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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

全面対決:軍配はどちらに?

2006-12-15 | イッポウ
ちょうど1年前に起こった「みずほ証券のジェイコム株誤発注」問題について、みずほ証券と東京証券取引所が民事裁判においてバトルを開始したそうです。

「基本的義務怠った」=みずほ証、東証の責任追及-誤発注訴訟で初弁論・東京地裁(Yahoo!ニュース-共同通信)


ジェイコム株の大量誤発注で巨額の損失を計上したみずほ証券が、東京証券取引所を相手に415億円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が15日、東京地裁(松井英隆裁判長)で開かれた。みずほ証側が「東証が取り消し注文を無視したことで多大な損害を被った。取引所としての基本的な義務を怠った」と主張したのに対し、東証は「取り消し義務はない」として全面的に争う姿勢を示した。次回は来年2月9日。


民事裁判までいっていますのでもちろん「全面対決」となるのが自然な流れなのでしょう。今回のケースの場合には、東証側の発注取消を受け付けるシステムにも不具合があったことをすでに認めていますので、今後の論点としては「取り消しを受ける(法律上の)義務があったかどうか」ということと、「取り消しができなかったことに責任があるとした場合に、損害の範囲がどうなるか?」といったところが注目されるところではないかと思います。ある面では複雑に絡み合うシステムの瑕疵についての損害負担に関するリーディングケースになりうると感じました。

さて、この裁判については朝日新聞(asahi.com)がかなり詳しく報道していますが、その中で特に興味深いのが「双方とも強力弁護団 株誤発注訴訟」という記事です。この記事では、双方の担当弁護士についての経歴や「戦歴」、また「人気度」などまで引用してかなり詳しく報道しております。こうした「誰がついているか?」という報道というのは今まではメジャーな切り口ではなかったと思います。

こうした「弁護団」に注目する動きは、裁判報道の一つの新しい見方としては「とりあえずはアリ」なのかなと感じます。とはいえ、あまりこの部分に的がいってしまうと「裁判報道のショーアップ化」が進んでしまって、本質的な部分が見えにくくなるといった懸念も感じますので、バランスをとって「注目を集めつつも、本質をきっちり抑える報道」に努めていただきたいな、と私は考えます。