goo blog サービス終了のお知らせ 

MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

勝利か魅了か?

2011-09-28 00:53:26 | Weblog

落合監督“電撃退任”のウラ…中日にしたたか計算あり!(夕刊フジ) - goo ニュース

 選手としての落合博満に関するならば文句のつけようはないのであるが、監督としての

采配はやはりつまらないと思う。特に2007年の日本シリーズの完全試合目前だった

山井大介を9回で岩瀬仁紀に交代させたことはいまだに納得がいかない。結果的に

勝利はしたが、どう考えても岩瀬が確実に抑える保証などどこにもないからである。

このことで思い出すことは1984年のオールスターゲーム第3戦の江川卓の投球である。

江川は新記録の10者連続奪三振を狙うため、9人目の大石大二郎に振り逃げを

させるつもりでカーブを投げたというものである。恐らく江川卓は長嶋茂雄と同じように

“魅せる”野球を目指していたはずであり、だから“魅せる”方を重視すると記録的には

恵まれなくなる。後任に高木守道に決まったようだが、新鮮な人材はいないのだろうか

江川のような人が監督になれば野球は面白くなるはずなのであるが。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ゴーストライター』 90点

2011-09-28 00:49:39 | goo映画レビュー

ゴーストライター

2010年/フランス=ドイツ=イギリス

ネタバレ

疑いすぎた時の人の習性について

総合★★★★☆ 90

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 作品冒頭の説明は既に何度もされているので、ラストシーンの説明から始めてみたい。明らかにラストシーンは『現金に体を張れ』(スタンリー・キューブリック監督 1956年)のラストシーンを‘引用’していると思うが、それにしてもゴーストライターの主人公が‘殺された’のであるならば余りにも呆気ないように感じる。この疑問から物語を逆に辿ってみよう。
 ここでの主人公の行動が奇妙である。彼がルース・ラングの正体を知ったのであるならば、そのことをルースに知らせずに黙って帰るはずである。前任者の乗ったクルマのナビゲーションの誘導で主人公はポール・エメットの家にたどり着くのであるが、CIA諜報員のエメットが何故ナビゲーションの記録を消していないのか? その直後に謎のクルマに尾行されるのであるが、本当に尾行されていたのかどうかはっきりしない。近所に住んでいる老人にフェリーから落ちて死んだ前任者があんな場所に流されてくるはずがないと指摘されるが、警察にそのことを証言していない老人の言うことを主人公は確かめることなく信じてしまう。
 原稿の最初(=the beginning)に真実が書かれているとリチャード・リカルトに教えられたが何も分からず、最後にアメリアに原稿の各々初め(=the beginnings)と言われて主人公は「ラングの妻ルースはハーバード大学のポール・エメット教授にCIA諜報員として雇われた。(Lang's wife Ruth was recruited as a CIA agent by Professor Paul Emmett of Harvard University.)」という文章を‘作り出す’のであるが、『ビューティフル・マインド』(ロン・ハワード監督 2001年)で描かれているように、偶然でこのようなことはありえるし、わざわざこのようなトリックを仕掛ける意図も不明である。だから私は全ては主人公の思い込み、つまり存在しないこと(=ゴースト)の物語であり、ただ私たちが見た通りのことが起こっただけで、結局前任者も主人公もたまたま事故で死んだと見倣すならば、この物語は整合性を持ち、この偶然性こそがこの作品の醍醐味だと思うのである。
 まさか、私も思い込みで作り話をしているのであろうか?

 ところで週刊新潮の9月15日号の「世間の値打ち」というコラムで文藝評論家の福田和也氏が「そんなに良いか? ポランスキー新作」というタイトルで、散々蘊蓄のあるところは披露しておきながら、肝心の本作に関しては「だって、つまらないんだもの」という、評論家として一番言ってはいけない一言で片付けてしまっている。つまらないのは『ゴーストライター』よりも福田和也氏の駄文であることは間違いない。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする