ケンのブログ

日々の雑感や日記

大相撲春場所四日目 高安負傷

2020年03月11日 | 大相撲
大相撲春場所、四日目結びの一番。鶴竜と高安の取り組み。鶴竜はもろざし。高安外四つの展開。鶴竜は外四つの高安に右からおっつけられて土俵際に詰まる場面があった。

そのあとも外から締め付けられて回しが引けず苦しい展開。しかし高安も決していい体勢ではなく長身なのに外四つで窮屈そうに構えていた。

高安はその後寄ったけれど鶴竜の一枚回しが伸びて腰高の寄りになる。回しが伸びたこともあるけれど、それにしても高安は腰が高い。

そこを鶴竜にまわりこみながら突き落とされた。そのとき左のつま先が俵にかかり足の自由を失ったため、左足が伸び切った状態でこけることになってしまった。

土俵にこけた高安は起き上がれずうめき声を発していた。このブログ記事を書いている段階でまだどんな怪我かニュースを確認していないけれどあれだけ伸び切った状態で何百キロという力がかかればかなり大きな怪我のように思う。

高安が土俵から降りたあとアナウンサーが「鶴竜心配ですね」と言った。確かに鶴竜も勝つには勝ったけれど相手にもろざしをゆるし土俵際の逆転の突き落としでは、今場所のこれからの相撲は心配。もっと高安に元気があったらおっつけで持っていかれる展開であったように思う。

ところが解説の北の富士さん、アナウンサーに「鶴竜心配ですね」と振られたとき。「タ」という音声を口から発して言葉が出てこなかった。タは高安のタであろうと察したアナウンサーは「高安の怪我は確かに心配です。しかし鶴竜の相撲内容も心配ですね」と念を押した。

北の富士さんは心ここにあらずという感じで「まあ、そうですね」と言った。あの場面は北の富士さん。高安の怪我のことで頭がいっぱいになってしまってなかば放心状態であったと想像する。

こういうのって人柄だなと思う。高安が大関で怪我を押して無理に出場していたとき「こんな相撲を取ってるくらいなら休めばいいんですよ」というようなことを北の富士さんは言っていた。

あのときは本当に心配して北の富士さんは言っていたのが、今になってわかる。「休めばいい」と一見、辛口の発言のようにも思えるけれどよく考えて言っておられるんだなと思う。

まだ僕が小学生の頃、北の富士さんと一緒に横綱を張っていた玉の海がなくなったとき車から降りた北の富士さんに記者がマイクを向けたら、北の富士さんは、ハンカチで目を拭いながら「むごい。かわいそうに」と言ってあとは言葉にならなかった。

次の日の新聞の見出しは「むごい、かわいそうに。北の富士男泣き」だった。あのころから北の富士さんの気質って根本は変わらないなと思う。