映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

メアリと魔女の花

2017年07月23日 | 映画(ま行)
“すべての魔法を解除”した先



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実のところ、見なくてもいいかと思っていた作品ですが、
この日他に特に見たいものがなかったので・・・。
どうも私、魔法だの魔女だのというテーマが苦手なのです。


さて本作は、米林宏昌監督がスタジオジブリ退社後初めて手掛けた作品で、
そしてまた同じくジブリ出身の西村佳哲プロデューサーが設立したスタジオポノック長編第一作。
アニメの新しい時代の予感がします。



田舎町、大叔母の家に越してきた11歳の少女メアリ。
ある時、森の中で7年に一度しか咲かないという“夜間飛行”の花を見つけます。
それは昔、魔女の国から盗み出された禁断の花。
その花の作用で不思議な力を手に入れたメアリは、
空飛ぶほうきに乗って魔法世界へ行き、
魔法界の最高学府、エンドア大学の入学を許可されますが・・・。
メアリの不用意な発言によって、友人のピーターが苦境に立たされることに・・・。



オンナノコの勇気と成長の物語ということで、
まあ、普通に楽しむことはできました。
う~ん、でもちょっと物足りないというか・・・、
感動の頂点がないというか・・・。
せっかくジブリを離れたのにやっぱりジブリ路線なのが少し期待はずれ。
というか、見る前からそれはわかっていたのですけれど・・・。



でも考えてみると、メアリは魔法の力を手に入れたといっても、
結局彼女が使ったのは空を飛ぶことの他には
“すべての魔法を解除する”魔法のみです。
つまりこれは、夢見がちな少女が現実を見据える大人になる、
ということを意味していると思います。
何でもかんでも魔法で済ましてしまう、というストーリーが気に入らない私としては、
本作は納得できる内容ではありました。
本作で魔法から脱却した(?)米林監督の、今後のお手並み拝見、というところでしょうか。


そうそう、声に豪華俳優陣を充てるのは、いちいち俳優本人のイメージが湧き出してしまうので
逆効果かもしれません。

「メアリと魔女の花」
2017年日本/102分
監督:米林宏昌
原作:メアリー・スチュアート
出演(声):杉咲花、神木隆之介、天海祐希、小日向文世、満島ひかり、大竹しのぶ
ファンタジック度★★★★☆
満足度★★★☆☆