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「蟹工船」日本丸から、21世紀の小林多喜二への手紙。

小林多喜二を通じて、現代の反貧困と反戦の表象を考えるブログ。命日の2月20日前後には、秋田、小樽、中野、大阪などで集う。

今日は多喜二関係データの整理日だった。

2010-05-09 23:08:48 | 多喜二研究の手引き
2009年6月以降のデータの整理をやっていた。
多喜二フォルダだけで20Gを超えてしまった。

もちろん重複しているデータもあるのだけれど、
データを統合するだけでまる一日PCが塞がってしまった。

こんな日が続くかもしれず、
このプログの新規投稿をする余裕のない日がしばらく続くかもしれません。


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浦西和彦著述と書誌 第二巻 現代文学研究の基底

2010-05-08 13:17:44 | 多喜二研究の手引き

 

ISBN:978-4-7576-0477-3 C3395

 

浦西和彦著述と書誌 第二巻 現代文学研究の基底

定価(税込) : \15,750
表紙 著作者よみ : うらにしかずひこ 
著者名 : 浦西和彦 著著書を検索
出版社 : 和泉書院 <NOBR>近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web</NOBR>
発売日 : 2009年2月20日
ジャンル : 散文 - 近代・現代
判型A5/625頁
《島木健作訊問調書など珍しい資料を多数収録》

明治の文学雑誌「葦分船」や森田草平の「煤煙」論から現代作家の田辺聖子らまで、日本近代文学の多彩な問題を、独自の視点から自在に照射する。内閣情報局が所蔵していた東条英機総理大臣の花押がある資料「日本文学報国会法人設立許可一件書類」「大日本言論報国会法人設立許可一件書類」などの紹介による太平洋戦争下の国家統制の問題も論じる。島木健作訊問調書など珍しい資料が多くある。

目次


「文学新聞」(日本プロレタリア作家同盟発行)について/プロ演劇におけるリーフレットをめぐって―「左翼劇場パンフレツト」「タワーリシチ」「同志」「演劇新聞」―/「プロレタリア演劇」と「プロット」/青山毅編『プロレタリア文化連盟』―日本プロレタリア文化連盟結成に至る経過を年譜風に―/日本プロレタリア美術家同盟(略称P・P)活動日誌―昭和七年三月十六日~五月二十二日―/貴司山治と「文学案内」/島木健作(朝倉菊雄)訊問調書抄/日本文学報国会・大日本言論報国会―その結成過程をめぐって―/山内謙吾資料(関西大学総合図書館所蔵)について―黒島伝治未発表はがき二通の紹介―/文学史研究から文学運動研究へ(鼎談)谷沢永一・浦西和彦・青山毅

森田草平著『煤煙』論の前提/大田洋子の初期作品について―「流離の岸」を中心に―/岩下俊作「熱風」/織田作之助と太宰治/大阪近代文学と田辺聖子

文藝雑誌「葦分船」/文藝雑誌「反響」/《夕刊流星号》の光芒―「夕刊新大阪」について―

「労農文学」のこと/多喜二・伝治・直と「文学新聞」/マルクス主義藝術研究会のこと/浅田隆著『葉山嘉樹論―「海に生くる人々」をめぐって―』/葉山嘉樹「淫売婦」の女/小林多喜二「党生活者」のヨシ/藤森成吉「何が彼女をそうさせたか?」のすみ子/百合子と「日本時報」のことなど/広野八郎著『葉山嘉樹・私史』―解説にかえて― /葉山嘉樹と室蘭/落穂拾い/『徳永直』〈人物書誌大系一〉を上梓して/『徳永直』〈人物書誌大系一〉のこと/宮嶋資夫と葉山嘉樹 /蔵原惟人・中野重治編『小林多喜二研究』/青山毅著『総てが蒐書に始まる』/わたしの古本屋めぐり/里村欣三のはがき/『日本プロレタリア文学書目』について/江口渙著『わが文学半生記』/書誌偶感〈私の書誌作法〉/宮本顕治著『百合子追想』/高崎隆治著『従軍作家 里村欣三の謎』/臼井吉見編『宮本百合子研究』/『藤森成吉文庫目録』によせて―思想形成をたどる資料―/もっと書誌を!/開高健のことなど/平野栄久著『開高健―闇をはせる光茫―』/図書館へのいざない―小説の中の図書館―/『開高健書誌』について/図書館情調/『織田作之助文藝事典』を作り終えて/広野八郎氏のこと/関西大学図書館大阪文藝資料/開高健作品の上演/青野季吉著『転換期の文学』/『大田洋子』〈作家の自伝〉解説/青山毅氏と『本庄陸男全集』/葉山嘉樹断片/浅田隆著『葉山嘉樹―文学的抵抗の軌跡―』/尾上蒐文洞の「古本屋日記」/葉山嘉樹・人と文学/「妻の座」「岸うつ波」のこと/松本克平のこと/北條秀司著『信濃の一茶・火の女』後記/『徳永直』〈作家の自伝〉解説/日本プロレタリア作家同盟にいま想うこと/『伊藤永之介文学選集』解説/天野敬太郎編『雑誌総目次索引集覧増補版』について/書誌について/『関西大学図書館影印叢書』第一期完結―貴重書を一般公開―/『武田麟太郎』〈作家の自伝〉解説/佐藤春夫「のんしやらん記録」のこと/伊藤永之介/『大阪近代文学作品事典』のこと/徳永直全集のこと/徳永直著『太陽のない街』のこと/『大阪近代文学事典』を刊行して/『大阪近代文学事典』に思うこと/貴司山治と『ゴー・ストップ』/河野多惠子著『臍の緒は妙薬』―理屈と対極の独創性―/一つの文学史的事件/いつ「続夫婦善哉」を執筆したか
人名索引
書名・記事名索引
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i国文学研究資料館 外国語による日本文学研究論文(1)

2010-05-08 09:57:48 | 多喜二研究の手引き
1073. 近代文学, 小説, 党生活者, 小林多喜二, チェコ語, Zivot pro ty druhe, Vlasta
Hilska, Praha NV, 1963

1148. 近代文学, 小説, 蟹工船, 小林多喜二, ポーランド語, Polawiacze krabow,
Andrzej Kamien, 95, Czytelnik 出版, 1953
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秋田県立大学 文化学Ⅱ シラバス

2010-05-08 09:53:40 | 多喜二研究の手引き
授業科目名 必修・選択開講セメスター 単位数担当教員名
文学・文化学Ⅱ 全学科選択2・4・6・8 2 高橋秀晴
授業の目標
日本文化の特質を概括した上で、それぞれの地方に固有の美や価値観について、風土論の立場か
ら考察する。なお、具体的到達点としては、以下の三点を想定している。
(1)日本文化の基本的傾向について理解できる。
(2)東北・秋田の風土と文化の関わりについて指摘できる。
(3)自分の出身地の文化的風土性について理解できる。

授業の概要・計画

第1週 オリエンテーション①
文化学とは何か、及び、教科書、講義・演習形態、評価等について説明する。
第2週 オリエンテーション②
日本文化の特質について概説する。
第3週 東北地方の文化的・風土的特質を概観する。
第4週 秋田県の文化的・風土的特質を概観する。
第5週 小林多喜二の文学史的意義について考察する。
第6週 プロレタリア文学活動と風土性との関係性について考察する。
第7週 伊藤永之介が農民文学に接近した経緯について考察する。
第8週 松田解子の生い立ちについて考察する。
第9週 政治と文学の関わりについて考察する。
第10週 石川達三と秋田時代について考察する。
第11週 矢田津世子における五城目町の意味を考察する。
第12週 千葉治平の故郷観について考察する。
第13週 高井有一の角館観の変遷について考察する。
第14週 風土と文化の関わりについて考察する。
第15週 期末試験(筆記用具持参のこと。)
成績評価の方法
○試験(またはレポート)・発表・出席状況等によって総合的に判断する。
テキスト・参考書等
○開講時に指定。
履修上の留意点
○対象とした作家・作品について発表し合うという演習形式を採る。
備考
○講義外の幅広い読書・思索活動を強く期待する。





                        
授業科目名 必修・選択開講セメスター 単位数担当教員名
文学・文化学Ⅲ 全学科選択2・4・6・8 2 高橋秀晴
授業の目標
資料の検索方法、原稿用紙の使い方、レポート・論文の基礎的ルールの確認等を通じて、文書作成の手順を理解し、文章表現力をつける。また、スピーチを通じて、音声言語表現能力を高めると共に、問題意識の涵養に努める。具体的な到達点は以下の三点。
(1)作文の基本ルールに基づいた文章作成をすることができる。
(2)個性豊かな表現をすることができる。
(3)現代的テーマに関する自分なりの見解を持つことができる。

