大阪多喜二祭に350人 労働状況に耳傾け
(2009年3月1日 読売新聞)
代表作「蟹工船」がブームになっている作家・小林多喜二(1903~33)をしのぶ「大阪多喜二祭」が28日、大阪市中央区の市立中央区民センターであり、「派遣切り」などが広がる厳しい社会状況を反映し、約350人が会場を埋めた。
同祭は、命日の2月20日前後に各地で開かれ、大阪では3回目。過去2回は多喜二の研究者の講演だけだったが、今回は講演に加え、労働組合関係者らが労働相談の実情などを伝えた。
蟹工船は、過酷労働を強いられた労働者が団結して立ち上がるまでを描き、29年に発表。「現代の格差社会における『蟹工船』」をテーマに講演した三重大の尾西康充教授は、漁船員と船頭の関係に着目。同じ雇われの身でありながら、漁船員の監視を任されていた船頭が最終的には共に立ち上がった、と指摘。「立場を超え問題意識を共有することが大切。格差社会を克服するためには、広く協力を呼びかける必要がある」などと訴えた。
地域労組おおさかの平佳子書記長は、昨年末に自動車工場で「派遣切り」に遭い、2日後の退寮を求められた労働者から相談を受けて交渉。1か月の猶予期間を得られたことを挙げ、「声を上げれば変えていくことができる」と語った。

(2009年3月1日 読売新聞)
代表作「蟹工船」がブームになっている作家・小林多喜二(1903~33)をしのぶ「大阪多喜二祭」が28日、大阪市中央区の市立中央区民センターであり、「派遣切り」などが広がる厳しい社会状況を反映し、約350人が会場を埋めた。
同祭は、命日の2月20日前後に各地で開かれ、大阪では3回目。過去2回は多喜二の研究者の講演だけだったが、今回は講演に加え、労働組合関係者らが労働相談の実情などを伝えた。
蟹工船は、過酷労働を強いられた労働者が団結して立ち上がるまでを描き、29年に発表。「現代の格差社会における『蟹工船』」をテーマに講演した三重大の尾西康充教授は、漁船員と船頭の関係に着目。同じ雇われの身でありながら、漁船員の監視を任されていた船頭が最終的には共に立ち上がった、と指摘。「立場を超え問題意識を共有することが大切。格差社会を克服するためには、広く協力を呼びかける必要がある」などと訴えた。
地域労組おおさかの平佳子書記長は、昨年末に自動車工場で「派遣切り」に遭い、2日後の退寮を求められた労働者から相談を受けて交渉。1か月の猶予期間を得られたことを挙げ、「声を上げれば変えていくことができる」と語った。
