フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

僕らの行き先

2014-02-13 08:43:35 | Weblog

 
   僕らの行き先
 僕らが林の中の雪道を歩く時
 耳をすまして木の枝から雪が落ちる音を
 聞く
 さらさらと雪が風に流れる音に心が躍ると
 「ほら、しずかだね」
 「うん、しずかだね」
 林のなかに陽がさしこんで雪がキラキラ輝く
 僕らの足音だけがギシギシと続く
 僕らの行き先はどこなんだろう。
 僕らの行く先にあるものは、三角点の標識か
 それが終点と思って歩いてはいない。
 そこがまた始まりなのだと
 みんな知っているから。

 僕らの行き先はいつもあの山の向こうにある
 この雪の彼方にある
 「ほら、また、あのしずけさを聴きに行こう」
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