1922(大正11)年、大阪毎日新聞と東京日日新聞間の電話は1日平均80~90通話だった。通話は延べ7、8時間。ささやかな数字だが、それでも一般の利用を圧迫するため2年後に専用電話が開設された。これで大毎と東日は「空間と時間とを超越して一体化」したと毎日新聞社史は伝えている▲むろん、一体化したのは東西の拠点だけで、それ以外は予約電話がつながるのを待つしかない。そこで登場したのが伝書バトだ。専用電話の開設と同じ年、両本社にハト小屋が完成し、計80羽が投入された▲ハトが速報の一翼を担う態勢は戦後も続く。大阪湾の海難事故現場に船で急行した毎日の記者はコートに隠していたハトを取り出し原稿を付けて放した。まだ締め切りに間に合う。準備の差をくやしがる他社の記者たち。止まり木で隣り合わせた先輩OB記者から聞いた思い出話だ▲通信・伝送をめぐる状況はその後恐ろしく変わった。87年に携帯電話サービスが始まり、99年の文字メール対応・インターネット接続型の登場でケータイは「しゃべる」に「打つ」が加わった。カメラ付きは当たり前、動画が送受信できる機種も伸びている▲それだけでも驚くのに、ケータイで鮮明なテレビ画像が見られる地上波デジタル放送「ワンセグ」が1日から3大都市圏などで始まった。そこまでやるかとの思いもあるが、外出先でニュースやスポーツ番組が見られるだけに普及していくだろう▲ただ、名古屋で開かれたワンセグ体験イベントで女子高校生が「携帯でテレビが見られるなら家に帰らなくてもいい」と感想を漏らしていたというのが気になる。空間と時間とを超越して「家庭の一体化」に貢献するケータイであってほしい。無理な注文だろうか。
毎日新聞 2006年4月3日 0時07分
携帯をいくら高機能にしても、個人個人が人間革命しなければ家庭の一体化は無理でしょう。私は幼い頃から朝晩の勤行の実行を怠らずに実践してきました。勤行というのは法華経の方便品と寿量品を読受し、最後にお題目を唱えることです。お陰様で、子ども達も素直に成長してくれて、良い家庭環境だと思います。
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