ザ・スピリット
2008年/アメリカ
最先端で懐かしい映像
総合
60点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
申し訳程度のマスクからしてやる気のなさそうな主人公スピリット。面白い‘ヒーローもの’を観たければ『ダークナイト』を観ればいいというほどの開き直ったくらいの全く弾けない物語に、しかしそうなってしまうのも仕方が無いと同情することもできなくもないということをここに記しておきたい。
スピリットは絶えず‘死’の甘い誘惑に脅かされている。しかし本当は彼は脅かされているのではなくて、ヒーローのような報われない仕事を辞めて魅惑的な‘死’の胸に飛び込んで楽になりたいのである。それでもスピリットが死なずに戦い続ける理由は、自分を育ててくれた彼の街に対して恩義を感じているからであろう。だからこの作品を‘ヒーローもの’として観るならば確実に裏切られた気分になってしまうのであるが、意味の無い戦いを嫌々している哀れな男の物語として観るならば少しは面白くなるかというとやっぱり面白くはない。そもそも同情しに観にいくわけではないし。
しかしこの作品から漂ってくる懐かしさは何なのかと考えているうちに思い出した。このテイストは明らかに日本のプログラムピクチャーの旗手、鈴木清順作品のものと同質のものである。そのように考えてこの作品を観ると面白くなるかというとそれでもやっぱり面白くならない理由は、鈴木清順監督作品もまた日本においてさえカルト扱いされているからであろう。
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