびえ、幻覚、理由なく怒るなど「異常言動」との関連を調べた。
 患者の9割がタミフルを服用しており、タミフルを飲んだ後に異常言動が出た率は11.9%。飲む前や全く飲まずに出た率の10.6%より高かったが、統計的には差がない範囲だとされた。
 しかし、異常言動が服用後に起きたか、服用前かが不明な例がかなりあった▽10代のデータが足りなかった――など調査手法に課題が残った。
 このため、研究班は今冬、インフルエンザ患者約1万人を対象に、新たな調査を始めた。年齢幅を0~18歳まで広げ、異常言動と服用との前後関係を確認できるように調査法を工夫した。3月末で調査を終え、夏には結論を出す見通しだ。
(後略)

このによれば、タミフルの副作用についてはもう一度大規模な疫学調査が行われているとのことです。しかしながら、「タミフルを服用していない場合にも10人に1人は異常言動が起こる」というのは前回のデータからも明らかにされています。「高熱が出たら、幻覚・幻聴・異常行動をとる場合がある」ということはもっと真剣に向き合っていかなければならない問題であると感じます。

私自身、喉に持っている“爆弾”のために今でも「風邪を引けば即40度コース」です。ここ1年半ほどはなんとか持っていますが、それまでは年に2回は「40度」を体験していました。大人になった今でも、40度を超えればとにかく「もうろう」としますし、およそ「正常な思考」を保つことは難しいです。幻聴・幻覚とまでは言いませんが、たちの悪い夢を見たり、ひどい耳鳴りがすることもままあります。43度を超えれば機能が失われる人間にとって、高熱と言うのは想像以上に体と脳に負担をかけているということを、もう一度よく考えていかなければならないと私は感じます。

タミフルが「異常行動」を強めているかどうかについては、今後の調査で明らかにされることでしょう。しかし、タミフルの副作用如何にかかわらず、高熱を出せば「異常行動」は起こりえると考えて、最善を尽くしていくことが親の責務であると思います。

その点では、報道に触れる限り、仙台の事例などは「ほんのちょっと目を離した隙に」起こってしまったとのことで、本当に悲しい出来事だったのだと感じます。

だからこそ、もう二度と同じことが繰り返されないよう、ぜひお子さんが高熱を出された時は、出来る限り一緒に付き添って頂きたいと思います。一人の「子ども部屋」で休ませるのでは無く、例えば居間やリビングに近い部屋でに布団を引いて寝かせるなどの対応も考える必要があるでしょう。また、玄関のドアはすぐ開けられないようにチェーンロックをかけておくことも「事故」を防ぐ一つの方法になると考えます。とにかく、高熱を出した子どもからは、目を離さずにしていただきたいと切に願います。

今日の夕食:早春を食してみました

2007-02-28 | 料理力
今日は久しぶりに通常モードでの帰宅。強い風で花粉が飛びまくっていたせいか、やたらに目がかゆくて仕方がありませんでした(-_-;; 風邪気味なのか、花粉症の症状なのかは分かりませんが、これだけひどく目がかゆくなったのは数年ぶりのことで、ちょっと憂鬱な一日でした。

ということで(?)、今日のご飯は「早春」をテーマに。早春らしい食材を使った今日の献立はこちらです。
070228夕食
●なすの甘辛いため[なす、ゴマ、鷹の爪、調味料]
●ごぼうと絹さやのきんぴら風[ごぼう、絹さや、ゴマ、ダシの素、調味料]
●ミディーアスパラの芥子和え[ミディーアスパラ、和辛子、めんつゆ]
●絹さやのおつゆ[絹さや、昆布だしの素、調味料]
●らっきょう[市販品]
●白ご飯[冷凍ごはん]

「なすの甘辛いため」と「ごぼうと絹さやのきんぴら風」はすっかりかぶってしまっていますね(^^;; ただ、「なす」の方は砂糖と醤油を中心の濃い味に、「ごぼうと絹さや」はみりんとダシを聞かせた薄味にと、味付けで調整しています。きんぴら風ということで、いつものように常備菜モードとしていますが、味付けが薄い分普段より早めに頂かなければ・・・と感じています。

