原題:『Candyman』
監督:ニア・ダコスタ
脚本:ニア・ダコスタ/ウィン・ローゼンフェルド/ジョーダン・ピール
撮影:ジョン・ガレセリアン
出演:ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世/テヨナ・パリス/トニー・トッド/ヴァネッサ・ウィリアムズ
2020年/アメリカ
作品は愛されても作者は愛されない結末について
キャンディマンの伝説は1977年に実際にキャンディマンに出会ったウィリアム・”ビリー”・バークが主人公で芸術家のアンソニ・マッコイに語る通り前作『キャンディマン』(バーナード・ローズ監督 1992年)でも語られた1800年代の有名な肖像画家が遭遇した事件に端を発する。
そもそも奴隷の身分の両親から生まれたダニエル・ロビテイルは才能に恵まれ名を馳せたものの、モデルだった白人の娘を身ごもらせて彼女の両親の逆鱗に触れ、利き腕である右腕を切り落とされ、全身に蜜を塗られて蜜蜂に襲われて死に至り亡骸は燃やされるのであるが、その亡霊がキャンディマンとしてガブリニ・グリーンに住む住人たちを襲うようになったという話である。
2019年の現在、アンソニ・マッコイは画家として作品を描いているのだが、ガールフレンドでアートギャラリーの主任であるブリアナ・カートライトの「コネ」で作品を展示させてもらうものの、中に絵画作品を忍び込ませ外見は普通の鏡で構成された「Say My Name, Candyman Five Times」は女性美術批評家のフィンリー・スティーブンスや知り合いには酷評されてしまう。
ところが展示会の翌日にアンソニの作品の前で関係者2人の死体が発見され、アンソニは一躍時の人となり、フィンリーも評価を一変させるのである。アンソニはそれで良かったのかもしれないが、アンソニを刺した蜜蜂(ダニエル?)は彼らを赦さないのである。
しかしアンソニが例えば、5回名前を唱えた女子高生たちも殺してしまうということは物理的にあり得ないが、アンソニのような酷い目に遭っている芸術家は少なからず存在するだろう。つまりキャンディマンとは現実と幻想の間に存在する象徴(匿名)なのである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-97630