人骨

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70年代ロックファンのためのMP3プレーヤー導入ガイド(後)

2009年01月13日 | 70年代ロック雑談
続いて3。かのipodっす。現在いちばんシェアを獲得している。何しろ世界標準になってしまったのだから。専用ソフト「itunes」もパナソニックやソニーと違って汎用性がある。
このソフトでは原則としてAAC形式のうち拡張子m4aという自分勝手な種類のファイルにてリッピングするのがキホンである。MP3エンコーダーも付いているのでMP3にも出来るが、かなり音質が悪い。m4aを使わせるために敢えて下げているという説すらある。
itunesに限っては、現在はプレーヤーのメーカー各社がこぞってこれにひれ伏しており、プレーヤー側でitunesに対応するようにすり寄っている気配がある。他社製品のプレーヤーは次々と「itunesでリッピングしたm4aファイル対応」という謳い文句を打ち出してきていることからもそれは明らかであろう。これはあわよくばipodユーザーからプレーヤーだけ乗り換えさせようという魂胆なわけだ。実際、itunesでリッピングした音源はほぼすべてのプレーヤーで使えるのではないかな。

しかし!

私はこのitunesというソフトが大嫌いだ!
怖いからじゃあない!

まず本体の動きがメチャクチャ重たい。あのカミソリみたいなグレーも刃物恐怖症の自分には好感ゼロだ。そしてクイックタイムとかいう付随ソフトがウイルスのごとく何度も何度も勃起してくるし(殺そうと思っても、私の記憶では完全アンインストールは不可能だった気がする)、それより何より自分は性格上少数派につきたがるクセがあるから、アップルだかニップルだか知らんがそんなわけの分からんヤツに独り勝ちはさせたくないのだ。こんな時こそ国内メーカーに頑張ってもらいたいところじゃないか。
ちなみに私はwindowsユーザー。だからマイクロソフト社の奴隷である。その点で言動の辻褄が合っていないって?細かいことは知らん!私の感覚が絶対優先なだけである!

そういうわけで私は一貫してアンチipod。アンチ巨人と同じね。
ちなみにケータイもウィルコム(旧DDIポケット、要するにPHS)を10年以上使い続けているよ。
そういうわけでウィルコムのクソミュージックプレーヤーを放棄した後で、2007年初頭に葛藤の末パナソニックのSD-Audioを買った。その魅力は、(専用ソフト限定ながら)完璧なるギャップレス再生をこなす点と、メモリを内蔵せずSDカードを記録媒体として使うことで事実上無制限の音楽ファイルをコンパクトに携帯できる点である。後者については、他メーカーがいずれもプレーヤー本体が記録メディアそのものである点と比べれば有利である。実際私は2GBのSDカード5枚にほぼ全てのCDライブラリーを納めることに成功した。

しかしその代償として、私は付属のSD-Jukeboxというクソソフトに支配されることになった。このソフトはitunesと同じくらい最低だ。重いし、頭も悪い。タグ編集はほぼ不可能。MP3へのエンコードもできない(金を払えば出来る)。道具として認められないクソソフトだ。
それでも私は200枚のCDをSD-jukeboxに捧げてしまった。我慢して一生パナソニックに付き合おうかと思ってたところで、ある日突然「楽曲配信が廃止」という一方的な通告がなされた。あえなく撤退宣言をされてしまったのだ。
「今まで負け組に付き合ってくれてありがとう、もう解散するんで好きにしてくれ」
と言われたに等しい。それでもなお、今後は細々とアフターサポートのみにすがって生きていこうと思っていた。SDオーディオD-snapは優秀なイコライザを搭載しており、音質だけは非常に良かったから。AACコーデックも音質に不満はなく、ipdのm4aと比べても全然良い。

そんな折、つい先月必要に迫られて自宅PCのHDDのフォーマットを行った。大量のSDオーディオ用の音楽データを外付けHDDへバックアップして残した。残したのだが、単に別のドライブへ移して残すだけではいけなかったらしく、全て暗号化されたまま読めなくなってしまった!これには専用ソフトのバージョンアップをして正式なバックアップ手続きをしておくのが必須だったのだ。単に私のやり方がいけなかったのだが、ここでパナソニックと決別する決意は容易についた。私を見捨てたパナソニックを、ついに見限ることにした。
汎用性は非常に大事なのだ。
私はこれから手持ちのCDをまたゼロから1枚1枚リッピングしなくてはいけない…。

