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朝星夜星

2023-06-06 21:04:48 | 読書

朝井まかて著

「朝星夜星」

夫婦で挑んだ「日本初の洋食屋」誕生物語

幕末の長崎で洋食屋を始め、

明治の大阪でレストランとホテルを開いた料理人・草野丈吉と妻ゆき。

日本の外交を支えた〈自由亭〉夫婦の奮闘を描く傑作長編。

 

妻ゆきの目線で書かれた夫丈吉の活躍とその家族の物語

510頁

厚さ3センチ重さ610グラム

朝井まかてさんでなければ手には取らなかったと思う

 

ゆきは大女である

気働きが効くかと言えばそうでもない

 

しかし、丈吉に食べている姿を気に入られ彼の嫁になる

丈吉はこう言う

「料理人の作るもんはぜんぶ胃袋の中に入って、何も残らんたい。

一日がかりで仕込んで卓の上にいかほど皿を並べても、

一刻ほどで消えてしまう。

いや、残されたら料理人の恥、きれいさっぱり余さず消し去ってもらうとが稼業たい。

ゆえにおれらの甲斐はほんのつかのま、食べとる人の仕合わせそうな様子に尽きる。

その一瞬の賑わいが嬉しゅうて、

料理人は朝は朝星、夜は夜星をいただいくまで立ち働くったい」

 

丈吉は今の朝ドラの「らんまん」の万太郎みたいに

前だけ見て突き進みます

 

そんな丈吉に不安になったり、嫉妬したりしながらも

彼の料理に対する姿勢に惹かれしっかりとついていきます

ゆきも女将として段々と成長していきます

 

丈吉の両親、丈吉の妹

三人の子ども達

そして美味しそうな料理が物語を華やかにしてくれます

華やかさは料理だけではなく店を訪れるお客様が凄い

 

五代友厚、陸奥宗光、後藤象二郎、岩崎弥太郎達、そうそうたるメンバー

長崎では、チラッとですが坂本龍馬にもゆきは出会います

 

しかし、あの時代の女性は家で家族の為だけに生きるのが常識と思われていた

丈吉の妹も腕があったし、

ゆきも女将としての度胸もあったのですが

やはり最後は表には出してもらえなかったのがとても残念だと思いました

 

この時代がお好きな方はとても楽しめる一冊だと思います

 


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