MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『翔んだカップル』

2021-11-26 00:55:52 | goo映画レビュー

原題:『翔んだカップル』
監督:相米慎二
脚本:丸山昇一
撮影:水野尾信正
出演:鶴見辰吾/薬師丸ひろ子/尾美としのり/石原真理子/円広志/三谷昇/柳生博
1983年/日本

映像の楽しみ方について

 既に本作に関してはレビューを書いてしまっているが、さらに気がついたことを指摘しておきたい。
 相米慎二は長回し、つまりワンシークエンスショットの長さで有名な監督で、逆に言うならば登場人物たちの顔のアップが少ない分、画面の「表層」が重要な意味を帯びるのである。例えば、遊園地のそばの電話ボックスから中山わたるが学校の教頭に、田代勇介と山葉圭が同棲していることを告げることで、二人の共同生活は終わってしまうのだが、その後、親友の秘密をバラした中山が自分が映っているレフ板(?)を殴っているのは自己嫌悪を表しているのである。

 もちろん中山がこのような状況に至るまでどのように行動していたのかなどの説明は一切なく、ただ中山の心象風景が描かれるだけであり、一見無意味なカットの組み合わせで本作は成り立っており、ギャグを孕んだシーンの連なりこそが「映画」というものだと思うが、テレビドラマなどに目が慣れてしまうと、このような映画の面白さが分からないかもしれない。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/moviewalker/entertainment/moviewalker-1050935


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする