合掌

７月４日（月）

先週か先々週の蒸し暑い夜、珍しく遅い時間に電話が鳴った。
親類知人が高齢化しているので、夜更けの電話に不吉な予感を
抱いてしまう昨今、恐る恐る受話器を取ると、ファックスだった。
そして、
ジーと現れたのは、母の友人からの「胡麻豆腐の作り方」であった。
よかった、平安な内容で。

そういえば作ったことのない胡麻豆腐。
ファクシミリ情報によると、瓶入りの練り胡麻と吉野葛だけで
簡単に出来るのである。どちらもスーパーでカゴに入れるには
かなり勇気の要る値段であるのだが、今日ようやく購入して、さて試作。
普段使うことのない計量カップと計量スプーンできっちり量って、
そして、
本当に簡単に、あっという間に出来上がってしまった。

胡麻豆腐で思い浮かぶのは、永平寺とか高野山とかで、
禅寺ならば典座が、こう、力を込めつつしかしあくまでも
瞑想の如く静かにとろりとしたものを練りつづける・・・・
というイメージなのだけど、
なんだかすごくあっけなく出来てしまって、ごめんなさい。

ねっとり濃厚で、何かこう、滋養というものが
にじにじと滲み出てくるようであった。合掌。