授業の概要・計画
第1週 オリエンテーション①
表現行為、及び、教科書、講義形態、評価について説明する。
第2週 オリエンテーション②
表現方略としての意味マップ法について説明する。
第3週 自己紹介という形式で自己表現する。
第4週 「高校生の私へ」というテーマで文章を書き、自己認識の手がかりとする。
第5週 テーマの設定方法について、具体的事例を使って説明する。
第6週 テーマに基づいて調査を進める方法について説明する。
第7週 調査内容や収集材料を如何にしてまとめるか説明する。
第8週 討論の意味と方法について説明する。
第9週 手紙文の形式について説明する。
第10週 手紙文の内容について説明する。また、特定の相手を想定した手紙文を書く。
第11週 実験ノートの作成方法について説明する。
第12週 実験レポートの作成方法について説明する。
第13週 論文の執筆に関する基本的事項について説明する。
第14週 パーソナルコンピュータの利用方法の可能性について説明する。
第15週 表現行為の意義について、実作体験を振り返りつつまとめる。
成績評価の方法
○レポート・発表・出席状況等によって総合的に判断する。
テキスト・参考書等
○開講時に指定。
履修上の留意点
○全員にスピーチと1,200字程度の小論文(数回)を課す。
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会津大学 H5 文学 シラバス

2010-05-08 09:50:03 | 多喜二研究の手引き
H5 文学
•開講学期: 前期・後期
•標準配当年次: 1, 2
•科目種別: 選択
•単位数: 2.00
•責任者:後藤 康二
•担当教員: 後藤 康二
授業の概要
 日本の近代小説の代表的な作品を十編を選んで講義する。
 日本の近代小説は、1900年代のはじめに現在行われているような小説形式が一応整い、その後約一世紀の間にさまざまに変化してきた。その時々に描かれた文学的世界と歴史の関係を、作品の読みを通して考えるのがこの授業の目的である。テクストは気楽に読める軽い読み物よりも、夏目漱石や島崎藤村、芥川龍之介など、なるべく近代の古典と呼ばれる小説をとりあげて説明していく。


授業の目的と到達目標
 この授業の目的と到達点は以下の通りである。
・学生がより多くの優れた文学作品を読むこと。
・文学作品の読みを通して、日本の近代社会や歴史を考えること。
・文学に親しむことによって、歴史や文化についての自分なりの考え方や意見を持つことが期待される。

授業スケジュール
・はじめに:文学とは何か?:「竹取物語」を例に
・夏目漱石「坊つちやん」(1906明39):語りのしくみと、漱石の「反」近代
・島崎藤村「破戒」(1906明39):近代社会の矛盾
・宮沢賢治「銀河鉄道の夜」(1924明24):ほんとうの幸
・芥川龍之介「歯車」(1927昭2):ぼんやりとした不安
・小林多喜二「蟹工船」(1929昭4):搾取と人間の連帯
・火野葦平「麦と兵隊」(1938昭13):日本の戦争と文学を今考える
・中間討論:前半で扱った作品とテーマについて意見交換を行う。
・大江健三郎「芽むしり、仔撃ち」(1958昭33):戦中の記憶
・安部公房「砂の女」(1962昭37):高度経済成長の中の人間
・吉本ばなな「TUGUMI」(1989平元):八〇年代の文学(1)
・村上春樹「ノルウェイの森」(1987昭62):八〇年代の文学(2)
・その他
・まとめ
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山形大学 日本文学概論 シラバス

2010-05-08 09:42:40 | 多喜二研究の手引き
日本文学概論
 Introduction to Japanese Literature at an Advanced Level
 担当教員:中村 三春(NAKAMURA Miharu)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義

【授業概要】
・テーマ

《日本文学研究法/有島武郎・表象と様式》
 第1部においては、古典と現代とに共通の、一般的な日本文学研究法について概説する。第2部においては、作家有島武郎の業績を題材として、現代的な文学研究の理論と実際を身につける。
・ねらい

日本文学研究の基礎的方法論を身につけ、文学の分析手法を習得する。
・目標

日本文学研究法の知識を中間試験で表現し、小説分析の能力を期末レポートで表現する。
・キーワード

日本文学研究法 大正文学史 昭和文学史 日本近代文学

【授業計画】
・授業の方法

プリント資料と、パワーポイントのスライドを使用する。
・日程

第1部 日本文学研究法
1 日本近代「国文学」のあゆみ
 明治―大正―昭和
2 基本的方法論
 文献学―文芸学―民俗学―歴史社会学
3 現代的方法論
 記号学―精神分析―文化研究
第2部 有島武郎・表象と様式
1 芸術史的転回
(文体・様式の観点から、有島文芸が近代から現代への表現史的飛躍を実現した経緯を具体的に探究する)
2 創造的生命力
(W・ホイットマンの影響下に成立した創造的生命力の思想が、いかに変化して独自の展開を遂げたかを検証する)
3 小説構造論
(書簡体・日記体・欧文脈・内的独白・対話体などの多彩な小説構造による、悲劇的な物語が表現される様相を探る)
4 表象の可能性
(知識人論・前衛党主義に対して原則的な(自己)批判を行った有島と、それを取り上げて小林多喜二らを批判した平野謙ら「政治と文学」論争の本質を追究する)