もしマックユーザーなら、多分親和性の高いであろうituneを使うのが一番だと思う。しかしwinndowユーザがマックのソフトを使う場合は「おまえもこの際MACに乗り換えろー」という企業の論理のお仕着せをヒシヒシと感じることにならざるを得ない。企業の論理だから、もっともなことだと思う。だから私はwindow一筋でいくしかない。itunesなんぞは要らない。

※ ※ ※

私はこのたびパナソニックSDオーディオを捨て、買い替えを断行しました。
買ったのがコレっす。



そう、私が行きついたのは上記のビクターである。
何しろこの機種は対応する全てのエンコードでギャップレス再生を可能としている。
なおかつ専用ソフトを持たず(いちおう、ウィンドウズメディアプレーヤーが指定されているが、ファームアップならびに動画転送時以外は不要)、皆が好きにPCからデータを取り込めば良いと来ている!ソフトなんて使わずに、単にウィンドウズのエクスプローラからコピーして貼り付けるだけで良いのだ。フォルダ単位でアルバム管理もできるし、プレーヤー側の検索機能も優れている。昨年夏の発売当初はitunesのm4a非対応だったが、そこはファームアップによって抜け目なく対応している様子だ。

かくして私は、強制音楽管理ソフトから解放された!
とはいえ管理ソフトが何も無ければ、CDを取り込むこともできないので、いずれにせよ何かしらを使う必要がある。そこで私の意志で自由にソフトを選ぶことにした。私が導入したのは、フリーソフトのfoobar2000というものだ。私はゴチャゴチャ五月蠅いのが嫌いなのだが、こいつは軽くて良い。スキン(アプリケーションウィンドウの「見た目」)などは無いに等しく、まるでテキストエディタのような殺風景さだ。その代わり起動時間は実に0秒!質実剛健で実によいソフトだ。プラグインを駆使してエンコードも自由自在である。タグの編集もラクラクで自由自在。まあ操作の容易さで言えば海外ソフトということもあり難しいレベルとは思うが、ちょっとオタク心を刺激すればすぐにマスターできる。つくづくSD-jukeboxはクソだったなあ…。

自慢じゃないが、そもそもうちのパソコン自体がクソなんである。メモリ256、クロック1.1、HDD60という、7年前の格安モデルだから。12月にメモリ768、HDD310と微妙にグレードアップさせたが(HDDのフォーマットはこれの関連)、はっきり言って焼け石に水をかけただけの焼けクソだ。先にPCを買い替えるべきなのは分かっている。しかしソフトさえ選べば充分使える。道具と頭は使・い・よ・う。PCへの投資はまだまだ先になるだろう。

わたしの結論:黙ってビクターのアルネロを買うべし

実際に試してみたところ。肝心のギャップレス再生にはやや難があった。というのも、曲間自体はつながるのだが、よく聴くと「ップ」という小さなノイズが入るケースがあるのだ。しかし私はこれに及第点を与えた。主たる使用シーンは騒音の多い屋外である。はっきりいって屋外では全く気にならないレベルである。しかしipodのほぼ完璧なギャップレスに一歩譲るのは否めない。それは認めよう。

音質については、SDオーディオのドスの聴いたドンシャリ感になれた耳でも充分通じるコッテリしたイコライジングが可能だし、よりナチュラルな再生もウリにしている。イコライザが何種類も入っていてそれぞれの意味がまだよく分からない面もあるが、とにかく音質に関しては非常に気配りがされている。「音の良さ」で差別化を図ろうとしているであろう意気込みは充分伝わってくるはっきり言ってこれは音が良いよ。付属のカナル型イヤホンも耳栓効果が高くて驚いたし、おまけイヤホンにしては低音域から高域までクセなく抜けていて音質はじゅうぶん良い。
あとは何の心配もせず、200枚のCDを外付けの専用HDDにでも適当にリッピングしておけば、今後機種やメーカーを換える日が来ても、きっと役に立ってくれるはずだ。

※ ※ ※

あと、これを教えないとアンフェアだから教えます。私と違ってマイノリティ指向でない方は、ipodで充分グッドでしょう。何しろ世界標準だから種類が豊富だし、アクセサリーも豊富。コンポ側でもipodドッキング対応機種は多い。本体の動きだって早い。最近のモデルならギャップレスも完全に対応。
itunesを使わずに「i氏のつぼ」ほかフリーソフトを使って直接データ転送することも可能らしい。興味ないからよく知らないけど。
マックユーザーの方ならびに陽の道を歩みたい方は、ipodへドウゾ!
労働者階級の英雄になりたければ、私へ着いて来い!

