MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『Malu 夢路』

2020-12-05 00:42:59 | goo映画レビュー

原題:『Malu 无马之日』
監督:エドモンド・ヨウ
脚本:エドモンド・ヨウ
撮影:コン・パフラック
出演:セオリン・セオ/メイジュン・タン/永瀬正敏/水原希子/リン・リム/シー・フール―
2019年/マレーシア・日本

男性に対するアンビバレントな思いについて

 主人公で姉のホン(虹)とラン(虎)の20年振りの再会は実の母親の死がきっかけだった。母親は心を病んでいて、母親は姉妹の体にひもを巻きつけて海に飛び込むという一家心中未遂の経験もあり、そんな母親に嫌気がさしたホンは祖母の家で暮らすことになり、ランは母親のもとに残ったのであるが、母親の介護をしているうちに衝動的にランは母親の顔を枕で覆って窒息死させてしまったのである。
 ランはホンと一緒に暮らし始めたのであるが、ランはホンに心を開くことなく家を出て行ってしまう。その後、ホンがランの消息を知ったのは日本でランが絞殺されて発見された時だった。ランはホンと名乗って売春で生計を立てていたことをランの日記で知ることになるのだが、日本に行ってホンはランの日本人の女友だちと世話になっていた日本人男性と出会う。
 その男性はランと一緒に行っていた森で遺体で発見されたと語り、ホンは男性と一緒に現場に行ってみるのだが、そこで男性はホンに会いたかったと言ってホンの首を軽く絞める。その時、ランを殺した犯人がその男性だと思ったホンは背後から男性を殴り殺すのである。
 現在と過去が複雑に交錯している本作を理解するのは大変なのであるが、ここには姉妹の父親が全く現れず根本的に男性に対する不信があると思う。しかしそれとは裏腹に2人の姉妹を写すカメラは姉妹をエロチックに撮ろうとし、そこに男性に対するアンビバレントな思いを感じるのである。


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