ちなみに、早春の食材として選んだのは「絹さや」。春の足音とともに旬を迎える絹さやは、まさに「春の息吹」たっぷりの食材です。スープやおひたしで頂くことが多いと思いますが、炒め物や揚げ物など結構幅広く使えたりします。 例えば刻んでチャーハンの具にあわせれば、あっというまに「春チャーハン」になったりします。

比較的少量で購入できるのも一人暮らしにはうれしいところ。下ごしらえとしては「すじとりとして、レンジで1分程度チン」といった感じでしょうか? これからの季節に幅広く使っていきたい食材です。

DVD:ミスター味っ子にみる飲食店経営

2007-02-27 | おすすめ
昨日も今日も外ご飯でしたので、「今日の夕食」はおやすみです。今日は早めに休んで体力の回復に努めたいと思います。

さて、今日はDVDの話しから一つ。ちょっと前に地元のレンタルDVD店に立ち寄ったところ、昔懐かしいアニメミスター味っ子のアニメ版DVDが入荷されていたのを発見。ひそかに人気があるらしく争奪戦となっていましたが、なんとか全18巻のうち17巻までを見終わりました。(見ていないのが第1巻だったりしますが・・・・・)

ミスター味っ子は、私にとっては子どもの頃毎週楽しみに見ていた作品であり、「料理好き」に火をつけた大変思い出深い作品です。世間的には料理を食べた後などの派手なリアクションばかりが有名ですが、今になって改めて見直してみると、昔は感じなかった様々な気づきがありました。

その中でも、特に感じたのが「飲食店経営という視点で見たミスター味っ子」の素晴らしさです。ミスター味っ子の放映は1987年~1989年という昭和最終期であり、またバブル絶頂期という時代。そんな中で、ミスター味っ子では「創意と工夫の大切さ」や「出来るだけのことをあきらめずにとことん突き詰める」、そして「食べてもらう相手のことを大切に思う気持ち」といった主題を作品全編を通して語られています。今でこそ「マネジメント」やら「顧客満足」やらといった言葉の中でごく当たり前に語られていることかもしれませんが、当時の経営的感覚からすれば実は非常にすごいことではないのかと感じました。

リアクションの派手さと比較すれば非常に地道な部分では有りますが、実は「飲食店経営」という視点からは、今もなお陳腐化しないほどの「王道」を貫き通しているのが「ミスター味っ子」であったのではないかと私は思います。。

それにしても、アニメ版のクライマックスがここまで「重い」ものであったことは・・・・。味皇様の記憶は取り戻しても、その間に失われた「時間」と「絆」は戻っていないんですよね・・・・。最終巻のDVDを見ながら、思わず何度も涙を流してしまいました。

もしこれから飲食店を始めたいと思っている方は、出来れば全編を通して、時間が足りなければメモリアルボックス3の部分だけでもご覧頂ければと思います。今だからこそ改めておススメしたい作品の一つです。


ミスター味っ子 DVDメモリアルボックス3(バンダイビジュアル)

今日の夕食:和・洋・中+αをとりまぜて・・・

2007-02-25 | 料理力
今日も休みの日ながら事務所での仕事。仕込み作業を行いつつも、ファイルの背表紙が気になって新バージョンに差し替えてみたりしていました。若干逃避行動気味ですね(^^;; ところで、なにやら今月は3日ほど足りない気がするのは私だけでしょうか?

