映画と本の『たんぽぽ館』

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ナインイレヴン 運命を分けた日

2020年05月08日 | 映画(な行)

助かるための努力と運命

* * * * * * * * * * * *

2001年9月11日。
米ニューヨーク、世界貿易センタービルで起きたテロ事件そのものを題材としたドラマです。



それはごく普通の一日のはずでした。
ワールド・トレードセンタービル北棟で、
たまたま同じエレベーターに乗り合わせた人々が、
ちょうどその時、激しい衝撃と爆発音を感じます。
エレベーターは38階と37階の途中あたりで停止。
その時電気は途絶えておらず、管理室とも会話は通じたのです。
何が起こったのか、エレベーター内部の人にはわかりようもありません。
管理室にいたオペレーター・メッツィー(ウーピー・ゴールドバーグ)も、
激しい衝撃の原因はわかりませんでした。
しかししばらくして、テレビに映し出される映像を見て愕然とします。
まさに自分のいるこのビルの階上から煙が吹き出ている。
飛行機が衝突したというのです。
この時点ではまだ、単に事故と思われていたのですね。
ともあれ、すべてのエレベーターは停止中。
メッツィーは、そのエレベーターに閉じ込められた人々に
インターコム越しに状況を説明し、励まし続けます。



そのエレベーターに乗り合わせたのは実業家ジェフリー(チャーリー・シーン)、
彼と離婚調停中の妻・イブ(ジーナ・ガーション)、
バイクメッセンジャーのマイケル、
恋人に別れを告げに来たティナ、
そしてビルの保全技術者エディ(ルイス・ガスマン)。
長く閉じ込められるうちに、互いの名前や境遇などを打ち明け会うようになりますが・・・。



彼らがどのようにここを脱出するのか、またはできないのか、
そして無事にビルから脱出することができるのか・・・?! 
何しろその後ビルごと崩壊してしまうことを私たちは知っているわけですから、
全くハラハラさせられます。



本作はほとんどこのエレベーター内部の状況を映し出すだけ。
その閉塞感とじわじわと沸き上がる恐怖感をよく表していました。
最後の最後まで諦めず、努力する・・・
助かるための鉄則ではありますが、それでも最後には「運」が頼り。
でも実際にはそれもかなわず亡くなった方も多いのでしょう・・・。
やはりつらい作品です。



<Amazonプライムビデオにて>
「ナインイレヴン 運命を分けた日」
2017年/アメリカ/90分
監督:マルティン・ギギ
出演:チャーリー・シーン、ウーピー・ゴールドバーグ、ルイス・ガスマン、
   ウッド・ハリス、ジーナ・ガーション

切迫感★★★★★
満足度★★★.5



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