【学習の方法】
・受講のあり方

プリント資料と、パワーポイントのスライドを読み、講義を聞いて補足事項を書き込むこと。
・予習のあり方

日本文学全般についての知識を高めること。
・復習のあり方

授業内容を確認して、自分の身につけること。

【成績評価の方法】
・成績評価基準

筆記試験により、授業内容の修得程度を見極める。レポートにより、研究方法への習熟度を確かめる。
・方法

・中間テスト(50点)
・期末レポート(50点)
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お茶の水女子大 日本近現代言語表象分析論特論 シラバス

2010-05-08 09:41:21 | 多喜二研究の手引き
日本近現代言語表象分析論特論 / 日本近代文学論講読(近代)[09H1028]科目名 日本近現代言語表象分析論特論 / 日本近代文学論講読(近代)[09H1028]
科目区分・科目種 比較社会文化学専攻科目
クラス 比較
単位数 2.0単位

担当教員・所属 竹内 栄美子[文教育学部]
主担当学科 比較社会文化学専攻 日本語日本文学コース
連絡場所

履修年次 1 ~ 2年
学期 前期
曜日・時限 月曜 7.0~8.0
教室 ①文教育学部1号館308室

受講条件・その注意
特になし。

授業の形態
講義

教科書・参考文献
教科書は使用しない。参考書は授業中に提示する。

評価方法・評価割合
小論文(レポート)=80%,出席=10%,その他=10%

主題と目標
戦間期の思想と文学――モダニズム文学とプロレタリア文学
第一次世界大戦と第二次世界大戦というふたつの戦争の間の時期には、モダニズムが促進されアヴァンギャルド芸術運動やプロレタリア文学運動など、文化・芸術の領域で新しい試みが世界的に展開した。日本もその例外ではなく、世界の動きに連動した新たな文学表現が現出した。本講義では、1923年の関東大震災のあたりから1930年代半ばまでの時期における日本の文学と思想の結びつきについて考察する。

授業計画
第1回 ガイダンス――1920年代から1930年代にかけての見取り図 
第2回 関東大震災と芥川龍之介の死 
第3~4回 円本時代に見る出版ブーム 
第5~6回 モダニズムの時代の到来――「文芸時代」など 
第7~8回 アナーキズムからアヴァンギャルドへ――大杉栄、村山知義など 
第9~10回 プロレタリア文学とは何か――「種蒔く人」「文芸戦線」「戦旗」 
第11~14回 思想と文学との結びつき――葉山嘉樹、佐多稲子、小林多喜二、中野重治など 
第15回 まとめ

学生へのメッセージ
『蟹工船』ブームなど、プロレタリア文学が再読されている現在、具体的に作品を読みながら改めて当時の文学状況を確認したいと思います。問題意識を持った学生諸君の受講を期待します。
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徳島文理大学 日本文学演習Ⅱb  シラバス