そんなことはさておき、今日は久しぶりに寒い一日でしたので、スープ系の温まりメニューを中心とした組立てに。ということで、今日の献立はこちら。
070225夕食
●野菜コンソメスープ[キャベツ、にんじん、コンソメ]
●白ゴマ入りチャーハン[卵、冷凍ご飯、白ネギ、白ゴマ]
●切干大根の含め煮もどき[切干大根,鰹だしのもと]
●もやしナムルもどき[常備菜]
●らっきょう[市販品]

本当はコンソメスープではなく「鶏がらスープのもと」を使った中華スープにする予定だったのですが、ぼけーっとしていて間違えてしまいました(^^;; そのs結果、切干大根が和、コンソメスープは洋、チャーハンが中、と和洋中とりまぜメニューに。さらに、ナムルもどきは「韓」ですね(^^;;

「切干大根の含め煮」は戻して水気を切った後、フライパン(小)で軽くいため、濃い目の鰹だしと砂糖・みりん・醤油で炒り煮してみました。きんぴら風ほど日持ちはしないでしょうが、「手抜きの一品」として、これからいろいろとアレンジを試してみようと思います。

今日の夕食:桜の季節には早いですが・・・

2007-02-23 | 料理力
今日は名古屋での仕事の後、事務所に戻ってもう一仕事。仕事の都合で遅くまでかかることが分かっていましたので、相方に頼んで弁当をとってもらうことにしました。ということで、今日の献立はこちら。
070223夕食
●花見弁当[買い求め品]

桜の季節には早いのですが、ちょうど良い機会なので、先日地元の精進料理系お蕎麦屋さんで目をつけていた花見弁当を買ってみました。刺身の代わりの「刺身こんにゃく&湯葉」やら「桜豆腐」などなど、ヘルシーなメニュー満載の一品です。

特にお気に入りなのが「うなぎもどき&やきとりもどき」の2品。大豆や生麩で出来たこれらの『見立て料理』ですが、本当にうなぎの蒲焼や焼き鳥の食感まで再現しているので驚きです。他の料理もどれもおいしく、夜のもう一仕事の前にちょうど良い“癒し”を感じることができました。

普段の料理と違って「品数が多い」お弁当は、やっぱり楽しいですね(^-^)

労働実務:「退職勧奨」ができる就業規則になっていますか?

2007-02-22 | 経営実務
先日ご紹介した退職勧奨に関わる話題の続き。お客様からも継続してご相談を受けておりますが、色々と調べて中で、一つ「日常の労務管理」の一環として、非常に大切なことがあることが分かりました。

その問題とは、「就業規則上の退職勧奨への対応」と言うもの。従業員にとって非常に影響が大きい「退職」に関する事項については、労働基準法において「就業規則上の定めが必要」とされます。この退職に関する事項に就いて、一般的な「モデル就業規則」の場合には、次のような定めが置かれています。
第●乗(退職)
当社では、従業員が次の各号のいずれかに該当するに至った場合には、退職とする。
(1)第●条に定める定年に達した時
(2)死亡した時
(3)第●条に定める休職期間が満了し、なお休職事由が消滅しない時
(4)当社に対して退職を申し入れ、当社がこれを承認した時
(5)辞職届を提出し、その後14日が経過した時。
(6)第●条に定める解雇に該当する時

例えばこの例で言えば、(1)から(3)については「自動退職(≒事前合意に基づく合意退職)」、(4)は「従業員からの申込みによる合意退職」、(5)は「従業員の一方的意思表示による離職」、(6)は「会社からの一方的意思表示による離職」の事由をそれぞれ定めたものになります。表現の際はありますが、モデル就業規則として一般に公表されているものについては、このような内容となっているケースが多々見られます。

しかし、先の説明をよく読んでいただければ分かっていただけますが、この中には「勧奨退職」すなわち「会社側からの申込みによる合意退職」に関しての言及がありません。このまま放置した場合には、いざ「勧奨退職」を行おうとしても、「従業員から退職を申し込ませる=従業員から退職願を出させる」という形を取らざるを得なくなります。