あと、ipodは音質についてはあまり評判が宜しくありません。AAC(m4a)はMP3より高圧縮高音質を実現するはずなんだけど、ビットレートによるかもしれないが容量をケチると全く聴けないくらいヨレヨレの感じの音でエンコードされるし(シンバルの音とか、フニャフニャ歪むんだよ!)、CDウォークマンとかでドンシャリを楽しんでいた人にとっても、ああいうイコライジングは難しいようです。やっぱり音質なら日本製ということだろうか?

※ ※ ※

なお今回は触れなかったが、ケンウッドからも「惜しい」製品が出ている。

実はパナソニックのSDオーディオで私が捨てがたかった点が一つだけある。それは「SDカード対応」。つまり本体と記録メディアが分離している点だ。これなら事実上ライブラリは無限に増やせる。私が今回買ったビクターは最大容量を選んだがそれでも8GBだ。
その点、ケンウッドは同じく「マイクロSDカード」に対応している。しかし致命的なことに、ギャップレスには全く対応していないのだ。

現時点では「専用クソソフトからの解放」「ギャップレス再生」「外部メモリ対応」の3点全てを満たす商品は存在しない。これが現れたらまた私も考えるかもしれないが、当面はXA-V80ならびにfoobarと共に歩むことになりそうである。

※ ※ ※

ともあれ、時代は変わったなぁ(=自分がオッサンの領域になったということである。それは認めよう…)
小学生の昔はエアチェックと言ってFM雑誌片手に聴きたい曲が放送されるのをひたすら待って録音したものだ。当時のステレオやラジカセはタイマー録音機能がやたらと充実してたものだ。
その後MDが普及したころになって、ミュージックバードというCSデジタル音楽放送が始まり、こりゃスゲーと思った。何しろ番組時間が74分でしたから。うろ覚えだけど、契約してアンテナとチューナーを買わなきゃ受信できなかったんだけど、いつか欲しいとずっとずっと思っていた。
ところが今じゃネットで曲を買える時代になったのだ。アナログとCDの違いどころじゃないよこれは。
そして聴きたい曲だけ携帯プレーヤーへ放り込んで、飽きたら削除。外部メモリが普及しない理由は著作権とかもあるだろうけど、そもそもあまり必要でないのかもしれない。
実は、XA-V80をいじってて、プレイリスト画面の中で「まだ聞いていない曲」という項目があるのに気がついた。これを見て少しハッとなったよ。
自分だけかも分からないけど、学生の頃はCD1枚買うのも金銭的に大変なことだった。だからこそ買ってガッカリということもあったけど、原則その1枚をスミからスミまで聴きつくしたものだよ。カセットテープにはアルバム単位で「ダビング」していた。なるたけ製作者の意図を感じたいと思いながら。私が好んで聴いていたのは、トータルアートとしてのアルバム作品ばかりだったから…。
だからカセットテープの中に「まだ聞いていない曲」が存在する余地はなかった。だってA面の頭からB面のケツまで全部聞くしかないんですから。スキップとか頭出しはほぼ不要であった。「レボリューションNo9」だって、ホワイトアルバムを聴いた回数だけ聴いている。
CDでも同じことが言える。プレーヤーに1枚入れて出かけたら、原則1日そのアルバムばかり聴いていた。CDをキャリングケースに入れて持ち歩くのってめっちゃ不便でしたから。このこともやはり「しっかり通して1枚聴こう」という強い動機づけになったものだ。
とにかくスミからスミまでよく聴いたさ。だからバンドの練習でも私は曲の構成もコード進行も一発でコピーしたものだ。
だけど今ではそういう聴き方は時代遅れだね。かくいう自分も「1枚持って出かける」という重さを、今ではすっかり忘れている。かつては、持って出かけてしまったら、とにかくその日はそのアルバムと付き合うしかなかったのだ。もちろん現在でもアルバムで通しで聴くスタンスに変わりはない。無いんだけど、何というか、目移りしやすくなっている。特に、移動時間の都合等で一旦再生を停めてしまうと、なぜか続きを聴く気が失せてしまうことが多い。続きはまたにしようと考えて、別のアルバムを頭から再生しちゃったり。
そう、自分の中でも「まだ聞いていない曲」が生まれつつあるのだ。

