映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ベイビー・ドライバー

2018年07月20日 | 映画(は行)

ミュージカルのようなカーチェイス

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天才的ドライビングテクニックを持つ“ベイビー”(アンセル・エルゴート)は、
犯罪者の逃亡を手助けする「逃がし屋」をしています。
もともと犯罪者には向かないタイプなのですが、彼のボス・ドク(ケビン・スペイシー)に弱みを握られて、
手伝わざるを得なくなっているのです。
ベイビーは子供の頃の事故の後遺症で耳鳴りに悩まされていますが、
音楽を聞くことで紛らわせています。
そのため、常にiPodとイヤホンを離しません。



冒頭、銀行強盗犯を乗せたベイビーの運転する車とパトカーのカーチェイスのシーンは、
みごとにベイビーの聞いている音楽とシンクロし、
まるでミュージカルのようなおしゃれな場面となって、一気に引き込まれてしまいました。



さて、ドクとの約束の期間が切れて、
ベイビーはこれでさっぱりと汚れ仕事から足を洗えると思ったのですが、
ベイビーの腕の良さを見込んだドクは彼を脅し、
また次の仕事に巻き込んでしまいます。

しかし、タッグを組んだメンバーが悪かった・・・。
あまりにも危険で凶暴な連中。
ベイビーが出会った運命の女性デボラ(リリー・ジェームズ)をも巻き込み、
事態は最悪の方向へ転がっていきます。

カーチェイスのある映画は数多くありますが、
こんなふうに音楽と素晴らしくマッチしたものはありませんでしたね。
銃撃シーンでは銃声さえもビートを刻んでいた。
いやはや、しびれます。

ベイビーはデボラと自分のために、心ならずも「犯罪」を犯すことになってしまうわけですが、
それにしても、常に一般市民は巻き込まないようにと心配りをも忘れない。
誰彼かまわず撃ちまくるギャング映画とも一線を画しています。
そしてまた、そんな優しさが後にきちんと自分に戻ってくるあたりがウレシイ。
本作、あらすじを見ただけではわからない魅力があって、これはオススメです。



ベイビー・ドライバー [DVD]
アンセル・エルゴート,リリー・ジェームズ,ケヴィン・スペイシー,ジェイミー・フォックス,ジョン・ハム
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント



<WOWOW視聴にて>
「ベイビー・ドライバー」
2017年/アメリカ/113分
監督:エドガー・ライト
出演:アンセル・エルゴート、リリー・ジェームズ、ケビン・スペイシー、ジェイミー・フォックス、ジョン・ハム

音楽との親しみ度★★★★☆
満足度★★★★.5