彼は、私が尊敬する人なので、Iさんって呼ぶことにする。Iさんの上半身は、まるで、プロレスラーのように筋肉で覆われている。腕の太さを、私と比べると、3倍はあると思う。腕の周りが大きな、オーダーメイドのカッターシャツは、Iさんの必需品である。Iさんの、この素晴らしい体は、チェア・バスケットにより作られた。腕の筋肉などは、普通のバスケットよりも、使うと思う。その素晴らしい腕で、車椅子を、操るので、ヒョイヒョイと、飛ぶように簡単に動く。階段だって、上り下りできるそうである。
冬になると、チェアスキーになる。チェアスキーに、はまったのは、5,6年前からだという。一人で、リフトに乗り、頂上まで来たとき、眼下に見える、山並みと雲海の美しさに、見入ってしまったという。それ已来、40万円もする、チェアスキーを購入し、毎年、すべりを、楽しんでいるという。
大きな車で、大きな家に帰ると、大きなテレビと、大きな奥さんが、Iさんを待っている。とにかく、でっかいことが、大好きなIさんである。いつも大らかで、友達も多く、それでいて、細やかな配慮をしてくれる、Iさんを、私は大好きである。皆も、そう思っていると思う。
昨日も、近くの中学校に呼ばれたそうである。Iさんの体験を、若い生徒に聞かせるためである。車椅子を操って、身振り手振りで説明すると、皆、感心するらしい。質問会もあったそうである。若い生徒の中のIさんが羨ましい。
最後にIさんがCADの達人であることを、言っておかなければならない。第1回、全日本障害者CAD大会で優勝されているのである。素晴らしい実力者なのである。
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