原題:『Om det oändliga』 英題:『About Endlessness』
監督:ロイ・アンダーソン
脚本:ロイ・アンダーソン
撮影:ゲルゲイ・パロス
出演:マッティン・サーネル/ヤン・エイエ・ファルリング/ベングド・バルギウス/タティアーナ・デローナイ
2019年/スウェーデン・ドイツ・ノルウェー
映画で「描く」ことについて
上映時間78分の間に34カットが挿入され、できるだけ出演者たちを動かさないという「反映画」的な身振りを装うことで、限りなく上質の絵画を観ているような錯覚を観客に生じさせるものの、これは間違いなく映画であると断言させてしまうロイ・アンダーソン監督の手腕は疑い得ないものである。
最近の美術館では有名な作品にCG加工して描かれている人物を動かすようなグラフィックを展示していることもあるのだが、本作は逆のアプローチから「最先端」の映像を試みていると思う。
個人的な見解を述べるのならば、フランシスコ・デ・ゴヤが持っていたテーマをもとにピーテル・ブリューゲルのような作風で撮られた作品といったところだろうか。