音楽はある意味では芸術的な「作品」である。またある意味では消費対象の「商品」でもある。後者の意味においては、顧客がどのように音楽と接しているのかが、音楽を作る側にとって重要なファクターになり得る。
世の中みんながMP3プレーヤーを持っている昨今。それに見合った「商品」が生まれてくるのは当然である。しかしこのことが「作品」の創造までを制限してしまうことがないのだろうか。
もちろん、カセットテープのウォークマンで電池を気にしながら巻き戻しと早送りをしまくってた子も知っているし、常にCDを20枚くらい持ち歩いていたヤツだって知っている。MP3プレーヤーで、音楽への接し方が変わったと思うのは、ぼくだけかも分からない。分からないけれども、何かフトもの寂しく思ってみたりもしました。
上で書いたけど、ウチにはいまだに立派なカセットプレーヤーが残っている。懐古趣味も兼ねて、いずれの日にかアレが復活する日が来るのかもしれないなぁ、とも思いました。ちゃんと仕舞ってあるかなあ、押し入れをチェックしてこよう!

(おわり)

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7 コメント

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アイポッド (平恋多)
2009-01-14 18:39:41
俺はアイポッドで充分かな~。

でも、やっぱり音質がいまいちだ。

かくいう私はディスクマンしか持っていないのだが、
音質はやはりいい。。。

しかし、ちみの薦めるビクター製も気になる。

ところで、語り口がディオ・ブランドー氏風なのは
今のブームか?

追伸)
最近【問答無用】というサイトに嵌っている。
もし、嗜好が合えば会員登録も辞さない考えだ。
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更に追記 (平恋多)
2009-01-14 18:43:33
windowsでもi-tunesは普通に使えるぞ。

うちも使ってる。ゆみしBOXを作る際の
プレイリスト作りにしか使ってないけど。。。
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平様 (人骨)
2009-01-19 19:08:37
なんでしょうかそのサイトは?!紹介してください、今ッ!
ディオ・ブランドー風なのは偶然です。そんなことを仰るので、今ほどもう一か所ディオ・ブランドーふうの言い回しを追加しておきましたよ。見つけられるかなフフフ。
なおitunesはwindowsでも動きます。一時使っていましたが、嫌いです。
ゆみしBOXにはCDテキストが埋め込んであるんでしょうか?これを読み取れた場合、一気に全9作が愛聴盤に化ける可能性が高いです!
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CDテキスト (平恋多)
2009-01-23 12:34:56
ゆみしBOXにはCDテキストを埋め込んであるよ。

itunesで全部アーティスト名と曲名入れたから。

でも他のPCで読み取ると、全部トラック1とか
トラック2になっちゃうみたい。。。

PCの世界は難しいわ。今度じっくり教えてくれ!

【問答無用】はgoogleで検索すると最初に出て来る
いかがわしい拷問系サイトだよ。。。
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平殿、さっそく見て来たずら (人骨)
2009-01-23 13:03:58
コレはぼくの嗜好とは違うなあ…。単なるSMじゃん!

それはさておき、現在使用中のfoobar2000にもCD-textを読み込めるプラグインがあったので、さっそくダウンロードして使ってみようとしたところ、圧縮形式が未知のタイプでLhacaで解凍できずに停滞しています。。。

他人のPCでは読めないって?それってもしかして、CDに埋め込んだんじゃなくて、貴殿のHDDの中にプレイリストで登録されているだけなのでは?!
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だから教えてって。 (平恋多)
2009-01-23 19:58:18
例のサイトについては個人的趣味に
留めておくことにする。
貴殿の嗜好は実はよく知らないので
その辺も教えて頂きたく。。。

テキストに関しては確かにプレイリスト
で登録がしてあるだけかも知れない。

だから、教えてって行ってるじゃんか。

LPの規格番号以外の事は素人よ。
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平恋多様 (人骨)
2009-01-24 18:18:45
> LPの規格番号以外の事は素人よ。

ははは!何でもマニアの方は初回盤から○○回目のリイシューとかまで、全部番号で分かるそうですね。
番号やスペックにハマル気持ちはすごく分かるです。

何でもitunesではCDテキスト作成機能はありますが、肝心の書き込みのためには対応したドライブが必要とか。
ということで、ゆみしBOXのバージョンアップリイシューを楽しみに待ってるよ。
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