もちろん従業員が納得してもらえればそれに越したことは無いのですが、特に業績不振に伴って「退職勧奨」を行う場合には、本来的には「会社が退職をお願いする」立場にあるにもかかわらず、従業員に「退職を願わせる書類」を出させなければならないという矛盾した手続きになってしまい、不要な部分に気を使わせることに繋がってしまいます。このような事態を避けるためにも、就業規則の退職に関する定めの部分では、最低でも「会社が従業員に対して退職を勧奨し、従業員がこれに合意した場合」という項目を入れ、出来れば「従業員に退職を勧奨できる場合」についても整理をしておくことが望ましいと考えられます。(なお、具体的な定めの内容については会社の状況によって異なります。予めご了承ください。)

これらの手当ては「平時」においてこそ出来るものです。普段から備えを怠り無く進めておき、いざと言う時に使えるようメンテナンスを心がけることが必要であると私は考えます。

今日の夕食:似たような料理ですが・・・・

2007-02-22 | 料理力
一昨日は士業の集まりでの勉強会で、昨日は食事を作るのがめんどくさくなってやめ~~としてしまいましたので、2日空けての自宅ご飯となりました。帰りにスーパーに寄れば「新じゃが」が出ていましたので、早速メニューに取り入れ。ということで今日の献立はこちらです。

070222夕食
●新じゃがと野菜のチーズ焼き[新じゃが、キャベツ、玉ねぎ、ツナ缶、チーズ、トマトケチャップ]
●もやしナムルもどき[常備菜]
●らっきょう[市販品]
●白ご飯[冷凍ごはん]

チーズが余っていたので結局チーズ焼きにしてしまいましたが、なんだかちょっと前と似たようなメニューとなってしまいました(^^;; とはいえ、先日は「肉」だったのが今回は「じゃがいも」ということで、風味や火の通し加減は全く変わってきます。特にじゃがいもには火が入りにくいので、しっかりと通さなければいけません。

・・・・・ということを計算に入れずに先日と同じように適当に作っていたら、一口目が見事に「生っぽい」ジャガイモのままでしたorz。仕方が無いのでどうしようかと考えた結果、レンジでさらに5分ほどチンして、無理やり火を通すことができました。しかしながらトマトの風味は飛んでしまい、全体的にも味のまとまりがなくなってしまいました(-_-;; たまにはこんな失敗もありますね(-_-;;

ということで、「考えることを手抜きすると、失敗の素」という見事な教訓が一つ生まれた今日の夕食でした。

労働と報酬:プログラマーが出来高払いにできない別の理由

2007-02-20 | マネジメント
pal氏のFIFTH EDITION弾氏の404 Blog Not Foundの各エントリについて、さらに尻馬に乗ってみます。

ますはpal氏の主張から。エントリ中では、プログラマーの労働と対価の関係について以下のような問題提起を行っています。
一方で、プログラマーのような職種は、そういった賃労働には向いていないように見える。

理由は、最初に述べたとおり、プログラマーという職種は、家内制手工業、つまり、生産者が、生産に必要な資本を直接所有している工業システムに近いからだ。

なぜなら、プログラマーは、プログラムを作る工場を自分の中に持っているようなモンだからだ。

そして、その工場の生産性は、そのプログラマーの優秀さに比例している。

こういう場所では、出来高給賃金のほうが、やはり合っているのではないかと思う。

これに対して、弾氏からは「プログラマーが出来高払いにできない」理由として、以下のように指摘しています。
結論から言うと、「まだ職業として確立された期間が短いから」ということになる。

プログラマーという職種は、まだ成立しうるようになってからまだ60年ちょっとしか経っていないし、プロ^2グラマーともなるとその半分かもしれない。これに対して、芸人にはすでに数千年の歴史があるし、漫画家だって少なく見積もっても江戸時代からある(i.e. 葛飾北斎)。だから「漫画家の人生ってこんな感じ」というイメージも、漫画家も「非」漫画家もすでに持っている。

プログラマーは、まだそこまで行っていない。プログラマーさえ、そのイメージをまだ確立していない。今の自分、せいぜい5年後程度の自分となるとある程度おぼろげな絵も描けるが、10年後となると霧の中だ。黎明期のプログラマーの中には、すでに天寿を全うして鬼籍に入った人もいるけれども(i.e. グレース・ホッパー)、こういった人たちは「巨匠」すぎて、アイドルにはなれてもロールモデルにはなりがたい。


