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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター』 100点

2011-09-19 23:53:54 | goo映画レビュー

ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター

2009年/アメリカ

ネタバレ

パンクロックの精神

総合★★★★★ 100

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 最初は誰もが疑問を抱くであろう。何故ジミー・ペイジ、エリック・クラプトン、ジェフ・ベックの3人ではないのかと? もしかしたら監督は企画当初はその3人で撮りたかったのかもしれないが、同世代ではなくて敢えて元レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジに、U2のジ・エッジと元ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトという3世代のロックギタリストを揃えたところが思いもよらぬドラマを生み出している。
 作品冒頭でジャック・ホワイトが板と一本の弦とコーラの瓶でエレキギターを作り出すところからも分かるように、この作品は‘パンクロック’に関する考察である。どう見ても‘いじめっ子’であるはずのジャック・ホワイトが実はいじめられっ子だったという話から驚かされたのであるが、それが彼にギターを持たせた誘引となる。彼が過ごしたデトロイトではヒップホップが主流で、ロックはかっこ悪いものだったらしいが、彼は敢えてロックを選んだ(因みにヒップホップを選んだ人物がエミネムである)。あまり乗り気ではなかった姉のメグ・ホワイトを担ぎだしてザ・ホワイト・ストライプスを結成した時に、赤と白と黒をイメージカラーとしてアイドルのようにして売り出したことなどが語られており、ジャック・ホワイトほどの実力があっても売れるまでにはかなりの苦労があったことが分かった。
 ジ・エッジは出身地のアイルランドの紛争が彼のロックの原点であることは知っていたが、『Top of the Pops』のザ・ジャムを見てパンクに目覚めたようで、さらに弾く音数を減らしてエフェクターを駆使することで彼独特のギターサウンドが生まれる。
 ジャック・ホワイトとジ・エッジという‘パンクロッカー’に対して、何故‘正統派’のジミー・ペイジなのか不思議だったのであるが、実はジミー・ペイジこそ元祖‘パンクロッカー’であることが分かる。ジミー・ペイジが音を持続させるためのエフェクターを探していた時に、友人が持ってきたものがディストーションであったところから、後の‘レッド・ツェッペリンサウンド’が生まれるのであるが、スタジオミュージシャンとしてキャリアを積み上げてきたジミー・ペイジは自分の好きな音が作れなかったことでかなりストレスがたまっていたらしく、ザ・ヤードバーズを経てレッド・ツェッペリンにたどり着いた彼の‘リフ’を重ねる曲作りはパンクロックミュージックの元祖と言えるし、弓を使ったギター奏法やダブルネックギターの開発やテルミンの使用など、新しいことを試みるジミー・ペイジの音作りは正にパンクロックそのものなのである。
 そしてラストの3人によるセッションが始まる。見逃されやすいが本作の見どころはここに尽きる。ザ・バンドの名曲「ザ・ウェイト(The Weight)」をアコーステックギターで演奏する準備中に、ギタリストならば誰でも弾けて当たり前の曲であるにも関わらず、何とジャック・ホワイトはジミー・ペイジにコードを確認しているのである。さらに驚くべきことはジ・エッジは歌の出だしのコードを間違って弾いてしまうのである。「G」の次の「Bm」を間違っていることに間違いなくジミー・ペイジは気がついているはずなのであるが、彼はジ・エッジが気がつくまで何も言わない。ジ・エッジが「Bm」を弾き出してようやく「音がきれいになった」と言うだけである。彼らは3人ともに‘正しい音楽理論’など気にしていないのである。いつでも新しい音を追究しようとすることこそがパンクロックの精神であろう。私は老いてもなお柔軟な精神を持ち、いまだに‘間違い’を‘正しい’ものにしようと密かに試みるジミー・ペイジに感心してしまった。


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道徳上の過ちの扱いの違い

2011-09-19 17:51:39 | Weblog

「道徳上の過ち」IMF前トップ認める 仏テレビで証言(朝日新聞) - goo ニュース
伊首相、政府専用機に売春婦乗せる?盗聴で発覚(読売新聞) - goo ニュース

 ドミニク・ストロスカーン国際通貨基金(IMF)前専務理事は強姦未遂などの容疑で

逮捕されるまで、来年の大統領選で現職のサルコジ大統領と争う最大野党の社会党の

最有力候補とみられていたが、結局10月に投開票される社会党予備選への出馬を断念

してしまった。他方、ベルルスコーニ首相は売春婦を政府専用機に乗せたり、少女買春

などやりたい放題である。フランスとイタリアは隣接しているにも関わらず、非常に類似した

性癖に対するこの極端な扱いの違いは何なのかと考えてみたが、トップに立つまで

我慢出来るか出来ないかのごくわずかの差なのだと思い至った。


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