MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『窓辺にて』

2022-12-07 00:59:44 | goo映画レビュー

原題:『窓辺にて』
監督:今泉力哉
脚本:今泉力哉
撮影:四宮秀俊
出演:稲垣吾郎/中村ゆり/玉城ティナ/若葉竜也/志田未来/佐々木詩音/斉藤陽一郎/松金よね子
2022年/日本

嫉妬とEDの関連について

 主人公の市川茂巳はかつて『STANDARDS』という小説を発表したが、その後はフリーランスのライターとして活動しており、彼の妻の紗衣は小説の編集者である。茂巳は高校生の作家である久保留亜の小説『ラ・フランス』が「吉田十三賞」という文学賞を受賞し、その授賞式に出席して彼女に質問した縁で留亜に「本当に読んでいる」と気に入られ、茂巳の方は『ラ・フランス』のモデルとなった人物に会いたいがために交流することになるのだが、二人でホテルに入っても男女の関係には至らない。
 一方で、紗衣は担当していた小説家の荒川円とズブズブの関係に陥っており、実は茂巳は妻の浮気に気がついているのだが、何故か嫉妬が湧きおこらないことに悩んでいたりするのである。
 ロジックが勝ち過ぎると感情が湧かなくなるということは何となく理解できる。例えば、授賞式後に留亜が茂巳をホテルの一室に招いた際に、留亜が投げたリンゴを茂巳が受けとり損なっている場面も敢えて使っている演出なども嫌いではないのだが、ここで問題となるのは子供がいない茂巳と紗衣との間に夫婦生活があったのかどうかということである。茂巳がEDであるならば、本作で提示されている問題は至ってシンプルなものになってしまうからである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/spice/entertainment/spice-309245


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