このやり取りの視点で興味深いのは「プログラマーをどの職種と比較し、例えているか?」ということ。pal氏は「工場などでの生産要員」との比較として捕らえていますし、弾氏は「漫画家・芸術家」といった職業との類似性から議論を進めています。

しかしながら、以前に「渡り職人的プログラマ・SE」としてどっぷりと比較していた私としては、これらの比較の対象として選定されているものはしっくりとこない部分を否めません。

pal氏が比較対象としている「生産要員」に求められる成果とは、「指定した同種同一のものを多数製造する」ことです。一定の規格に従って一定の品質のものであれば、それは全て「1個」という形でカウントされて、成果を測定できます。だからこそ今でも内職などの分野では「出来高」での報酬払いが可能となるわけですし、「単位時間当たりの生産量」といった形で生産性の測定が可能となります。

しかし、プログラミングという仕事は「要求(指示)を満たす一点ものの機械装置(またはその部品)を生産する」という作業です。そこで生産されるものがそれぞれが独立した「1点」であり、その中身は1点ごとに異なります。つまり生産されるものは「一つずつ違うもの」ですので、個数のような足し算によるカウントが難しいという性格を持ちます。この点において、「プログラマ」と「工場での生産要員」をそのまま比較するのはやや難があると感じます。

一方、「漫画家・芸術家」という仕事については、プログラマ同様「一点もの」を生産(製作)するのが主な仕事といえます。しかしながら、漫画家や芸術家は、「製作物の内容そのもの」がおおむね自らの思想発想に基づくものであり、品質レベルについても、自らのコントロール下に置かれます(もちろん出版社や読者の影響はのこりますが)。
一方、プログラマの製作物としてのプログラムには、工業的な品質要求、すなわち「要求仕様を満たすこと」という厳然とした基準が存在します。これは、漫画家や芸術家の製作物の発想とは相容れないものであり、この点において「期待成果」が大きく異なる要因となっていると私は考えます。

では、プログラマの仕事に類するものは何かといえば、私の過去の経験から言えば「建造物の築造を行う人」であったり「工場内において機械設備装置のラインを構築する人」がもっとも近いのではないかと思います。こういったものは、大小の規模の差はあっても「一つの案件」としての個別対応が求められます。それぞれの作業において「経験や知恵に基づく仕事の精度や早さ」といったものは求められつつも、これらは「(自らのコントロール外にある)現場ごとに異なる要求仕様」を満たすようすることが大前提となります。

このような仕事の場合、期待される成果とは「指示された仕事(≒作業)を完了させることそのもの」になります。同一の仕事を反復的に行う場合であれば「仕事量」の測定もできるかもしれませんが、現実には一つずつの作業内容は異なります。仮に「一つずつ異なる作業」に応じて単価設定を細かくできればよいかもしれませんが、大規模な案件になればなるほどその複雑さは計り知れないものとなり、現実的ではありません。したがって、これらの作業を細かくは峻別せず、包括的に「労働力」として調達する工夫が必要とされてくるのです。

歴史を紐解くと、太古の時代からこのような考え方はあったと考えられます。大昔のピラミッドなどでは「現場作業」にあたっている人に対しては、同じような作業(たとえば石引きなど)に当たっていた人に対しては、同じような「報酬(食料とビール)」が分け与えられています。おそらく仕事の進め方や成果についてはその日ごと・その人ごとにバラつきは生じていたでしょうが、「一定の時間一定の作業に従事する」ということに対して、「一定の報酬」を与えられていたと考えられます。つまり、「多人数で共同して行う作業に従事する人々」とは、それが経験や知識・能力に多少の差があったとして、「一定の労働に対して一定の報酬を支払う」というのが古来から続けられてきた考え方ではないかと思われます。

