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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『TAP -THE LAST SHOW-』

2017-07-01 20:38:00 | goo映画レビュー

原題:『TAP -THE LAST SHOW-』
監督:水谷豊
脚本:両沢和幸
撮影:会田正裕
出演:岸部一徳/北乃きい/清水夏生/西川大貴/HAMACHI/太田彩乃/佐藤瑞季/前田美波里
2017年/日本

タップダンスに対する愛情の「弱さ」について

 かつて天才と呼ばれたタップダンサーの渡真二郎は1988年12月24日の舞台の最中に事故に遭い二度と舞台に立てなくなったのであるが、一緒に仕事をしていた「THE TOPS」の劇場支配人である毛利喜一郎の懇願で若手を集め、2017年5月28日に開催する舞台演出を引き受ける。
 噂通りにクライマックスのタップダンスのシーンは見応えがあるものの、それまでのストーリーがステレオタイプで雑な印象を受ける。例えば、知り合って間もないMAKOTOに関してRYUICHIが彼の恋人の森華の存在や彼女がキャバクラで働いていることまで何故知りえるのか疑問が生じるし、あるいはタップシューズを壊されたJUNが普通の靴屋で革靴を盗み、踊って靴の感触を確かめるところなど不自然であろうし、その後窃盗で捕まったはずのJUNがどのような経緯で許されたのかも描かれていない。水谷豊が40年も温めてきた物語という割にはストーリーの詰めが甘いと言わざるを得ない。むしろ『ラ・ラ・ランド』(デミアン・チャゼル監督 2016年)のようにストーリー全てをタップダンスで構成すればよかったのではないだろうか。


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