2010-05-08 09:40:04 | 多喜二研究の手引き
【科目名】 日本文学演習Ⅱb 科目番号 00059 担当教員名 上田 穂積 単位 2単位
科目群 専門 必修・選択 選択 開講期 通年 対象学年 3年
授業概要 及び 到達目標
(授業目的・方針 等) 演習Ⅰでの実践を踏まえて、研究における「巨視と微視」の態度を身につける。本年度は、1920年代から1930年代にかけての(大正9年前後から昭和14年頃)の文学の諸相について考える。
授業計画
【1】発表の方法(1)ーレジュメの作成方法
【2】発表の方法(2)ー図書館での調査の仕方
【3】発表の方法(3)ー図書館での調査結果発表と参考文献の読み方
【4】「1920年代の文学」とは何かー講義
【5】「1930年代の文学」とは何かー講義
【6】演習発表(1)ー文学史における問題点についてー高見順『昭和文学盛衰史』
【7】演習発表(2)ー文学史における問題点についてー平野謙『昭和文学史』
【8】演習発表(3)ー「大正文学」とは何か(1):志賀直哉について
【9】演習発表(4)ー「大正文学」とは何か(2):志賀直哉「城の崎にて」
【10】演習発表(5)ー「大正文学」とは何か(3):葛西善蔵「子をつれて」
【11】演習発表(6)ー「大正文学」とは何か(4):宇野浩二「藏の中」
【12】演習講義(1)ー関東大震災と文学
【13】演習発表(7)ー関東大震災後の文学:谷崎潤一郎「痴人の愛」
【14】演習発表(8)ー芥川龍之介の文学(1):「河童」と「玄鶴山房」
【15】演習発表(9)ー芥川龍之介の文学:「或阿呆の一生」と「歯車」
【16】講義演習(2)ー「文藝時代」と「文藝戦線」の創刊
【17】演習発表(10)ー新感覚派の文学:横光利一「春は馬車に乗って」と川端康成「伊豆の踊子」
【18】演習発表(11)ープロレタリアの文学:葉山嘉樹「海に生くる人々」
【19】演習発表(12)ー〈群衆〉の文学(1):横光利一「上海」
【20】演習発表(13)ー〈群衆〉の文学(2):小林多喜二「蟹工船」と徳永直「太陽のない街」
【21】演習発表(14)ー都市のラビリンス(1):江戸川乱歩「押し絵と旅する男」と梶井基次郎「檸檬」
【22】演習発表(15)ー都市のラビリンス(2):龍胆寺雄「放浪時代」と川端康成「浅草紅団」
【23】演習発表(16)ー〈前衛〉という方法(1):川端康成「水晶幻想」と横光利一「時間」
【24】演習発表(17)ー〈前衛〉という方法(2):伊藤整「生物祭」と堀辰雄「風立ちぬ」
【25】演習発表(18)ー自己表象としての〈私〉:井伏鱒二「夜ふけと梅の花」と尾崎一雄「暢気眼鏡」
【26】演習発表(19)ー「文藝復興」という現象(1):宇野浩二「枯木のある風景」と徳田秋声「町の踊り場」
【27】演習発表(20)ー「文藝復興」という現象(2):谷崎潤一郎「春琴抄」と「吉野葛」
【28】演習発表(21)ー「文藝復興」という現象(3):小林秀雄「故郷を失った文学」と「私小説論」
【29】演習発表(22)ー「文藝復興」という現象(4):中野重治「村の家」と「歌のわかれ」
【30】演習発表(23)ー「文藝復興」という現象(5):島崎藤村「夜明け前」
【31】演習発表(24)ー「文藝復興」という現象(6):宇野千代「色ざんげ」と岡本かの子「鶴は病みき」
【32】演習発表(25)ー〈饒舌〉という手法:高見順「故旧忘れ得べき」と太宰治「道化の華」
【33】演習発表(26)ー抵抗としての〈無頼〉:坂口安吾「」と石川淳「」
【34】演習発表(27)ー「国民文学」というベストセラー:吉川英治「宮本武蔵」
【35】演習発表(28)ー昭和の闇/奇書の光:夢野久作「ドグラマグラ」
授業方法
演習形式:ゼミに所属した学生は、最初の授業時に自ら選択・決定した課題に従って発表を行う。その際には、図書館での調査、対象テクストの綿密な読み込み、先行研究の十分な受容がなされた詳細なレジュメを用意し、臨まなければならない。そして、自己の独創的な見解を約25分にわたって発表する。他のゼミ生は、自分なりの準備をして授業に臨み、批判的な態度で質疑を行い、討論に参加しなければならない。その合間に発表に対するレポートを書く(授業終了時に提出)。また、司会者は発表およびその後の質疑応答と討論を主導しなければならない。発表者は、発表終了後1週間以内に発表報告書を教員に提出しなければならない。以上のこと何一つ欠けても、授業に参加したことにならないことを銘記しておくこと。
評価方法
原則として、学生による発表内容に基づき評価する。その際、発表に到るまでの日常的学習態度や状況を十分に考慮する。また、発表者の無断欠席や遅刻は減点の対象とする。発表者以外の学生についても、その準備不足や真摯な態度に欠ける発言やまったく質問をしなかったり、意見を述べない行為は、積極的な授業参加ではないので、単位の認定対象外となるのでくれぐれも注意すること。
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いわき明星大学 日本文学講義ⅢB(近代)(2単位)シラバス

2010-05-08 09:38:37 | 多喜二研究の手引き
人文学部 表現文化学科(言語文化学科) 科目
日本文学講義ⅢB(近代)(2単位)
担当者
能地 克宜
教育目標
大正12(1923)年9月1日に発生した関東大震災の翌年、雑誌『文芸戦線』と『文芸時代』が創刊された。ここに集った同人たちはやがてプロレタリア文学とモダニズム文学という潮流を形成し、既存の自然主義リアリズム文学の勢力を凌ぐかたちで、以後昭和初年代を通じで日本近代文学の大きな柱として展開していくことになる。そこで、プロレタリア文学及びモダニズム文学(新感覚派・新興芸術派・新心理主義)の代表作を読み、同時代の既成リアリズムの作品との差異をふまえながら大正末期から昭和初年にかけての日本近代文学の特質を捉え、この時期の文学状況を理解することをこの講義の目標とする。
授業内容
No. 項     目 到 達 目 標
1 ガイダンス プロレタリア文学・モダニズム文学の概説、講義の進め方、参考文献の紹介等を行う。
2 葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」を読む 初期プロレタリア文学の特質及び『文芸戦線』の文学史的意義を理解する。
3 葉山嘉樹「淫売婦」を読む 初期プロレタリア文学の特質及び『文芸戦線』の文学史的意義を理解する。
4 横光利一「頭ならびに腹」を読む 新感覚派及び『文芸時代』の文学史的意義を理解する。
5 川端康成「伊豆の踊子」を読む 新感覚派及び『文芸時代』の文学史的意義を理解する。
6 徳田秋声「未解決のまゝに」を読む 既成リアリズム文学の同時代における動向を確認する。
7 徳田秋声「元の枝へ」を読む 既成リアリズム文学の同時代における動向を確認する。
8 小林多喜二「蟹工船」を読む① プロレタリア文学全盛期の状況を他の作品と比較しながら理解する。
9 小林多喜二「蟹工船」を読む② プロレタリア文学全盛期の状況を他の作品と比較しながら理解する。
10 梶井基次郎「檸檬」を読む 新興芸術派の特質及び文学史的意義を理解する。
11 井伏鱒二「山椒魚」「鯉」を読む 新興芸術派の特質及び文学史的意義を理解する。
12 横光利一「機械」を読む 新心理主義の特質及び文学史的意義を理解する。
13 堀辰雄「聖家族」を読む 新心理主義の特質及び文学史的意義を理解する。
14 室生犀星「化粧した交際法」を読む 新心理主義の特質及び文学史的意義を理解する。
15 まとめ 教場試験によってプロレタリア文学・モダニズム文学への理解を確かめる。



評価方法
教場試験、出席状況、授業態度によって総合的に評価する。
教科書
特になし。講義で取り扱う作品の収められた書物のリストを初回に配布する。
講義で取り扱う作品のうち、入手困難なものは予めプリントで配布する予定である。それぞれの作品を扱う講義までに目を通しておくように。
参考書
近代文学年表 年表の会 双文社出版 1,260円
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小林多喜二 18歳のときの小説

2010-05-07 22:49:19 | 多喜二研究の手引き
小林多喜二 18歳のときの小説

NHKニュースより

小説「蟹工船」(かにこうせん)で知られる近代プロレタリア文学を代表する作家、小林多喜二が18歳のときに書いた、これまでに知られていなかった小説が新たに見つかり、多喜二の歩みをたどる貴重な資料として注目されています。

小林多喜二は昭和の初めを中心に活動し、「蟹工船」などの小説を残した近代プロレタリア文学を代表する作家で、30年の短い生涯のほとんどを北海道の小樽市で過ごしました。今回見つかったのは、多喜二が小樽高等商業学校に在学中の大正10年、18歳のときに書いた小説で、当時の日刊紙「国民新聞」に投稿しました。

別の研究で新聞を調べていた岡山大学の大学院生が偶然見つけ、小樽市の市立小樽文学館が調査した結果、これまで知られていなかった作品とわかりました。作品は「スキー」という題の400字詰めの原稿用紙6枚半の短編小説で、日露戦争で負傷して下半身が不自由になった高校教師が授業で生徒にスキーを教えるため賢明に練習する姿を描いています。

小樽文学館の玉川薫副館長は「実在の人物をモデルにした作品で、多喜二が社会的弱者に寄せていた思いが伝わってくる」と話しています。
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09/10/24 土スタ「外事警察」

2010-05-06 21:58:30 | 多喜二研究の手引き
09/10/24 土スタ「外事警察」


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蟹工船

2010-05-05 23:26:09 | 多喜二研究の手引き

読書感想文(2008年)

2007年、白樺文学館主催で蟹工船の読書感想文コンテストが行われた。特色として、漫画版の感想文でも可とした点、当時話題となっていた「ネットカフェ難民」に因みインターネットカフェからの感想文応募部門が設けられた点が挙げられる。2008年2月20日に小樽で授賞式が行われた。


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  1. ^ 小林多喜二 蟹工船青空文庫
  2. ^ プロレタリア文学:名作『蟹工船』異例の売れ行き(毎日新聞、2008年5月14日付) - 毎日jp(毎日新聞)
  3. ^ 週刊現代、2008年6月7日号 48頁-49頁
  4. ^ 「蟹工船」悲しき再脚光 異例の増刷、売り上げ5倍 (読売新聞・本よみうり堂・出版トピック、2008年5月2日付)
  5. ^ 「蟹工船」重なる現代 小林多喜二、没後75年朝日新聞、2008年2月14日付)、今、若者にウケる「蟹工船」 貧困に負けぬ強さが魅力? (朝日新聞、2008年5月12日付)、【断 佐々木譲】蟹工船の次に読むもの産経新聞、2008年5月25日付)
  6. ^ 共産党:新党員2万人確保 中央委総会で方針 (毎日新聞、2008年7月13日付)、共産党、新規党員増加 「蟹工船」「資本論」ブームで? (産経新聞、2008年8月3日付)
  7. ^ しんぶん赤旗「08流行語大賞/「蟹工船」入賞/名ばかり管理職・後期高齢者も」2008年12月2日
  8. ^ 白樺文学館多喜二ライブラリー『マンガ蟹工船』を無料公開!!2007年9月27日


