小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

惚れたが悪いか!

2007-09-02 22:01:05 | 読書

瑠璃茉莉(ルリマツリ)

 

 

ルリは瑠璃色。
マツリは茉莉花の意。

中国ではジャスミンを茉莉花という。
モクセイ科で白花を咲かせ、香り高い。
本種はそれに花形が似て、色が青いので瑠璃茉莉。

ただし、他人の空似で、分類上は縁遠いイソマツ科。
スターチスと同じ科である。
南アフリカ原産の常緑低木。
ふつう香りはない。

花おりおりより

 

本州のほうは、しのぎやすくなったと聞きます。

こちらも、朝夕は随分涼しくなりました。
でも日中はまだまだ暑くて、暑くて・・・・。

日が暮れるのが、ずいぶんはやくなりました。
秋の夜長のはじまりですね。

さあ、秋になったらどんな本を読みましょう?

8月のはじめに提出していた文章講座の宿題が添削されてかえってきました。

夏休みの宿題の読書感想文みたいになっています。

もし良かったら、読んでいってくださね。

宿題のテーマは「この一言」です。
私が選んだこの一言は・・・・

 

「惚れたが悪いか」

 

「惚れたが悪いか」。
この一言を言わせることを最初に考えていたのでは、と思う。
太宰治のお伽草子「カチカチ山」の最後のセリフだ。

太宰のお伽草子はどれもとても面白い。
「浦島さん」「瘤取り」「舌切雀」。
そしてこの「カチカチ山」。

昔からあるお伽草子を彼流に料理している。
その料理の仕方がとても新鮮で皮肉もまじる。
大いに読み手の食欲をそそる。

どの物語にも、きわめつけの一言が添えられている。
その中の「カチカチ山」は誰もが知っている兎と狸の話。

太宰はこの兎をまだうら若き十代の乙女に設定した。
かたや狸は四十間近かのさえない独身男性。
その組み合わせが絶妙だ。

このさえない中年狸が恋をする。
その相手が、まだ汚れを知らない少女の兎。
勿論叶うはずはない。
読者は
「やめとけよ、狸」
と忠告したくなる。

惚れられた方の兎の心理も面白い。

女性が持つ本能は大人になってから現れるのではない。
少女でも、しっかり発揮する。
結構、残酷だ。

誰にでも優しい女性などいるものではない。
好みの男性には飛び切りの笑顔や優しさを見せつける反面、嫌いな男性には手厳しい。

狸は、この手厳しい仕打ちに何回もあう。
柴狩りに誘いだされ、背負った柴に火をつけられる。
しかし、彼はこれが彼女の仕業とは思いもしない。

大火傷をした体を兎に見せ、同情をかおうとする。
兎はそこに唐辛子を練ったものをこってりと塗りつける。
優しい声をかけながら・・・・だ。

が、この痛みも愛の証しと勘違いする狸。

兎のこれでもか、これでもかという仕打ちにも気付かずにクライマックスをむかえる。

甘い声で湖に誘われる狸。
嬉しくてたまらずにワクワクする。

かたや
「これであなたもおしまいよ」
とニンマリする兎。

狸の乗った泥舟は、兎の思惑通りに湖に沈みはじめる。
そこで狸は兎の悪計にはじめて気付く。
そして、最後にこの台詞を一言。

「惚れたが悪いか」。

兎にとっては悪かったのだ。
迷惑だったのだ。
それに最後まで気付かなかった狸。
それどころか、自分は兎に愛されていると勘違いしていた。

狸は本当はとても幸せな男だったのかも知れない。

人に嫌われているのではないかと心配して生きるより、好かれていると思い込んで生きるほうが、絶対幸せだ。

それが狸のような勘違いであったとしても。

終り

 

80歳先生のコメント

「題もいい」

って書いてくださっていました。
でも「も」の下には「が」の文字がかすかに・・・。
先生、バレバレです!!

 

ところで、五大お伽噺ってご存知ですか?

かちかち山・さるかに合戦・舌切雀・花咲爺・桃太郎

河合隼雄さんの「おはなしの知恵」にこんな事が・・・。

西洋の昔話と比較すると、一番異なるのは、西洋であれば若い男女が結婚して幸福に暮らしました。
となるところを、日本では桃太郎が宝物をもって帰り、
「おじいさんとおばあさん」
と幸せになるというところである。

西洋的な英雄像に比肩しつつ、最後は若者の自立を願うのではなく、若者の孝行の話になるのだから、日本の軍閥が喜んだのもむりからぬことである。

 

そう言われてみるとそうですね、白馬の王子様と幸せになるのが外国の物語。

日本の昔話の終わり方との違い、面白いですね。

さてさて、明日から、又一週間がはじまります。

夫は、山に柴刈りに、私は、川にお洗濯?

 

今日の私の小さな幸せ

 

今日も、前田選手、大活躍。
次への夢にむかっています。
女子マラソン、土佐選手の頑張りに感動。
彼女って、応援したくなりますね!!!