つまり、(雇用されている)プログラマーが出来高払いにできないのは「仕事の内容として似つかわしくない」という点が大きいのではないかというのが私の意見です。もちろん、先のエントリでも再三指摘しているとおり、プログラマの中にも様々な「期待成果」があるでしょうし、また、建設をはじめとした他の「請負系業種」と同じように様々な「働き方」があるとは思います。しかしながら、システムが大規模になればなるほど「分業化」が必要となり、実際の“生産活動”を担う「作業者」が必ず求められます。プログラマーの本質的な役割はこの「作業者」であり、あとは「作業の完成を約束する」という請負としての働き方を選ぶのか、それとも「作業の時間を提供する(≒作業の完成は依頼者の指示次第)」という労働的な働き方を選ぶのかという、他の業種でもごく普通に見られる問題に帰結するということになると私は考えます。

あえて弾氏のたとえを借りるとすれば、「漫画家」であるプロ^プログラマーは確かに存在するものの、多くのプログラマーは「漫画家についているアシスタント」と同じポジションにあると私は感じます。しかし、アシスタント的プログラマーもまたプロ^プログラマーであると思います、特に大規模プロジェクトが多いシステム開発の世界にとっては、「優秀なアシスタント」をいかに確保するかが実は大事な点であると私は感じます。

プログラマーの労働時間・労働環境の課題については、まず「プログラマーが個人の創造力に基づく特別な仕事である」という幻想から離れ、建設業界をはじめとした様々な業種の仕事の進め方を参考にしながら「生産者としての労働時間の適切な管理」を進めることからはじめる必要があると私は考えます。

今日の夕食:おニューのお皿登場!

2007-02-19 | 料理力
今週は出ずっぱりの毎日。週末は事務所での集中作業の予定もあり、“充実した”1週間となりそうです。

そんな1週間分のエネルギー確保のために、今日はスタミナ&ビタミン補給メニューに。ということで、今日の献立はこちら。
070219夕食
●うなぎオムレツ“味っ子”もどき[うなぎ、卵、にんじん、インゲン、出汁、うなぎのタレ]
●セロリとインゲンのきんぴら風[セロリ、インゲン、鷹の爪]
●らっきょう[市販品]
●にんじんとインゲンのおつゆ[にんじん、インゲン、出汁、醤油]
●白ご飯[冷凍ごはん]


うなぎオムレツはかの有名な料理マンガ&アニメミスター味っ子にも登場する一品。ふんわりとしたうなぎと、出汁を聞かせた和風オムレツの風味がベストマッチです(^-^) 味っ子に倣って、アクセントの具にはにんじんとインゲンの千切りを合わせ、ソースの代りに「うなぎのタレ」を使ってみました。ボリューム満点の一品です(^-^)

ちなみに、アニメ版味っ子はDVDボックスが絶賛発売中だったりします。私は近くのレンタルショップで借りて寝る前などにボチボチと見ていたりするのですが、今になってみると「創意と工夫」や「お客様を大切にするココロ」など、10年以上前のマンガ・アニメながらも、今の最新の経営にも通じる話がふんだんにあり、昔にはない感動と発見がありました。これから飲食店を始められる方などには、ぜひご覧頂きたい一品です。

閑話休題、今日の夕食からおニューのお皿を登場させてみました(^-^) 今日新登場させたのは、一皿でメイン+副菜2品が盛り付けられるセパレートタイプのお皿。洗い物が一つで済む手軽なアイテムなのですが、これまで店頭で見かけたものは「学食の取り皿」のようなものが多く、あまり気分が楽しくなるようなものではありませんでした。しかし、先日、渋めのスマートなデザインのお皿を見つけることが出来ましたので、早速購入。料理は好きだけれども、洗い物は嫌いな私としては、ようやく「手抜き」で「楽しい」お皿を手に入れることができました(^-^)

今回は1枚しか購入できませんでしたが、また違った色目や趣のものも捜して生きたいと思います(^-^)