「蟹工船」の続きの解説一覧


関連した本

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蟹工船

2010-05-05 23:25:04 | 多喜二研究の手引き

蟹工船

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/04/12 23:41 UTC 版)

舞台版

漫画版

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

映画

1953年

俳優山村聰の主演・初監督作品で1953年9月10日に公開。

スタッフ

  • 製作:現代ぷろだくしょん
  • 監督・脚本:山村聰
  • 製作:山田典吾
  • 音楽:伊福部昭

2009年

2009年7月4日に公開。おおよそ、原作とはイメージが異なるとSABU監督のコメント。DVDは2010年1月21日発売。

主題歌はNICO Touches the Wallsの「風人」。

スタッフ

 

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多喜二「スキー」、おソルべし!! 高齢者の再就職の悲哀を描く

2010-05-04 16:17:45 | 多喜二研究の手引き
このたび発掘された多喜二「スキー」。
私が編集者だったら、改題をすすめる。
タイトルは「ある廃兵の再就職」。

 「廃兵」は、現在の言葉でいえば「傷痍軍人」さらに「戦傷病者」という柔らかい言葉となっている。
  しかし、「廃兵」のほうがインパクトがあるし、多喜二の意図に沿った言葉だろう。




小学生のころ、上野や銀座に行くと
道端で、入院したけが人の着る白衣に包帯を巻き、
アコーディオンの音色をバックに土下座して金品を請う数人を目にする機会があった。
 私が小学生といっても10歳を超えていたのだから、
 白衣の人々は、戦争が終わって20年ほどがたっていたといっていい時期だと思う。

もう銀座の街頭で目にするのは、托鉢の坊主ぐらいだ。
この坊主の足袋が真っ白のままで、汚れていないことでどの程度の坊主か分かる年に私もなにった。
  
  あのときの街頭の傷痍軍人さんたちは、今はどうされているでしょう。
  亡くなられた方もお元気で過ごされてる方も、
  戦争によって狂わせられた人生の軌道を告発するパフォーマンスだと思いたいところですがどうでしょうか。

多喜二「スキー」は、スキーは軍事的な要請でとりいれられた武術のひとつであることが意識されている。雪遊びの「スキー」ではない。そしてそれが「廃兵」によって演武されようとして、されえない悲哀が描かれている。
それも体制側の立場の「国民新聞」紙上で。
18歳の青年の知的戦略を、私は「スキー」の作に見ることことができる。

そして、廃兵―老残となったT先生に老いのわが身をふりかえりつつ、高齢者の再就職につきまとう過酷な現実と滑稽さをしみじみと噛みしめている。


18歳の多喜二、おソルべし!!



このほど発見された「スキー」は、老いぼれ廃兵が拾われて体操教師として再就職し「T先生」となったものの、軍事教練で必要なスキーができず、やむを得ず生徒たちにスキーを習うが、日露戦争で腰を負傷したため、うまく行かず、生徒たちに嗤われるという、哀れな先生に同情を感じさせる原稿用紙400文字・6枚半の短編小説。



【笹川良一】戦傷病者特別援護法制定25周年 記念式典



傷痍軍人と呼ばれた戦傷兵の収容と看護は法の成立・改正により次の様な変遷を経ている。
日露戦争開戦2年で大量の傷病兵の本土への帰還をみ、1906年(明治39年)4月廃兵院法成立後、廃兵院が各地に設けられた。

1934年(昭和9年)3月の傷兵院法によって廃兵院は傷兵院と改称され、1938年(昭和13年)厚生省が設けられ傷兵院は厚生省外局の傷兵保護院に所属とした。その翌年には傷兵保護院は軍事保護院に改称され、付属として各地に傷痍軍人療養所が併設された。

●札幌 スキー連盟ホームページより

クロスカントリースキーの歩み


誰もがスキーを始める時は、まずスキーを履き歩くことから始める、これがクロスカントリースキーの原点である。

クロスカントリースキーはスカンジナビア半島において古くから盛んで、ノルウェーが発祥の地とされ、文献によるとノルウェーの島に有る洞窟で、4000年以上前のクロスカントリースキーの壁画が発見されたと記載されている。北欧ではクロスカントリースキーが、古くから冬季の生活に欠かせない交通、狩猟及び戦争の手段として用いられてきた。

