原題:『いぬやしき』
監督:佐藤信介
脚本:橋本裕志
撮影:河津太郎
出演:木梨憲武/佐藤健/本郷奏多/二階堂ふみ/三吉彩花/濱田マリ/斉藤由貴/伊勢谷友介
2018年/日本
ハリウッド大作の後に観てはいけない日本のSF映画について
『GANTZ』(2011年)を手掛けた監督とあって、主人公で定年間際のサラリーマンの犬屋敷壱郎と高校生の獅子神皓の「サイボーグ化」のシーンは悪くないのではあるが、高齢者の「善」と若者の「悪」という単純な二項対立は最後までストーリーを弾けさせることがない。
SF映画にリアリティーを求めるのはナンセンスではあるのだが、さすがに獅子神皓がネットの画面を通じて指をさして「バン!」と言うだけで大量殺戮出来るという演出は手を抜いたという誹りは免れないのではないだろうか。
犬屋敷は娘の麻理、獅子神は幼なじみの安堂直行という理解者を得たというだけのラストのオチも弱い。原作にあった巨大隕石の話は製作費の都合で再現できなかったのであろうが、このメインのエピソードが抜けているために話が盛り上がらないのだと思う。