映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

麒麟の翼 劇場版・新参者

2012年02月11日 | 映画(か行)
家族を思う秘めた覚悟で・・・。まさに日本的父親像。



                      * * * * * * * * * *

東野圭吾の加賀恭一郎シリーズ。
日本橋の「翼のある麒麟」像にもたれかかるようにして、
一人の中年男性が亡くなっていた。
腹部をナイフで刺された彼は、
なぜか事件現場から数百メートルを自力でここまで歩いてきて息絶えたらしい。
その頃、その付近で若い不審な男が警察の職質を振り切り、
逃亡中に車にはねられ意識不明となる。
事件は十中八九、この八島が犯人だろうという予測のもと、物語は進んでいきます。
捜査にあたる加賀はしかし、この被害者青柳の行動に疑問を感じ、
彼の身辺を主に調べていくのです。
彼の生活には全く関わりのないこの日本橋という土地。
しかし、最近彼はよくこの近辺を歩き回っていたらしい。
一体何のために? 
また、彼の家族である妻、息子、娘たちも
父親のことを何も知らなかったと呆然とする。
一方、八島の恋人である香織もまた、
八島が殺人を犯すなど考えられないと反発。

彼が犯人でないなどということが有りうるのか? 
だとすれば真犯人は誰?




私は、とは言ってもやはり犯人は八島で、
そこには計り知れない動機があった、くらいの結末になるのかとのんきに思っていました。
ところが、真相は本当に最後の最後に現れます。
ちょっとびっくりさせられました。
つまりは、青柳家の家族の問題なんですが・・・。
父と息子。
その間には深くて暗い淵があるだけのように見えながら、
実は・・!ということなんですね。
やはり、なぜ青柳がここまでわざわざ歩いてきたのか。
その意味こそがテーマなのでした。
感動・・・!!
中井貴一は、良い父親役にはまってますね。
一見さえなくて、息子には理解されてないけど、
実は息子の見本となるべく頑張っていて、
密かにかっこいいという・・・。
(大河ドラマ「平清盛」を連想しております・・・)




さて、今度東京に行くことがあったら、
私も日本橋へ行って翼のある麒麟像をぜひ見たいと思ってしまいました。
新名所になるのでは? 


それからもう一つ。
エンドロールで出演者の名前が出ますが、
そこに「向井理」の文字が。
「え?」と思ったら、劇場の皆さんもなんとなくどよめいていました。
だって、いくら何でも彼が出ていれば気づくはず・・・。
でも、うそ~! 出ていないでしょ。
一体どこに出ていたの??? 
と、なんだかショックを受けてしまったわけです。
帰宅して早速ネットで調べたところ、な~んだ・・・という話なんです。
ま、ネタバラシはしないことにして、
どうしても知りたい方はご自分で調べましょう。
これから見るという方は、黒木メイサさんの出演シーンで、要注意ですよ。

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麒麟の翼 劇場版・新参者

監督:土井裕美
原作:東野圭吾
出演:阿部寛、新垣結衣、溝端淳平、松坂桃李、中井貴一、田中麗奈