高速増殖炉(こうそくぞうしょくろ Fast Breeder Reactor:FBR)とは、核分裂で発生した中性子を減速せずに次の分裂に入る方式を言う。 通常の原子炉における燃料転換率は1未満であるが、高速増殖炉においては、燃料転換率(燃料増殖率)1.4を実現している[要出典]。
使用前のMOX燃料には、燃料となるプルトニウム239と微量ウラン235、および核分裂を起こさないウラン238が含まれている。高速増殖炉は、この内ウラン238をプルトニウム239に転換するのに適した原子炉で、プルトニウムの燃焼による発電をしながら、燃料を使用前以上に増やすことが出来るという画期的な原子炉である。
核分裂反応に必要な中性子は、熱中性子というエネルギーの低い中性子で、通常の原子炉では減速材を用いて高速中性子のエネルギーを落として熱中性子に変える。一方プルトニウム239に転換するのに必要なのは高速中性子である。ゆえに、高速増殖炉では減速材を用いずに、高速中性子を増やすことでプルトニウム239への燃料転換率を高めている。
発電方法は、蒸気によりタービンを回す点で他の原子炉と変わらない。但し、軽水炉においては一次冷却材として軽水(普通の水)が使用されているのに対して、高速増殖炉では金属ナトリウムを使用している。 これは軽水が冷却材としての作用以外に中性子の減速材としても高い能力を持つためであり、高速中性子の必要な高速増殖炉では軽水の使用は相応しくない。その代りに金属ナトリウムを使用し、これにより熱を炉外に導き蒸気を発生させる。
しかし、冷却材として使用される金属ナトリウム(水と激しく反応し水素を発生する)の管理に高い技術が必要であること、通常の原子炉よりも費用がかかること、現在開発中の炉の多くが何らかの事故を起こしていることなど、経済性や安全面から開発を断念する国が後を絶たない。日本でも、高速増殖炉原型炉もんじゅで金属ナトリウム漏洩事故があって以来、高速増殖炉開発および、プルサーマル計画は中断されたままである。 また、ウラン燃料は、ウラン235の半減期が約7億年と長いことから通常状態において殆ど放射線を出さないのに対し、プルトニウムを含む燃料は、プルトニウム239の半減期が約2万4千年とウラン235と比較して非常に短いため放射能が極めて強く、プルトニウムの使用やプルトニウムの海上輸送に対する反発の声が高まっている。そのため、高速増殖炉の開発は一層困難な状況にある。
今回、日本が誇る高速増殖炉(もんじゅ)がナトリューム漏れの事故を改修して、12年ぶりに、稼働されることになった。我々にとって一番の心配事は安全についてである。12年間も停止状態にあったのなら、さびついて動きにくい所もあるのではないか? と 我々は考えてしまう。この辺の所は大丈夫なのだろうか? 日本原子力機構さんから、我々国民にわかりやすく安全性について説明を求めます。
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