 


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12 コメント

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さすがです。 (maromaro13)
2007-09-03 09:43:22
文章教室の宿題、無駄な言葉が少なく、分かりやすい流れで良く書けてますね。ものを習うには必ず宿題が付き物で、これには私も悩まされてます。毎日しないから教室の前日は大慌てでやってます。でも、これをきちんとこなしていくと、知らず知らずに得ている物があるんですよね。タミさんもますます文章力磨いてくださいね。
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昔話 (めめ)
2007-09-03 09:59:17
こんにちは!

兎と狸の間には、そんなストーリーがあったんですね!
そう考えると、子供に聞かせるお話から一気に大人のお話に変身しますね。
発想が面白いです!
確かに、日本のお話に白馬の王子様は出てきませんね。
日本人は、奥ゆかしいのかしら??(笑)
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誰かのために (*aprile)
2007-09-03 14:12:55
こんにちは。
カチカチ山の話は面白い。
タヌキは幸せだったとわたしも思います。
思い込みだけでも・・・嫌われていると心配して生きるよりは余程いいです。
西洋の昔話は子供が大人になるための教訓とか助言が多いですね。
それに現実の厳しさを教えています。
でも、日本の昔話は親孝行の話や恩返しの話が多い。
人のためになるように・・・西洋人と日本人の違いがよく現れていますね。
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パーフェクトだよ (nov)
2007-09-03 16:40:40
「題もいい」は、パーフェクトって事ですよ。
先生、素直じゃないなあ。
「大変よくできました。」って書いてよ、ねぇ。
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チャングムさ~ぁん! (roko-papa)
2007-09-03 19:44:17
こんばんは、たみしゃん。いや~、面白い物語ですね。
恋とか愛は、今も昔も嬉しくもあり厄介なものでもあるようですね。
エキセントリックな愛でストーカーしたり、されたり、挙句の果ては
殺されたりと、恋とか愛は一歩間違えると大変ですネ。
愛から何か得られるという考えが、そもそも間違いでしょう狸さん!
相手が嬉しいのか嫌がっているのか判ることができない狸さん
は、やっぱり湖の底行きで当然ですネ!勉強不足です!
「チャングムさ~ぁん!」といつも自分の身を危険にさらしても
愛する人を影からそおっと、お守りするあの方の「愛」こそが本物
の愛です!狸さん、ジョンホ様を見習いましょう!
(現実にはあんな完璧ですばらしい男性はいないと思いますが。笑)
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この前は・・・・ (tami)
2007-09-03 21:30:28
maromaro13さん

こんばんは。

まあ、あの日はどういうわけか気がつけば、6人に・・・。(笑)

盛り上がりますね~。

みんな自分の意見をしっかりもっているから楽しいです。

maromaro13さん、あの方が、卓球で埼玉に全国大会に行くって言ってました。
maromaro13さんは、惜しかったんですね。

お勉強は、まだ続けているんですね。
本当に頭が下がります。
maromaro13さんの真似はとても出来そうにありませんが、私も、私なりにボチボチ頑張ります。(笑)
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このお話・・・ (tami)
2007-09-03 21:37:00
めめさん

こんばんは。

お伽草子を太宰治が自分のお子さんに話して聞かせていたら、
「狸さん、かわいそう」
って言ったそうです。そこで、このアレンジを思いついたそうです。

太宰の「舌切り雀」も面白いですよ。

雀に嫉妬するおばあさんが出てきます。
糊をなめたから、舌を切ったのではなく、嫉妬にかられて舌を切ったお話になっています。(笑)
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違い (tami)
2007-09-03 21:41:51
*aprileさん

こんばんは。

日本の昔話と、西洋の昔話を比較するのもとっても面白いですね。

日本の昔話は、奥さんと仲良く暮らしましたとさって言うのは本当に少ない。
あくまでも、あじいさんとおばあさんが準主役。

でも、西洋の昔話の中のおばあさんは、鼻が鉤鼻になっている魔女のおばあさん・・・。
そう言えば、おじいさんの陰が薄いですね。(笑)

たまには、こういうことをゆっくり考えてみるのも楽しいですね。
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「も」と「が」の違い (tami)
2007-09-03 21:46:56
novちゃん

こんばんは。

今、お友達が親戚の結婚式に出席するので東京に行ってます。
メールが入って、
「涼しくて過ごしやすいよ~」
って書いていました。
いいですね、こちらはまだまだ暑いんですよ。

80歳先生、赤のボールペンで
題がいいって最初書いたのね。
でも、来月、教室更新月。
私が、気を悪くしたら悪いので
題もいいって書き直したのよ、きっと。

う~ん、来月、更新どうしようかな~。(笑)

一つのことがずっと続くnovちゃんが羨ましいよ~。
返信する
涼しい関東、、 (ふくやぎ)
2007-09-03 21:55:04
もう、秋味ビールの季節ですね、、、

今、色々有って出かけられません。
tamiさん、代わりに頼みますよ~
マクロレンズで風景にも挑戦して下さい!
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