クロスカントリースキーが、生活に溶け込み、楽しみ、そしてスポーツ的になったのは、1867年(明治元年)ノルウェーのクリスチャニア地方で、始めてスキー大会が開催され、国王が国技と定めたとされている。また1879年(明治12年)に、競技大会で世界最古といわれる、第1回ホルメンコーレン大会が開催され現在に至っている。

日本にスキーが初めて渡来したのは、1908年(明治41年)現北海道大学(前札幌農学校)に講師として赴任した、スイス人のハンス・コーラ氏が両杖スキーを持参し、大学構内で滑ったと北海道大学スキー史に印されている。

正式な日本スキー発祥の地は、1911年(明治44年)現上越市(前高田市・金谷山)で、オーストリアのレルヒー少佐が来日し、一本杖スキーを高田連隊の将校10名にスキーを教えたのが、日本スキーの発祥地とされ、現に金谷山に「日本スキー発祥の地」の碑が建立されている。発祥地を決定するのに、札幌と高田と論争になつたとも記載されている。

当時陸軍省が軍隊にスキー技術を訓練させ、有事の際にスキーで行軍するために、レルヒ少佐を招聘して指導してもらったとされている。

レルヒ少佐は来日の翌年、1912年(明治45年)2月旭川第7師団で隊員にスキーの指導を行い、帰り小樽市花園公園で市民にもスキーの指導を行ったと記載されている。

競技会については、1912年(明治45年)1月レルヒ少佐が指導を行った高田市・金谷山で滑降競技が行われ、これが日本初のスキー競技会とか、大正初期は甲信越と北海道で地域的なスキー競技会が行われていたと記載されている。

日本の全国的規模な公式スキー競技大会は、1923年(大正12年)小樽市で、第1回全日本スキー選手権大会(種目クロスカントリー1Km4Km10Km8Km、リレー、テレマークスラローム、クリスチャニアスラローム、ジャンプ)が大日本体育協会主催で開催されたのが最古である。

次に現在も行われている古い大会は、第1回全日本学生スキー選手権大会(種目クロスカントリー30Km15Km28Km、リレー、ジャンプ、コンバインド)が1928年(昭和3年)青森県・大鰐町で開催され現在に至っている。

また、選手権でなくて誰でもが参加でき親しまれてきた、札幌市の宮様スキー大会(種目長距離想定18Km耐久同40Km、ジャンプ、コンバインド)は、1930年(昭和5年)から開催され、これら三大会は現在も続いていて、日本の歴史的スキー競技大会である。

これら競技大会を組織する連盟の創立は、全日本スキー連盟は1925年(大正14年)、全日本学生スキー連盟は1926年(大正15年)、札幌スキー連盟は1929年(昭和4年)及び北海道スキー連盟は1932年(昭和7年)それぞれ創立されている。

北海道の競技クロスカントリースキーは、1914年(大正3年)北海道大学スキー部が小樽市・銭函で2Kmのクロスカントリー大会を行い、翌年札幌市・円山で1.5Kmの競技会を行った記録が残っている。更に、北海道大学スキー部主催で、1920年(大正9年)小樽水産学校から北海道大学構内まで、31Kmを7人で中継する、第1回全道中学校スキー駅伝競走が行われて、これが全道的スキー競技会のはじめであると思われ、1924年(大正13年)まで5回続いたと記載されている。


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多喜二文学の発展を深める――(牛久保建男)

2010-05-04 15:53:21 | 多喜二研究の手引き


背表紙/『防雪林・不在地主』……多喜二文学の発展を深める


 岩波文庫から小林多喜二の『防雪林・不在地主』(760円)が刊行されました。岩波書店では昨年から新書でノーマ・フィールド著『小林多喜二』、文庫で荻野富士夫編『小林多喜二の手紙』と刊行してきました。

 今回の文庫は1953年の旧版をもとにしたもので、作家・江口渙の解説を再録し、さらに島村輝氏の書き下ろしの解説をつけています。

 島村輝氏が指摘しているように、「防雪林」は多喜二の日記などからその存在は知られていましたが、没後14年目の1947年になってノート稿の中から発見されるまで埋もれたままでした。「防雪林」は28年の4月に「一九二八年三月十五日」にかかる直前に完成。「『防雪林』改題」とノート稿にある「不在地主」は29年に『中央公論』に発表され、銀行を解雇される直接の理由となりました。

 多喜二は「防雪林」をなぜ公表しなかったのか、「改題」とされる「不在地主」は「防雪林」とどう違うのか。来月には『独房・党生活者』(蔵原惟人・小森陽一解説)も復刊予定といいます。多喜二の思想と文学の発展をこれを機会に深めるのもいいかもしれません。
 (牛)
( 2010年04月25日,「赤旗」)
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