映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「お友だちからお願いします」三浦しをん

2019年09月24日 | 本(エッセイ)

いい感じに気の抜ける本 

お友だちからお願いします (だいわ文庫)
三浦しをん
大和書房

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本書はふだんよりも、よそゆき仕様の一冊である(自社比・本人談)!
―そうは言ってもボウリング、国際交流、とっさの一言といった
さまざまな分野において最弱王の素質は十分、
おやじギャグの才能はますます磨かれ、
肉体はのろのろなのに妄想だけはのりのりの日常のなかからは、
情熱と愛情と笑いと涙がほとばしる!
アップデートされた「文庫追記」多数もぬかりなく収録。
「『お友だちからお願いします』と言ったことも言われたこともない」
と語る当代随一の人気作家が満を持して贈る、爆笑&胸熱の極上エッセイ集!

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三浦しをんさんのエッセイ集。
一時期はまってずいぶん読んだのですが、久しぶりに読みました。
本人談で「本書はふだんよりも、よそゆき仕様」とあるのですが、確かにその通りだと思いました。
私、北海道の誇る北大路公子さんのエッセイを読みすぎたためか、
多少の自虐ネタでは動じないようになっているようです。
本作では三浦しをんさんの持ち味はそのままに、
そこはかとなく上品でさえあるような気がします。
さすが、キャリアのなせる技か。

内容は多岐にわたりますが、例えばかつて林業の取材で訪れた地を再び訪れたことなどは、
小説のファンとしてはうれしいエピソード。

「旅の効用」というところでは、
「異世界を体験するだけが旅の効用ではない。
旅をすることによってのみ、日常に帰れる場合もある。」とあります。
う~む、ファンタジー、「行きて帰りし物語」だなあ・・・。
深淵です。

相変わらず、ヴィゴ・モーテンセンの大ファンであること(2012年の本だった!)などもうれしい再確認。

 

いい感じに気の抜ける、楽しい本でした。

 

「お友だちからお願いします」三浦しをん だいわ文庫

満足度★★★★☆



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