コンサルタントのネタモト帳+(プラス)

ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

最短記録:「やればできる」のお手本

2006-11-15 | リーダーシップ
昨日のニュースから。

相馬市、開票時間25分 早大研協力「日本記録」を更新


12日に行われた福島県知事選の即日開票で、早大マニフェスト研究所(北川正恭所長)の協力を得て東北で初めて開票事務の見直しに取り組んだ相馬市は、25分で開票作業を終え、開票時間の「日本記録」とされる東京・府中市の記録33分を更新した。
 開票は午後8時50分に始まり、票の流れに沿って点検や計算などを同時に展開。複数の作業をこなす職員が開票所のフロアを走り回り、午後9時15分に約1万7000票の開票作業を終えた。
 作業に当たった職員は前回の知事選より10人少ない62人。開票時間は前回の1時間1分を大幅に短縮し、府中市が1992年に達成した記録も更新した。
 時間がかかる疑問票などの審査作業には、市が独自に招いた弁護士と司法書士が加わり、作業の信頼性を高めるとともに、迅速化を実現させた。
 マニフェスト研の中村健さんは「弁護士と司法書士の配置が利いた。現場リーダーの指示を受けて職員がよく動いており、行革のお手本だ」と評価した。
 東北初の取り組みは県外からも注目を集め、仙台市や奥州市などの職員が視察に訪れた。名取市選管の職員は「職員の動きがきびきびとしていた。できる部分は取り入れたい」と話した。
 立谷秀清市長は「今回の開票作業を通して、職員の行革意識が高まってくれればいい。作業は検証し、改善を少しずつ積み重ねていきたい」と語った。
 相馬市と同様に開票時間の短縮に取り組んだ伊達市も、当初予定の2時間30分から1時間10分に時間を縮めた。
(Yahoo!ニュース - 河北新報)


単位時間にしておよそ2分の1、コスト単位である「人数×時間」でいえば65%もの削減率というのは、このような「集団での事務作業」においては驚異的な改善率です。このような「業務改革」は、「過去の方法を一旦リセットした上で、作業を分解して、再組立てする」を一つずつ丁寧に行わなければ実現できません。早稲田の研究所の協力を仰いでいるとはいえ、大変な努力があったのではないかと推察します。

一般に「事務業務の改善・改革」の成果は目に見えにくいものです。しかし、こうした「時々あるイベント的な事務業務」であれば、所用時間も投入人数も把握しやすいため、「改革効果の見えるか」には絶好の機会となります。会社でいえば、まもなく始まる「年末調整」やその後に控えている「決算・確定申告」。また会社行事としての商談会や展示会といったイベントなどで、こうした「事務業務の改善」は可能です。「ゴールが決まっており、かつ、集中的に負荷のかかるイベント」は、ゼロリセットの考え方を導入するにはもってこいであり、貴重な「意識改革」の機会であると、今回の報道から改めて感じました。

備忘録:力の足りない人、力のある人、力の強い人

2006-11-14 | リーダーシップ
昨日の404 blog Not Foundのエントリで、目を引くものがありました。
しかし、手加減というのは真剣勝負よりさらに一段上の技術が必要だというのも「最強の駒落ち」を読んだ実感で、これもまた他の世界に通じることである。駒落ちの上手というのは、平手でよく知られた定石が使えない。それだけでも大変で、それがゆえに普通の人どおしが駒落ちで指すということがあまりないのだとも思うのだけど、しかし駒落ちにも定石はあり、それらを知ることで将棋の強弱をスケールできるというのは、プロにとっては当たり前なのかも知れないが、素人の私からは目から鱗があかすりのあかのようにおちまくりんぐなのであった。
(404 blog Not Found - 先崎に学ぶ将棋より)

これを読んでふと思い出したのが「力が足りない人は、相手の力量だけしか自分の力を出せないから、強い相手にもそこそこ対応できるが、弱い相手にも取りこぼす。本当に力のある人は、自分の力量をいつでも発揮できる」という話し。この話しは確か中学時代の部活の時に聞いたと記憶していますが、私は正に「力が足りない」状態で、強い相手にも(勝てないまでも)そこそこ立ち向かうけれども、変なところでころっと負けるという状態でした。今でもこの話しは人生の教訓として心に残っています。

そして、今回の話を読んで「本当に力の強い人は、相手に合わせて手加減ができる。」という一文を後ろに追加。将棋に限らず、勝負事から学ぶことは多いです。このことは、実は「リーダーシップを発揮する」時の一つのポイントを示唆しているのかもしれないなぁ、と感じました。

本を読む部下への一言

2005-10-04 | リーダーシップ
昨週までは研修やら出張やらでほとんど会社に不在でしたが、今日はやっと会社に”出社”することができました。こういうときにどうしても溜まるのが「デスクワーク」です。ということで、資料作りや今後の段取り立て等の「仕込み」をかたっぱしから行いました。どうしても仕事が忙しくなって来ると、こういう「仕込み」にかける時間の確保が難しくなってくるのですが、こういったところに手を抜いてしまうと、お客様には”いとも簡単に”見抜かれてしまうのがこの仕事の怖いところです。

さて、そんなときに先輩が打ち合わせをしたいと私の席に来ました。その時、私の机においてあった本を先輩がふと手に取りました。どうしたのかと思っていると、ぽつりと一言「この本って、●●●で×××で・・・、△△△だよね~」という”有難き解説”がありました。

そんな時、言われた私は・・・・「目がテン」になってしまいました。なぜなら、この本は、今後の仕事に取り入れようといま正に読んでいる途中の本だったのです。

私としては、この本に書いてあることから、この本の作者の気持ちを想像し、作者の体験を頭の中で追体験・模擬体験する格好の教材だと思って読んでいました。そんなところに”有難い解説”を頂いたことで、「な~んだ」という感覚を感じました。この本は帰り道にも読み進めたのですが、なんかどこかに引っかかる感覚が残ってしまい、感動がマイナス1になってしまったかもしれません。

今まさに「ミステリー小説」を読んでいる人に、犯人を教えてあげたらどうなるでしょうか?きっと、その人はがっかりしてしまいます。これは他の本でも全く一緒なのです。

部下が何か本を読みかけている時に、「その本って●●●なんだよね~、でここが●●で、ここが△△なんだ。」と一言声をかけてみてください。きっと部下のやる気はたちまちそがれ、ムッとした気分にさせることが出来ます。それを望まないなら、ぜひ次一言をかけてあげてください。

「この本って、一生懸命読んでるね。どんなところが面白いか教えてよ!」

ぜひ試してみてください。