原題:『追龍』 英題:『Chasing the Dragon』
監督:バリー・ウォン/ジェイソン・クワン
脚本:バリーウォン
撮影:ジェイソン・クワン
出演:ドニ―・イェン/アンディ・ラウ/フィリップ・キョン/ケント・チェン/ブライアン・アーキン
2017年/香港・中国
「ドラゴンを追う」という意味について
英題の「Chasing the Dragon」とは沸き立つ煙が龍のように見えることから「アヘンやヘロインを熱してその煙を吸う」という意味がある。確かに主人公で1960年に中国の潮州から移民としてやって来たン・シーホウは麻薬を売って香港の闇社会でのし上がっていったのだが、1974年に「廉政公署(ICAC)」が設立され、香港警察署長のリー・ロックを頼れなくなったホウが捕まった時、まるで『ドラゴンへの道(The Way of the Dragon)』(1972年)や『燃えよドラゴン(Enter the Dragon)』(1973年)に主演し、大スターの地位を築きながら1973年7月20日に急死したブルース・リーを追うようにして失脚したように見えるのである。それでなければ本作の冒頭でわざわざ1973年の香港を映している意図が分からない。