MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『エターナルズ』

2021-11-13 00:59:42 | goo映画レビュー

原題:『Eternals』
監督:クロエ・ジャオ
脚本:クロエ・ジャオ/パトリック・バーリー
撮影:ベン・デイヴィス
出演:ジェンマ・チャン/リチャード・マッデン/アンジェリーナ・ジョリー/サルマ・ハエック/マ・ドンソク
2021年/アメリカ

簡単には善悪の判断がつかないヒーロー作品について

 上映時間が2時間30分を越え、登場人物も多く、本作で物語が終わらないのでストーリーを追いかけることが大変なのだが、とりあえずメインキャラクター以外に憶えておかなければならない名前は、前作の『アベンジャーズ/エンドゲーム』(アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ共同監督 2019年)において悪の親玉で「スナップ(指パッチン)」で相手を消せるサノス(Thanos)と、地球の人口がある数を越えると人類を滅亡させるために現れるティアマト(Tiamut)である。
 セレスティアルズ(Celestials)は巨大な宇宙を生み出した親元で、次々と新たな惑星に生命を誕生させては、知的生命体の数がある程度に達すると惑星が荒廃する(例えば広島に落とされた原爆など)ために滅亡させるのだが、数が達する前にその知的生命体を捕食する者たちが出現し、その捕食者たちを駆除するためにディヴィアンツ(Deviants)は生み出されたのであるが、そのディヴィアンツが知的生命体を捕食する者たちに堕したために新たにエターナルズ(Eternals)が生み出されたのである。
 問題はエターナルズを指揮していたエイジャック(Ajak)が、知的生命体が生み出すエネルギーを使って新たなセレスティアルを誕生させるというセレスティアルズの本来の目的に反して地球を守るという選択をしたためにイカリス(Ikaris)に殺されることにあるのだが、地球で暮らす人類から見れば「正義」のエイジャックと「悪」のイカリスという構図になるものの、もしもセレスティアルズが神としての自然の摂理であるのならば、エイジャックは「悪」でイカリスが「正義」となり、この分かりにくさが続編で解決されるかどうかは分からない。
 作品の冒頭で流れたピンク・フロイドの「タイム」を和訳しておきたい。

「Time」 Pink Floyd 日本語訳

刻々と過ぎて行く瞬間が
退屈な日を作り上げる
君はぞんざいなやり方で
少しずつつまらない事で無駄に時を費やす
君は生まれ故郷の片隅を
あちこち動き回りながら
君に道を指し示す
誰かか何かを君は待っている

陽光の下で横になることにも飽きて
雨を見るために家でじっとしている
君は若くて人生も長いから
今日を無為に過ごす時間があるから
ある日、君は10年が経っていることに気がつく
いつ走り出すのか誰も君に教えてくれなかったから
スタート合図用のピストルの音を君は聞きそびれた

君は走り出し太陽に追いつこうとするが
太陽は沈んでいく
比較するならば太陽は同じだが君は年老いた
息は短くなり
気が付くと死が迫りつつある

年を経るごとに一年が短くなり
時を見いだすことがあり得ないように思われる
表に現れない自暴自棄を耐え忍ぶことがイギリス流だ
時が流れ歌が終わると
僕はもっと言うべきことがあると思った

家だ、再び家だ
できるならば僕はここにいたい
すっかり冷めて疲れ果てた僕が家に戻れば
暖炉のそばで体の芯まで温めるには絶好の場所
野原を遥か越えたところで
鉄の鐘の音が
忠実なキリスト教信者たちを
穏やかな口調の魔法の呪文を聞くように跪かせる

Pink Floyd – Time (Official Audio)
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-103867


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