MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『20センチュリー・ウーマン』

2017-07-10 00:55:34 | goo映画レビュー

原題:『20th Century Women』
監督:マイク・ミルズ
脚本:マイク・ミルズ
撮影:ショーン・ポーター
出演:アネット・ベニング/エル・ファニング/グレタ・ガーウィグ/ルーカス・ジェイド・ズマン
2016年/アメリカ

男の存在意義も問われていた時代について

 1979年は国連総会で「女子差別撤廃条約(Convention on the Elimination of all forms of Discrimination Against Women)」が採択された年で、1970年代後半はロンドンでパンク・ロック・ムーブメントが起こる。
 ジュディ・ブルーム(Judy Blume)の『キャサリンの愛の日(Forever)』(1975年)、M・スコット・ペック(M.Scott Peck)の『愛すること、生きること(The Road Less Traveled)』(1978年)、スーザン・ライドン(Susan Lydon)の『The Politics of Orgasm(オーガズムのポリティクス)』(1970年)、ゾーイ・モス(Zoe Moss)の『It Hurts to be Alive and Obsolete: The Aging Woman(生きて廃れることは問題だ。年老いる女性)』(1970年)など既に女性の地位向上のための議論は熟成されつつあったのだが、テクニックではなく魂で弾くパンクロックの出現は時期同じくしたウーマンリブ運動の勃興に助けられたというのが本作のテーマである。
 主人公で15歳の高校生のジェイミー・フィールズはシングルマザーのドロシーと共に、子宮頸がんを患うアビゲイル・ポーターと、しばしば夜中に彼のベッドにもぐりこんで添い寝をしながらそれ以上はさせない幼なじみのジュリー・ハムリンに囲まれ、男としてなすすべがないのである。


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