労働実務:「解雇」の前に「退職勧奨」の検討を

2007-02-18 | 経営実務
今日は休日ながらもお客様からのご相談への対応を行っていました。相談テーマは「人員整理」について。業況が芳しくなく、やむを得ず退職頂かなければならない方に対する対応策について相談対応を行いました。

従業員と会社が雇用契約を終了する場合には、「申し入れ者」と「合意の有無」の組み合わせにより、次の4つのパターンが考えられます。
(1)辞職 ・・・ 従業員からの一方的な意思表示による雇用契約の終了
(2)一般的な退職 ・・・ 従業員からの退職願に対して、会社が承諾する雇用契約の終了。
(3)退職勧奨 ・・・ 会社が退職の申し入れを行い、従業員が承諾する雇用契約の終了。
(4)解雇 ・・・ 会社側の一方的な意思表示による雇用契約の終了

このうち、「解雇」は、労働基準法にある「解雇権濫用の法理」等に基づく要件などにより、非常に大きな制限がかけられています。また、解雇を従業員から見れば「他人だけが決めたことによって、生活への極めて重大な影響を被ることになる」ことから、普段以上に「事を荒立てもかまわない」という感情が生じやすくなります。つまり、「解雇」は、その位置づけから常に「モメゴトを引き起こす種(紛争リスク)」を孕んでいると言えます。

このリスクへの対応策としては、「出来る限り解雇を避ける」というリスク回避の選択が必要となります。その中で、私がおススメするのは「予防的処置」、すなわち「会社から申し入れた上で、合意によって退職していただく」退職勧奨の活用です。ということで、今回のご相談でもこの「退職勧奨」を軸とした対応をご提案いたしました。

ところで、この「退職勧奨」で注意しなければならないのが「会社側からの申し入れと、これに対する従業員側の応諾に基づく雇用契約の終了」をプロセスの上できちんとたどっていくということです。よく「退職勧奨」の中では「従業員に退職願を出させる」という対応が行われていますが、退職をお願いするのはあくまでも「会社側」であることに鑑みればあまり望ましい対応ではありません。その上、このような対応は、従業員に対して「何で会社から辞めろといわれているのに、こちらから願いを出さなければならないんだ」という気持ちを湧き上がらせる素となって、「まとまるものもまとまらなくなる」きっかけを与えかねません。

そこで退職勧奨でぜひ行っていただきたいのが、「退職に関する合意書」の締結です。会社からの申し入れに基づく退職であることに区分け、退職予定日や退職に当たっての諸条件などを文書としてまとめ、双方が納得の上締結いただくのが良いのではないかと私は考えます。

退職に当たっての条件として記載する内容としては、退職予定日までの勤務の取り扱いや、退職金に関する事項、退職にあたっての手続き処理や業務の引継ぎ、機密保持などが上げられます。この他、離職票に記載する離職理由についても減給しておくことが望ましいでしょう。

退職に関する合意書を作成する上で最も大切なことは「対等な立場で、一つずつ冷静に条件を確認し、合意を得る」ということ。たとえ合意に基づく勧奨退職だとしても、従業員にとって「会社を離れる」ということは大変な負担がかかることには変わりありません。だからこそ、「合意書」の作成と内容確認を通じで、従業員の不安を一つずつ丁寧に解消していき、「会社側からきちんと申し入れて、従業員がきちんと合意できる」ところまでもって行くことが必要なのです。会社所定の様式を準備することは良いことですが、様式の内容にとらわれることなく、従業員からの要望に可能な範囲でこたえていくことが大切だと私は考えます。

会社には、一度従業員を雇ってしまったら可能な限りその生活の糧を確保できる環境を維持する責任があります。それでも、会社側から見て「残念ながら辞めて頂きたい」と思う人がいるのであれば、その人に「辞めても良い」と感じてもらえるだけの努力をする方が、結果として会社も従業員も「次のステップ」に気持ちよく進んでもらえるのではないかと私は考えます。